『人材二極化』の真相 ■売れる力とは?

2024/03/1617:06186人が見ました

小学校のプレハブ校舎から

 

 

娘が帰ってきている時に、近くの小学校で運動会がありました。 母校でもあるので家族でちょっと覗きに行ったら、プレハブ校舎が建っていました。午前中の低学年の部を見終わって帰る時に、あたらしいプレハブ校舎のほうに寄ってみました。校舎配置図を見てみるとプレハブ校舎は2年生の教室になっていましたが、娘曰く「特別支援学級が増えてる!」とのことでした。

 

 

↑娘の母校の校舎配置図【赤い囲み、ひまわり・たんぽぽ・なのはな が特別支援学級】

 

 

↑娘の母校の児童数推移【児童数も増えているのですが下線部分の()内の特別支援学級数が増えています】

 

 

専門家のレポートによると、近年発達障害と呼ばれる子供が劇的に増えているのだそうです。2006年の時点では7000人とされていましたが、2019年には7万人、2020年には9万人を超えました。途中から調査対象が広くなっているそうですが、13年で10倍以上に増えています。分母となる児童数は、その間減少しているのにもかかわらずです。

 

 

↑各学校段階ごとの在学者数の推移【文部科学省 学校基本調査(令和4年度)より】

 

 

↑特別な支援が必要な幼児児童生徒数推移(学校種別/小・中・高等学校計)【文部科学省 通級による指導実施状況調査(令和2年度通年)より】

 

 

 

どうして「特別な支援が必要な幼児児童生徒数」が増えるのか

 

 

しかし、これらの調査は全国の学級担任等からの回答集計であり、実際には医学的に診断がつかないケースも多数含まれているそうです。つまり「行動の特徴から特別な支援が必要と思われる」という子どもが多く混じっているということです。そう考えると本当に増えているのか?分類上増えてしまったのか?は疑問です。

 

ここで言う特別な支援が必要な子どもたちには、発達障害(または疑いのある)と呼ばれる子たちが多く含まれています。発達障害には一般的にはADHDASDLDと呼ばれるものがあります。

 

 

ADHD:注意欠如・多動症。発達水準からみて不相応に注意を持続させることが困難であったり、順序立てて行動することが苦手であったり、落ち着きがない、待てない、行動の抑制が困難であるなどといった特徴が持続的に認められ、そのために日常生活に困難が起こっている状態。

 

ASD:自閉スペクトラム症。言葉や、言葉以外の方法、例えば、表情、視線、身振りなどから相手の考えていることを読み取ったり、自分の考えを伝えたりすることが不得手である、特定のことに強い興味や関心を持っていたり、こだわり行動があるといったことによって特徴付けらる。

 

LD:学習障害。全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難が生じる。

 

 

子どもが卒業してしまうと上の学校や職場環境に意識が移っていって、母校のことには疎くなってしまうものですが、日本の教育現場は大きく変化しているようです。識者は、現代の生活習慣が子どもの脳の発達によくない影響を及ぼしているというのです。

 

子育てはとっくに終えてしまった私ですが、この分野のある識者による最新の知見には納得できる記述がありました。「特別な支援が必要な幼児児童生徒数」が増える要因とその改善方法についての明快な指針です。経営者の皆さんが知っておくべき内容なので紹介しておきます。

 

 

■人の脳の発達段階は以下のとおりで皆同じである。

 

①「からだの脳」:0〜5歳に発達。脳幹や間脳、小脳、扁桃体など(人が自然界で生きるのに欠かせない機能)

 

② 「おりこうさん脳」:0〜18歳に発達。大脳、小脳(言葉・知識・計算・記憶・手指の動き)

 

③「こころの脳」:10〜18歳に発達。前頭葉とそこにつながる神経回路(想像力・判断・感情制御・思いやる行動)

 

 

↑「脳」の各部位の名称(人体模型で分解できるのが理科室にありましたよね)

 

 

■各段階での育児目標

 

①「からだの脳」を育てる目標:赤ちゃんが生まれてから親が行う「育児」とは、5歳までに立派な原始人を作り上げること

 

②「おりこうさん脳」を育てる目標:学校の勉強以外の知識欲をもたせること

 

③「こころの脳」を育てる目標:生活の中で、相手のこころを読める子にすること

 

 

■どうして「特別な支援が必要な幼児児童生徒数」が増えているのか?

 

多くの親(特に高学歴親に多い)が脳を育てる順番を間違えている。「からだの脳」がちゃんと育つ前にあせって学校教育のメニューで「おりこうさん脳」を作ろうとしている。「からだの脳」が未発達のまま「おりこうさん脳」に偏った状態になると心身のバランスが崩れやすい大人になってしまうリスクが大きい。

 

 

■どうすれば健全な「脳」に育つのか?

 

「生活の改善」に尽きる。早寝早起き。朝日を浴びる。規則正しい時間に食べる。あたりまえの生活を習慣化する。子どもを親の不順な生活習慣の道づれにするケースが増加していて、親の生活習慣を改善するとすぐに効果が現れる事もある。

 

ちなみに「脳のつくりなおし」は何歳からでもできるそうです。

 

 

 

わが社は大丈夫か?そもそも自分は大丈夫か?

 

 

私たちが子どもだった時代には、ほとんど1日外で遊んでいました。今のようにスマホもゲーム機もありませんので、外に行かないと間が持たなかったのです。当時は必然的に「原始人」のように成長するのがあたりまえだったのかもしれません。

 

その一方で、雨の日には友達の家によく上がり込んで遊んだものです。鍵っ子の家で子供だけでという場合もありましたが、当時は家にいる専業主婦のお母さんが多かったように思います。そういう機会には、よその家庭で過ごし親以外の作法を見聞きするチャンスも多かったのですが、最近の子どもはそういう機会も少ないのだと感じます。

 

現代は共働き家庭が標準であり、どうしても子どもの生活時間帯が大人に寄ってしまう傾向はあると思います。結果として遅寝遅起きの子どもが増えているのも、子どもの成長には良くない要因のようです。

 

「脳」の成長過程が整っていないと、大人になって大きく心身のバランスを崩してしまうケースがあり、その予兆が教育現場で出現しているのが現在の状況です。このようなことは自分が子育て中には意識することもありませんでしたが、他人事ではない大切なことです。

 

最近多くの経営者がよく話される事があります。「せっかく採用した優秀そうな人材がメンタルで体調を崩したり、それほど期待していなかった人材が意外にも成長を遂げたり。面接しても、以前ほどはよく分からなくなってきた」という声です。

 

ただいま現在、学校がこのような現状だということは、社長の会社に入社してくる人材にもやがてはもっと影響が出てくると考えるべきです。親の生活パターンが変化し、子どもの脳の成長が知識偏重で不安定な傾向にあるとしたら、あたらしい人材のどこを見て採用を決めるべきでしょうか?

 

ひょっとしたら、表面的な知識や見かけの能力よりも「からだの脳」の健全な成長を確かめるべきかもしれません。それほど生活環境や習慣というものが人間に与える影響は大きかったのです。

 

 

 

社長の会社では採用の際、どのような基準で決定されていますか?それはそうと、わが子の「脳づくり」大丈夫ですか?

  

 

 

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