ルイスポールセン「PH5」と、日本の食卓で使う際の注意点

2020/04/2410:044976人が見ました

日本の食卓で「PH5」を使う際の注意点


 北欧はキャンドルの文化が定着しており、食卓には一般家庭でもキャンドルを日常的に灯します。そのため、キャンドルの灯りを活かし、且つ、全体的に柔らかい灯りを好む傾向にあります。一方、日本の食卓は北欧に比べると、明るくしっかりとした光が好まれる傾向にあります。 

インテリア性やデザイン性が良くて「PH5」を購入したが、食卓テーブルの照明はもう少し明るい方が良かったと思われることが多いのが使われている方の意見。

これは食文化の違いが大きく関わります。北欧は刺身を食す文化が無く、魚は全て火を通します。焼き魚の色はどれも似たりよったり。日本は刺身をよく食べます。刺身の色つやを鮮やかに表現するには「直接光」が適しています。間接光だけでは陰影がなく食材の立体感が出ません。刺身だけでなく、サラダもみずみずしく見せるためには光が食材に反射する「光の指向性」が必要になります。食卓の主役はあくまで「食材」。であると考えると必然的な考えにたどり着きます。

 

食材を美しく照らす「光源」を選ぶ

 

日本の一般家庭の食卓に上がる食材をより鮮やかに、よりきれいに見せるためには、「PH5」と合わせて、ダウンライトやスポットライトで指向性のある光りを創りましょう。

ダウンライトの場合、テーブル面を効率的に照らすことの出来る『ユバーサルタイプ』に。スポットライトは取付け位置を簡単に変えることの出来る『配線ダクトタイプ』にします。さらに、調光スイッチを併用し回路を分けるとキャンドルも映える演出が可能となります。

ここで注意するポイントは「影」。

PH5は比較的大きな器具ですので、テーブル面に比較的大きな影が落ちます。その影を目立たせなくするには色の濃いテーブルを選ぶか、ダウンライトやスポットライトの光の角度を調整して影を薄くする方法もあります。

食卓の照明計画は、適度な明るさと影を考えることを心がけたいですね。直接光の選定が成功の「鍵」を握っています。


 

では、直接光の選定は「演色性」を重視します。器具だけでなく、ランプにも着目します。

例えば、「SORAA」。紫LEDをベースにした素子を使い、ブルーライトの影響を受けず目にも優しいランプです。しかも演色性が高く、食材を照らすには打って付けのランプです。

もう一つは「inside」。「モレ光」をあえて抑え、空間に溶け込む光をデザインしています。

照明メーカーのカタログを開くと「高演色」や「Ra95」などの表記があります。若干価格は高い設定になっていますが、価格以上の価値があります。それを一般ユーザーに説明する「技術」が必要ですが、そんなに難しい話ではありません。種類の違う光源を置き比較するだけ。後はその違いに価値があると感じるユーザーにはさらに踏み込んだ説明と照明計画の提案をするだけです

光の世界では、平均演色性の指数をR1からR7で表現しますが、私は特殊演色指数と呼ばれるR9の赤、R11の緑の指数を食卓照明の光源に選ぶ際の基準にします。ちなみにR15は日本人の肌の色です。化粧品売り場ではこの指数を気にします。



 

赤がきれいな光源は刺身がきれいに見えます。わずかな色の違いですが大きな効果が得られます。

 

 

一見、PH5の照明が食卓を照らしているように見えますが、実は脇役の光源が光の主役になり、PH5は意匠(デザイン)の主役であり、光源の主役ではないことを覚えておいて下さい。

最近のPH5は色のバリエーションも揃い、選ぶ楽しさが広がります。不滅の王道の器具ですから、提案するときは脇役(主役)の光源をしっかり考えつつ、PH5の選定をすると施主の満足度は高くなると思います。

 

 

株式会社灯り計画

一覧へ戻る