第3回 夏休みをデザインしたら?

2019/08/2808:10133人が見ました

はじめに

こんにちは。前回は住宅デザインへの誤解を解いていただきました。今回の第3回目の授業は「住宅をデザインするってどういうことなのか」について、さらに深く考えていきましょう。まず、住宅をデザインするという言葉と似ている言葉で住宅をプランするというものがありますよね。みなさんは、デザインすることとプランすることとの違いが分かりますか?この答えを導くために、「住宅」というワードを「夏休み」に置き換えて想像してみましょう。

夏休みをデザインしたら?

あなたに小学3年生の男のお子さんがいると想像してください。夏休みを一ヶ月後に控えたある日、彼はあなたに「夏休みの予定をプランして!」と言ってきました。あなたはどうしますか?

・去年はなかなか早起きできなかったので、今年はきちんと朝6時に起きてラジオ体操に参加しよう。

・毎年のことなので、お盆はおじいちゃんおばあちゃんに会いに二泊三日で行こう。

・同じクラスの友達が行ってきたディズニーランドに行こう。

とまあこんな感じでしょうか。では、彼があなたに「夏休みの予定をデザインして!」と言ってきたらどうでしょう?(ちょっと変わった子供ですがそれは横に置いといてください)私だったらこう考えます。

・去年はなかなか早起きできなかった。でも、最近は小さな自立心が芽生えてきた。そうだ、彼には専用の目覚まし時計を買ってあげよう。ラジオ体操にも積極的に参加するかも。

・おじいちゃんは今年定年退職して時間はあるから息子に釣りを教えてもらおう。それは二人にとって良い思い出になるだろうな。

・この子は生き物にとても興味を持っている。みんなが行っているディズニーランドではなくて、水族館に連れて行ってあげよう。きっと喜ぶはず!

プランすることとデザインすることの違い

さあ、もう皆さんお分かりですね。プランすることとデザインすることの違い。結果的に夏休みの予定を決めるという点では同じです。出来上がった夏休みの予定表を見ても大差ないでしょう。でも、その意味合いが大きく異なるのです。プランするというのは前例とか周囲の状況など諸条件を勘案して夏休みの予定を決めること。デザインするというのは子供に心を寄せて何かを発見し、それを「夏休みの予定」によってより良い方向へいざなうこと。

では話を住宅デザインに戻しましょう。

予算がいくらだから家族が何人だからという諸条件を勘案して住宅のカタチを決めることはプランすると言います。クライアントに心を寄せて何かを発見し、それを住宅のカタチによってより良い未来へいざなうことがデザインです。クライアントが感動するのはどちらかと問われたら答えは明らかですよね。

まとめ

私が住宅デザイン手法を学んだ建築家吉田桂二さんが私たち若いつくり手にいつも言っていた言葉を思い出します。「空間に何を語らしめるかを考えよ」と。相手の気持ちに寄り添い、空間に何を語らしめるかを考える。これこそ住宅デザインだと思うのです。

次回第4回目は「デザインはキャベツの千切り」苦手な方が住宅デザイン力を身につけるコツをお伝えします。

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