戸建リノベーションビジネスにおける競争優位性

2020/03/1016:46407人が見ました

    紙媒体やホームページは重要ですが、どちらかというと目に見えやすく模倣しやすい要素と言えます。一方で、営業、施工、組織体系などは目に見えにくいですが、その部分にこそ、信頼の源泉や模倣障壁、競争優位性が存在します。今回のテーマはそうした模倣しづらい内部の取り組みの一例についてお伝えしたいと思います。

     

    営業面(体感装置)

    お客様と出会う基点において、戸建リノベーションのモデル事例には3つのタイプがあります。

    1つ目はお客様の完成現場見学会、2つ目は空間演出型店舗、3つ目はリノベーションモデルハウスです。

    年間を通じて完成現場見学会だけを継続して開催する例もあれば、複数の基点を同時に機能させている事例もあります。これらは集客装置として機能しているだけでなく、営業面においても、テイストや性能等の体感装置という大きな武器になっており、トークマニュアルやロープレを通じて、体感装置の効果を最大化している点が重要ポイントです。

    また、建て替えとリノベーション、両方の選択肢があるという相談案件に対して、モデル事例では、建て替えとリノベーション、それぞれのメリット、デメリットを伝えて最適な選択へ指し導いています。さらに概算見積りを早期に伝える仕組みができており、主導権を持ちながら適切な営業ステップを踏んでいくフローが徹底されています。

    工務店さんの多くは新築ありきでアプローチしますし、リフォーム専門会社さんはどうしてもリノベーション一辺倒で話を展開します。このようなスタンスの問題で違和感を与えてしまうこともあり、要注意です。

    「戸建リノベーションビジネスはスタッフのマンパワーに依存する」と言われますが、人に依存しやすい事業だからこそ、体感装置を基点にランクアップさせるためのしかるべき営業フローを一つ一つ踏みながら、信頼関係を築くことが大切です。

     

    施工面(性能向上)

    戸建リノベーションの2大テーマとして耐震と断熱性能がありますが、耐震であれば、筋交いや補強金具の位置の確認や取り付け方法といった基準をつくり、共有を徹底することで品質が保たれることにつながります

    断熱であれば、断熱材ごと、部位ごとに厚さ、すきまの扱い等基準を決め、共有を図ります。こうした取り組みを施工管理担当が中心となり、進めていきます。

    社内のスタッフだけで取り組むことは容易なことではありませんので、施工品質管理や現場技術者の育成等を専門とする会社(たとえばNEXT STAGEさん)に標準施工手引書の作成や、品質チェック等技術面のナレッジマネジメント構築支援を受けたり、断熱に関しては壁体内無結露保証がある「デコスドライ工法」の施工代理店に依頼したりする例も多いです。

    民法や省エネ法の改正もある中、こうした専門会社と適材適所に連携しながら、工務店さんの強みをうまく活かしたり、補ったりすることができれば、新築・リノベに限らず着実に体制が強固なものになります。

     

    今回のまとめ

    新築に比べて業務が複雑になりがちな戸建リノベーションビジネスにおいてはなおさら日々、ムリ、ムラ、ムダをなくし、新築の粗利率+5%を前提に、情報が流れるよう体系化を進めていく必要があります。

     「戸建リノベーションは現場によって状況が様々なので仕組みにしづらい」と思われがちですが、新築で培った建築リテラシーや、技術のポテンシャルをベースに体制を構築することができれば、競争優位の源泉となり、地域において長期的に独自ポジションを築くことにつながります。

     

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