毎月1日に発表される住宅ローン金利。
当月にならなければ正確な金利はわかりませんが、「どうにかして来月分の金利を予想し、お客様にお伝えできないだろうか」と考える建築事業者様も多いはずです。
世界中がインフレにある今、金利の上昇は避けられないかもしれません!
さて、来月のフラット35の金利はどうなるのでしょうか。
今回も、住宅事業に長年携わり、住宅ローンに精通する石川 仁健が、フラット35の金利予想を行います!
金利はじわじわ上昇傾向にある!
12月金利は、フラット35・フラット20ともに、やはり金利上昇の可能性が高いといえるでしょう。
それぞれ、1.56%・1.40%と予想しました。
先月は予想していた金利よりも低い金利と一安心でしたが、しかしながらじわじわと、確実に金利は上がってきてますね・・・。
金利予想理由
こちらの金利を予想する際に活用した資料は、住宅金融支援機構が毎月発表している「貸付債権担保住宅金融支援機構債券」になります。
「フラット35」の金利は、この機構債の金利をベースに、住宅金融支援機構と、フラット35を販売する金融機関の利益分の金利を上乗せして決定されます。
ここで重要なのは、機構債に示されている「表面利率」であり、前月と今月の表面利率の差が、翌月の金利に反映される可能性が高いといわれています。
例えば、前月の表面利率が0.36%、当月の表面利率が0.3%の場合、その差は0.06%なので、来月のフラットは今月と比べて0.06%低い金利になる、といった具合です。
こちらを2022年12月の金利予想に当てはめると、
比較してみると表面利率の差が0.02%あるため、来月のフラットの金利は20年と35年それぞれ1.40%・1.56%と予想される、という仕組みです。
今後もじわじわ上がっていく金利
2022年1月から上がり続けている住宅ローン金利。
昨年2021年6月のフラット35の金利は1.35%で今年の9月金利は1.52%。
比較すると、今年は去年に比べ0.17%も金利が上昇してることになります。
先月は予想に反して金利が下がりましたが、来月はどのような金利になるのか、正直予想が難しい段階にあります。
というのも、通常は機構債の表面利率の差を元に金利予想をしているのですが、ここ数ヶ月は表面利率に関係なく、金利が上下しているからです。
もしかすると、「今月も思ったよりも金利が上がらなかった」というラッキーがあるかもしれません。
しかし、世界の情勢を見ていると、アメリカでは2022年10月13日に30年固定の住宅ローン金利が6.92%となりました。
これは、アメリカにおいて20年ぶりの高水準といえます。
日本では考えられない金利ですが、他国ではこのように大幅な金利上昇があちこちで起こっています。
それを踏まえると日本のインフレは比較的ゆっくりといえるかもしれませんが、やはり今後もインフレは続いていくことが避けられないため、当然、住宅ローン金利にも間違いなく影響を与えることでしょう。
こういった場合、建築事業者様が気をつけなければいけないのは、お客様に事前にきちんと金利上昇の可能性について説明しておくことです。
なぜなら、金利がお客様が想定している金利よりも大幅に上がってしまった場合、お客様からのクレームにつながる可能性も十分に考えられるからです。
そういったトラブルを防ぐ意味でも、お客様に住宅ローンをご案内する際は、ご案内時と融資実行時の住宅ローン金利に差が出てしまう旨を事前にきちんとお伝えするようにしましょう。
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