春はあけぼの、屋根はキリツマ。

2020/06/1312:17351人が見ました

「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」

ー枕草子 清少納言

「屋根はキリツマ。伸びやかに続く軒先、山型の妻面が動きを生むリズム感。」

ー住宅デザイン塾塾長 和氣正頼

 

唐突に失礼しました。清少納言に張り合ってしまいましたが、冗談ですのでご容赦ください。

でも、私が主宰している住宅デザイン塾では切妻屋根以外は禁止にしています。

それほど切妻屋根の良さを理解し、重要だと考えているのです。

もちろん世の中には切妻でなくても良い家はあります。

でも、初級デザイナーにとって、まず切妻屋根を理解することが他の屋根(片流れや寄棟)を理解するよりも大切なのです。

ではなぜそれほどまでに切妻屋根を重視しているのでしょうか。

それは、切妻屋根が最も「屋根架構の運動」に適した屋根だからです。

住宅デザイン上級者は巧みに「屋根架構の運動」という技を使って動きのある魅力的な内部空間と外観をつくり出します

特に平屋の住宅の場合、主要な内部空間から屋根が距離的に近い分、「屋根架構の運動」が内部空間の魅力に大きな効果をもたらします。

これこそ日本の木造建築の魅力であり最も楽しいところとも言えます。

その楽しさを塾生の皆さんにも体感していただきたいと思っているのです。

 

ここで一つだけ切妻屋根をマスターするためのコツをお伝えしましょう。

それは「垂木の存在をイメージする」ということです。

住宅デザイン塾に来られた初級者の方の多くは垂木の存在を無視しているケースが多く見られます。

そういうケースは、先に間取りだけを作って、あとは三角屋根を載せるというやり方になっています。

それでは切妻屋根の魅力を活かしているとは言えません。

おすすめのやり方はまず、「どのくらいの太さの垂木をどのくらいの間隔でどこからどこまで並べるのか。」という垂木の存在をイメージすることからスタートすることです。

次に、「それによってできた内部空間にどうやって間取りを落とし込むか。」ということを考えます。

もちろん、この思考は行ったり来たりするものですのでそう単純なものではありません。

しかし、垂木の存在をイメージしてデザインされた空間は動きのある魅力的な空間になり、同時に外観も自ずと美しくまとまるのです。

 

是非今一度、切妻屋根を研究してみてください。

 

ルスカデザイン 和氣正頼

https://www.ruska-design.com/

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