社内の経営資源に目を向ける

2019/11/2911:12176人が見ました

     これまでの連載では外部環境に目を向けて競争戦略を考察していきました。取り組むべきビジネスの条件として、「市場規模が大きい」「競合が少ない」「自社の経営資源に適合する」の3つがありますが、市場規模が大きく、競合が少ないから(ブルーオーシャンだから)と言っても、取り組んだすべての会社がうまく行くとは限りません。そこで、今回から3つ目の経営資源にも目を向け、「バーニーの企業戦略論」も用いながら、戸建リノベーションビジネスについてお伝えしたいと思います。

     

    中小工務店のSWOT分析

     自社が持つ強みと弱み、外部環境の機会と脅威を記載し、それらを組み合わせることにより、経営戦略を検討します。SWOT分析とは、特に会社の戦略立案を考える際に用いるものです。まず、自社が持っている経営資源の中で強み(長所)と弱み(課題)の洗い出しをします。次に、自社を取り巻く外部環境の中で機会となる追い風と脅威となる向かい風を書き込みます。そこから戦略を導き出すには、それぞれの組み合わせを通じて、どのような対策を打てるか考える手法です。

     

     強みとしては、新築を通じて蓄積した豊富な建築知識、業界経験があり、大規模なリフォームへの対応力があります。反面、マーケティング発想が弱く、集客や営業等の仕組みづくりが苦手な傾向がある点で弱みです。社長が営業の第一線で活動しており、人材も不足ぎみです。

     一方、機会としては、ストック型社会の到来と、人口が減少していくにも関わらず、リフォーム市場は堅調に推移すると予測されている点があげられます。空き家率の増加も社会問題となっており、中古流通をいかに促進させるかは日本全体の課題となっており、国策の後押しも期待されます。

     脅威としては、新築市場の縮小という背景の中、リフォーム市場への参入企業の増加により、競争が激化している点(家電量販店、ホームセンター、ハウスメーカー、工務店、ビルダー等)があります。

     経営資源に適合する性能向上リノベーションを対象にすることで、独自のポジションが築ける可能性が高いと考えられます。ただし、そのためには、日々、強みを活かすかたちで整合性のあるビジネスモデルを構築していくことが大切です。

     

    7Sの考え方

     会社の内部資源を見ていくフレームワークに7Sというものがあります。自社の戦略(Strategy)、組織構造(Structure)、システム(System)。さらに、会社の価値観(Shared Value)の浸透、組織の能力(Skill)の向上、人材(Staff)の育成、会社の思考、行動パターン(Style)のことを表します。

     中でも戦略、組織構造、システムは比較的変えやすく、価値観、能力、人材、行動パターンは変えにくく、時間がかかると言われています。これらはどれか1つだけを変えてもうまく行かず、戸建リノベーションビジネスの参入に向けて、全体設計していくことが大切です。

     以上の考え方を前提に、次回以降さらに内部資源の競争優位性に目を向けていきたいと思います。

    一覧へ戻る