【特別編】今までにない危機ウッドショック

2021/05/3114:021410人が見ました

いまだに猛威を振るう新型コロナウイルスによって
市場はいまだに混乱しています。
ワクチンの接種がいち早く進み
集団免疫を獲得するまでは、
もうしばらくかかりそうです。


そんな不安な毎日を過ごしている私たちに対して
追い打ちをかけるかのように始まったウッドショック。
住宅業界は今までにない悲鳴を
上げることになりました。

ウッドショックとは、世界的な木材需要の増加により、
日本国内で住宅に使用する木材製品の供給不足と
高水準での価格高騰が深刻化している状況を指します。

既にご存じの方も多いとは思いますが、
主な原因としては以下の通りです。

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    米国の住宅需要の増加
    コンテナ不足のための海上運賃の高騰
    中国の好景気

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この3つの原因により
ウッドショックが引き起こされたわけですが、
それぞれ事情があるようです。
それぞれに起こっている主な事象は次の通り。



────────── 米国国内事情としては、
■コロナ禍により米国経済が悪化し
米国内の製材業者の廃業が起き
供給不足に繋がっている。

■トランプ政権がコロナ禍対策で
住宅ローンの低金利政策や、
リモートワークの定着により
都心での生活の必要性が薄れ
郊外の安価な土地に住宅を購入する消費者が増加した。
これらにより国内需要が大幅に増加している。
(トランプ政権下の120万戸推移から
2021年3月時点で173万戸へ増加)

■米国内の木材需要増によるによるインフレで、
価格が記録的高騰を連発している。
SPFは昨年の底値から4倍以上の値がついている)

────────── 欧州では、
■日本国内で多く使用されている
ホワイトウッド(WW)が
米国内の供給不足を補うべく
米国向けに輸出量が増えた。
(日本は品質に厳しく、価格も値切るのに対し、
米国は品質にも価格にも寛大なことから
米国有利に製品が輸出されている)

────────── 中国では、
■コロナ禍から比較的早期に経済が回復し、
木材需要が活発になっている。

────────── 日本国内では、
■輸入木材製品の不足と、
そこから波及された国内製品(内地材、国産材)の
不足が深刻化しており、
注文通りに入荷が出来なくなっている。

■梁や柱、土台、小割り材、
垂木、胴縁すべての製品が逼迫している。

■すべての木材が高騰しているが、
高騰した価格を了承したところで、
満足な購入ができない。

■プレカット工場が受注制限を掛けている。

■構造用梁に関して、46月に
欧州EW(エンジニアリングウッド)・
国内生産材がそれぞれ通常時に比べて
8%~19%まで供給の落ち込みが予想され、
全体では15%ほどの落ち込みを
予想している資料も見受けられる。

■構造用柱に関して、4月~6月に欧州EW
それぞれ20%~40%の供給の落ち込みがあり、
全体として17%以上の落ち込みを
予想している資料も見受けられる。

今回のウッドショックの原因と結果については
大まかにこんな感じかと思います。



この内容でもわかる通り、
ビルダーや工務店の希望する供給数を
100%応えることは極めて困難な状況と言えます。

ビルダーや工務店では、樹種変更やサイズ変更などでの
仕様変更によって一時的な対策がとられていますが、
それでも供給側は受注制限をしないと
回らないというのが現状のようです。

価格に関しても、納期が読めないことと
瞬間的に高騰する危険から、納品ベースの時価で
販売がされるケースもあるようです。

今回のウッドショックは私たち住宅事業者からすると、
先の読めない展開になってきています。
材木の供給業者は私たち住宅事業者への
値上げをしなければいけません。

そして私たちはそれに応じなければ、
材木を供給してもらえません。
それなのに、施主様への住宅提供価格を
契約後に上げることはかなり難しくなります。

場合によっては、住宅ローンの融資額がいっぱいで、
今以上の予算確保が難しい場合もあります。
仕入れ価格が上がった時点で、
住宅提供価格の変更をすることは可能です。

ただし、その場合、既に契約しているものに関しては
差額分を住宅事業者が
負担せざるを得ない場合もあります。
なので、私たちが出来る対策としては、
どうしても後手になりやすいのです。

この状況を何とか乗り越えないといけません。
ただ、様々な見解を聞く中で、
この状況は今年いっぱい今の状況が
続くのではないかと言われています。

この状況というのが、資材不足だけなのか、
価格が次々に高騰して言うことなのか、
それともどちらもなのかはわかりませんが、
とにかく厳しい環境には変わりありません。

そして、このウッドショック後に材木の価格が
下がると考えるのは甘い考えだと思っています。
価格が下がっていくという期待をしても、
一度上がった価格が下がるというのは
今まであまり経験がありません。



個人的な見解ですが、このウッドショックの完結は、
資材の供給不足の解消というのが
ゴールだと思っています。
つまり価格は上がったまま。
もしかしたら下がるかも知れませんが、
そうなればありがたいというだけです。

なので、今は仕入れ額に合わせた
住宅提供価格の見直しが最優先だと思います。
そして、顧客が持つ不安に何と回答するのかを
決めておかなくてはいけません。

TVなどでウッドショックを
知っている方も増えています。
この騒動が納まるまで
買い控えをしようとする動きが出ても
おかしくありません。

個人的には、まだ材木単価は上がると思っています。
この騒動が落ち着いた時に単価が下がらなかった時、
供給には問題なかったとして、
一番価格が高いのはいつになるのか。

また、一番安いのはいつになるのか。
将来の事なので確実に読めるわけではないですが、
仮説を立てて見通しを付けなければいけません。
それぞれの経営判断が重要になってきます。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
迷いなく決断して力強く実行していきましょう。

さて、次回からは内容を変えて
『組織』『営業』『設計』『IC』『工務』『広報』
に関して順番にお伝えしていこうと思います。

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