二世帯住宅はいらない

2020/07/1019:03453人が見ました

私は数年前から、二世帯住宅は今後減少していくと予想していました。

なぜなら、家族形態や暮らし方の多様化が加速する時代、二世帯住宅という大家族の住宅はその変化についていけなくなると考えたからです。

しかし、最近私の元には二世帯住宅のデザイン依頼が増えているのです。

初めは偶然かなと思っていましたが、何件も続いてくると偶然とも言えなくなってきました。

そこでもう一度、二世帯住宅を建てるお客さまが何を求めているのか考えてみました。

するとあることが分かってきました。

それは、お客さまの意識の中に「世帯」という言葉が存在しないということでした。

すなわち、お客さまは「二世帯住宅」を建てたいのではなく、ただ「家族で暮らす住宅」を建てたいのです。

私の認識にあった以前の二世帯住宅は、親世帯と子世帯という二つの世帯をどうやって繋げ、また離すのかということがデザインの腕の見せどころでした。

しかし、今のお客さまにとって家族みんなが気持ち良く暮らせれば良いのです。

つまり、「世帯」ではなく、「家族一人ひとり」をどうやって繋げ、また離すのかをデザインすることを求められているのです。

 

昔は家族で同じコタツに入り、同じテレビ番組を見て、同じ風呂に入って、同じ寝室で寝ました。

だからこそ世帯に所属していることを意識せざるを得ませんでした。

家を建てるときも、単体世帯なのか二世帯なのかというのが大きなポイントでした。

それが今や世帯に所属している意識は薄れ、家の中にいても個人の自由にできることが増えました。

でも、こんな時代だからこそ、「家族で暮らす住宅」という当たり前のことが重要な意味を持つ時代なのかもしれません。

 

 

ルスカデザイン

和氣正頼

https://www.ruska-design.com/

 
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