【光をデザインするステップ<後編>】なぜ光をデザインすることが必要?

2020/09/1815:29201人が見ました

灯り計画の三原です。今回は光とデザインするステップ<後編>です。照明の色味や明るさを変えてみる、あるいはその提案をすることに積極的になる方が一人でも増えてほしいと思っています。

ぜひ<前編>(光を意識する訓練など・・・)から読んでみてください。

 

照明の色温度


さて前回からの続きですが、照明には「色温度」があることをご存じでしょうか? 家電量販店やホームセンターに行くと、様々なランプが販売されています。家の電球が切れた時、ランプに書いてある型番を控え買いに行った経験をした人も多いと思います。最近では、明るさと色温度(白色や電球色の光の色)を目でわかるよう、プレゼンテーションしている店も沢山見かけます。

 でも、ランプの色を変えた部屋の空間を想像するのは意外にも難しい。だから、つい同じ型番のものを買ってしまう。わかっているから安心なのでしょう。

人それぞれ好みもありますが、用途によって色温度を変えるのも「あり」だと思います。むしろ、それを提案することが必要です。

例えば食卓のひかりはどうでしょう。白色より電球色の方が、料理が美味しく見えます。レストランの照明はほとんどが電球色です。計算や事務作業を効率的にこなすには、白色で少し明るい環境が良いとされています。一方で、ちょっと考える作業や想像を働かせるには電球色の方がいいアイディアが出ると言います。シャンデリアに白色の蛍光灯やLEDランプは味気ない。やっぱり雰囲気も大切と思います。

このように、使う場所や用途によって色温度を変える事もより暮らしを快適に過ごす上で必要な要素ではないでしょうか。

 

スマートハウス-HEMS-の時代へ

 

ホーム・エネルギー・マネジメント・システム

 

LED照明が普及し、省エネや節電に興味を持つ人も多いと思います。太陽光パネルや蓄電など、家庭でも自分たちで電気を作り効率良く使う、あるいは深夜電力を活用し電気代を節約したい人も多くなりそうです。

これからの時代は、EZO「ゼロエネルギー」の時代になると考えられます。そのために使用電力をコントロールし、見える化をする仕組みが「HEMS」。大手電機メーカーは、独自のシステムでPRをすでに始めています。そして照明もその範疇に当然含まれます。今まで以上に、照明の可能性に気が付く人が増えることは間違いありません。先ほど申し上げた、シーンによって証明の色や明るさを変えたり、時間帯によって調整するといったことも容易になります。

ちなみに、専門知識は必要ですが、事前に調べ準備することで、業者からの提案を鵜呑みにして失敗したなんてことは避けられます。HEMSの仕組みや方法は、それぞれの家庭の事情や考え方により全て異なるものだと考えています。

 

「光とデザイン」のこれからは・・・

 

建築、内装デザイン、インテリア、プロダクト・・・ あらゆるものに光をあててデザインすることが、LEDの普及により、より簡単により容易にできるようになってきました。ですが、光をあてれば良いものでもありません。色を付ければ良いものでもありません。その場所に適した照度と、色と光の配光を考え、緻密な計画と設計を行えば、驚くほどの変化が起こることが期待できます。

ちょっとした工夫と気づきがあれば、誰もが体験できるのです。それほど、照明は日常生活に密着し、無くてはならない存在なのですから。

今、パソコンのまわりの環境はどうですか? 照明の色は白色ですか? それとも電球色ですか? もし、白色だったとしたら、電球色に変わったことを想像してみて下さい。きっと雰囲気が違う空間になるでしょう。もし、パソコンのキーボードまわりだけが明るく、その他は暗い環境であったらどうでしょう? そこにはどんな光を作ればよいでしょうか? 

想像してみて下さい。これこそが、光をデザインすることなのです。光には人それぞれの好みがあります。明るいのが好きな人と暗いのが好きな人。白色が好きな人と電球色が好きな人。フルカラーで演出して楽しむ人と、単色を好む人。それぞれの好みに合わせた色や光の強さを提案する役割を担うのが、照明デザイナーの仕事です。これが「光とデザイン」です。

自分自身の暮らしを満足するためのひかり。家族と共に楽しく生活するためのひかり。友人などゲストを招いたときに、ちょっと自慢できる演出されたひかり。

普段、家で過ごす時間は「夜」という人は多いと思います。夜の時間を楽しむためにも、心地良い暮らしを手に入れるためにも、照明を考えてみてはいかがでしょうか? きっと、今とは違う暮らしが始まります。

 

 

三原 慎一

株式会社 灯り計画  Lighting Planning Office 

mail: info@design-akari.com

Tel:04-7196-7142 Fax:04-7196-7272

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