<社員品質を上げる基礎スキル>
・社員品質を上げるために
前回話した「経営のゴールデンサイクル」における社員品質について。
社員品質を上げるためには、「人」と「組織」を高めることが必要です。
質の高い社員というと語弊もありますが、求められる要素に「主体性」が挙げられます。
新人の頃は、まず自立できるようになることが求められますが、
中堅社員以上になると、主体性をもって仕事ができるかどうかが求められます。
主体性を高めるためには、「スキル」と「マインド」を高めることが大切です。
多くの会社では、スキルとして、専門知識(設計スキル・施工スキル・営業スキル等)を教え、
マインドとしては、スタンス(会社の方針・考え方等)を教えることが多いと思います。
・社員が身につけるべき基礎スキル
スキルとして、専門知識を高めていくことはとても重要ですが、
主体性をもって仕事を行うという意味では、他にも学ぶべきスキルがあります。
それは、「ポータブルスキル」と「ラーニングスキル」です。
ポータブルスキルとは、仕事全般において必要とされるスキルです。
それは、業務遂行能力・対人能力・対自己能力などになります。
例えば、業務遂行能力ですと、スケジュールを計画する、その計画の段取りをする、
状況に応じて計画を修正する、修正したら関係者に報告するなど。
対人能力ですと、人とコミュニケーションできる、お客様に連絡する、上司に報連相するなど。
対自己能力では、健康管理、目標管理、ストレス耐性、ストレス発散など。
この能力は、家庭環境・学生時代・部活動・社会人経験の中で自然と育むこともありますが、
意識して習った人は少ないようです。(ゲームでも学べることがある!?)
良い会社、強い会社はこのポータブルスキルを教える環境があったり、
業務遂行における賢い仕組みが構築できていたり、
テクノロジーを活用して業務効率をはかっています。
また、社風として社員間のコミュニケーションがしやすかったり、
報連相しやすい工夫や仕組みを構築していたりします。
よく聞く大手出身のサラリーマンがベンチャーに転職して活躍できないことがあるのは、
大手の仕組みの中では仕事がそこそこ出来ても、個人としてのポータブルスキルがないため、
仕組みが整っていないベンチャーや中小企業だと仕事ができない!ってことにあります。。
中小企業でも、スタンスが良くて、専門知識も豊富な社員だけど、ポータブルスキルがなく、
段取りが悪い、残業が多い、といったこともよくあります。。
また、ラーニングスキルとは、目的・目標を定めて自ら学習する能力です。
社員を教育しようとすると、どうしても「教える」ことに力をかけてしまいますが、
「教えるのが上手い・力を引き出すのが上手い」と言われる人は、ただ教えることよりも
このラーニングスキルを与えて、スキルを自分の力で「育ませる」ことを大切にしています。
むしろ、教え過ぎは注意です。指示待ち社員や考える力を持たない社員になりかねないです。
意欲的に学ぶスキルを与えることで、社員自ら率先して学ぶ時間・学ぶ環境を創り出せること
が大切です。組織として集団学習する機会をつくることも効果的です。
今は指示待ち社員でも、ポータブルスキルを知れば、業務遂行能力が上がり、
指示を待たずに主体的に仕事の計画や段取りができるようになるかもしれません。
ラーニングスキルを知れば、人から教えてもらうことが当たり前ではなく、
興味ある分野は自ら学び始めるかもしれません。
その時、その社員の評価は「主体性」があると変わっていくことでしょう。
ポータブルスキル・ラーニングスキルを学んだ人は、専門知識・スタンスを高めながら、
仕事・経験を通じて、「課題発見能力」「課題解決能力」などを身につけていきます。
その力が会社に良い影響を与えます。では、そのためにはどんな環境が必要か?
次回、その環境をつくるための組織づくりについてお話します。
今回のオススメ文献
「日本で最も人材を育成する会社のテキスト」酒井 穣 著
LINC Lab 会田敦史
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