チカラボ様への初投稿記事となります。古川和茂(フルカワカズシゲ)と申します。
私は新潟県の坂井建設株式会社/ディテールホームのマーケティング責任者として、主にデジタルマーケティングを活用した集客に関わる業務に携わっております。
いきなりですが、弊社の広告宣伝費をさらします
以下は2016年~2018年にかけての広告宣伝費の推移となります。
私がマーケティング担当者として入社したのが2016年9月になりますが、まず着手したのが、看板・紙媒体への広告予算の削減と、自社ホームページに対する広告予算の増加です。
結果的ではありますが、全体的な広告予算を削減する形となりました。
次のグラフが弊社の着工棟数の推移です
2016年には89棟だった着工棟数が、3年後の2019年には182棟に倍増させることに成功しました。
なお残念ながら弊社の知名度は低いです
2019年3月に新建ハウジング様に調査いただきました新潟県内における弊社の知名度はわずか「4.7%」でした。
なぜこれほど知名度が低いながらも、年々着工棟数を伸ばせてきたのか?
それは弊社がデジタルマーケティングに注力し、購買層に対して効果的な広告予算を投入できたからだと自負しております。
私が入社して最も驚いたのは工務店業界の「アナログ」さでした。アナログな部分をデジタル化することによって、生産性が向上できたり、集客を効率化できたり、様々なメリットが生まれるものと考えております。
ただ、他工務店様からのお話を聞くと「デジタルが必要なのは分かるけど、何から着手して良いか、よく分からない」といったお声も頂戴します。
そこで当記事ではアナログな工務店がデジタル化するために必要な3つの要素をお伝えしたいと思います。
①専任担当者を設ける(決意と覚悟)
ありきたりで申し訳ないですが、それでもやっぱり『人』が最も重要です。
これまでお会いさせていただいた工務店の中にも「広報担当」の肩書を持つ方がいらっしゃいましたが、多くの場合、営業や設計などの業務と兼務されている方が多かったです。
当然のことながら兼務状態(どちらかというと広報・マーケ業務は片手間)であるため、マーケ業務に集中できずに結果がでない場合がほとんどです。経営側としても結果が出ない以上、じゃあマーケよりも営業や設計に集中してよ。ということになり、マーケに経営資源を投入できずにいるところが多いと思います。
まずはマーケティング専任担当者を設け、デジタルマーケティングを中心に業務を行える環境づくりが必要と考えます。
デジタルに触れる人々の変化はとても激しいものです。変化に応じて施策を具現化し、即実行することに重きをおくのであれば、残念ながら外注では達成しづらいと思います。
社内に「専任担当者」を設けることで、普段社内で交わされる会話から背景を素早く察知し、自分で考え実行に移せる状態に昇華させることができると私は考えています。
またデジタルマーケティング担当者を置くことで、おのずとデジタルツールに関する情報も入ってきやすくなるため、集客に必要なツールだけでなく、業務の生産性を向上させるためのデジタルツールの選定・導入も行いやすくなってくるでしょう。
できればデジタルに詳しい人材を採用したいところですが、正直難易度が高いものになってくると思います。まずは社内の中から「やりたい」と手を挙げたメンバーを教育する方針とすることで、早急にデジタル化を進めることが出来ると思います。
デジタルマーケはSEO・広告・SNSなど目を配らなければならない守備範囲が広くあります。全てを俯瞰できるポジションを用意してあげることで、効果を最大化できるはずです。
経営の中にデジタルを取り込む「決意」と「覚悟」。断言しますが、ここがキモになります。
②その担当者に権限を委譲する(勇気)
専任担当者を選定することができたら、その方へ出来るだけ多くの権限を委譲することも重要です。
繰り返しになりますが、デジタルに触れる人々の変化はとても激しいものです。
はじめに一定の予算・実行権限を与えることで、専任担当者が日々の業務で感じ取ったことを即実行できる体制を整えることで、変化に応じた施策をスピーディーに実施することができます。
多くの場合、デジタルに詳しくない人が舵取りしようとすると大抵失敗します。理解している担当者自らが舟を漕いでいくことでしか前には進めません。
権限を与える(与えてもらう)ためには、担当者が信頼できる状態であることが前提となりますが、まずは一歩踏み出してやってみる(やらせてみる)「勇気」が必要になってくると思います。
※ここで注意しなければならないのは、「パソコンに詳しい人」が「デジタルマーケに強い人」ではないということです。どのデジタルに詳しいのか明確にしたうえで実行権限を与えることが望ましいと思います。
③経営者自らがデジタルに接する(慣れる)
専任担当者に権限を与えることは重要とお伝えしましたが、大きな予算の承認や、経営に関わるブランドイメージの構築などは経営者自らが判断しなければらない場面も出てくると思います。
判断を仰ぐ側の立場(専任担当者)としては、判断を仰がれる側(経営者)にある程度の情報武装が整っている方が提案しやすくなるのはご理解いただけると思います。
ここで経営者がデジタルに慣れ親しんでいるか否かでコミュニケーションの密度が変わり、結果的に正しい判断が行いやすくなると感じています。
よって経営者の方におかれましては、主に自社のターゲットとなる顧客層が利用されるデジタルツール(※)に多く接していただき、慣れ親しんでいただくことをオススメします。
(※)例えば・・・LINE / Instagram / Googleマップ / バーコード決済 / ビデオ会議(スカイプなど) / ネット配信番組(Netflix・Amazonプライムビデオなど)
デジタルに慣れ親しんでいるお客様の生活スタイル・接触メディアに触れることで、顧客目線にたった判断を行いやすい状態になれると思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
次回はWeb専任担当者(Webディレクター)とは、具体的にどのようなことを行うべきかについて触れたいと思います。
古川 和茂(ふるかわ かずしげ)
▼自己紹介
鹿島建設関連会社にて工程管理などのシステム開発、インターネット広告代理店にてレポート関連システム開発、その後もWEBメディア運営・ゲーム開発など多方面に経験と実績を持つ。2016年故郷である新潟へ戻り同社入社。WEB問合せ数を約10倍に引き上げるなど主にデジタルマーケティングで活躍。現在は他社の工務店デジタルマーケ支援も実施。
▼サービスサイト
https://www.housing-d.com/
https://www.facebook.com/housing.digital.marketing/
https://twitter.com/ICTkazu
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