#2 組織づくりのキーパーソン

2021/06/1116:53412人が見ました

<インナーブランディングのキーパーソン>

 

・有能な右腕の存在が社長を支える

 

 前回話した、マネジメントにおける大切な要素「組織をして」の部分で

 最初に取り組むことが「社長の右腕」となる存在をつくることです。

 優良な会社に共通する点がまさにこの右腕の存在の有無です。

 これは20〜30名を超える組織になってくると必須と言っても良いでしょう。

 社員20名未満ですと社長の人柄・魅力・影響力で上手く機能している会社も多いですが、

 先々の世代交代・事業承継のことを考えると、会社の規模・人数を問わず、有能な右腕

 となる存在をつくること、その準備をしておくことはとても重要と言えるでしょう。

 なお、この右腕の役割は組織の規模に応じて、求められる役割・能力が変化していくと

 いう点も大切です。(この内容については今後のコラムで紹介していきます)

 

 

 

・経営のゴールデンサイクルが重要

 

 私が大切にしている経営の考え方の一つに、

 新将命さんの「経営のゴールデンサイクル」というものがあります。

 


 

 すべての起点は経営者品質になります。そして、その次に来ているのが社員品質です。

 このフローで経営することで、結果として、業績も良くなり、株主満足も得られると

 いうものです。なお、新将命さんは日本コカ・コーラ、ジョンソンエンドジョンソン、

 フィリップスと超有名&超優良な外資系企業の社長を勤めてきたスーパー社長です。

 外資系企業は株主最優先と思われがちですが、それは結果論としての話で、

 経営するということにおいては、このフローが大切と言うことですね。

 インナーブランディングにおいては、経営者品質・社員品質・商品(サービス)品質を

 高めることが大切になります。そして、パフォーマンスとして顧客満足・業績向上・

 株主満足を高めていくというフローになります。

 

・逆サイクルには気をつけよう

 

 工務店やリフォーム会社はオーナー経営者が社長であることが多いと思いますが、

 上記のゴールデンサイクルを逆サイクルで回してしまうと、どうなるでしょうか?

 経営者は会社の利益(特に自分の利益!?)を最優先したい衝動に駆られ!?

 業績向上・売上向上を一番の目標に掲げ、売上主義に走ってしまったとします。

 (売上がピンチの時、外的要因で逆境下の時はこの衝動に駆られてしまうものです)

 もしも、現場のキャパを超えても売上重視で、、、

 もしも、社員がオーバーワークしていても売上重視で、、、

 結果として、売上目標が達成できたとします。

 その時のお客様満足度は期待している結果でしょうか?

 

 そのような状況で売上達成しても、最終的には現場にシワ寄せが行き、トラブルや

 クレームが発生するケースを私は何度も見聞きしてきました。。(とても悲しいです)

 そして、結果的には粗利率も低下してしまうことが多いように思います。

 家づくりをしている我々にとって、現場のトラブルは商品品質・サービス品質が低下した

 ことになります。その時の社員の気持ちはどうでしょう?働きがいはどうでしょう?

 この状況が何ヶ月も続いた時に、社員の離職が始まってしまったり、、

 この状況で社長がビジョンを語っても社員にはまったく響かなかったり、、

 こうなると、社長としては会社の意義、設立時の大義、叶えたいビジョンに対する

 現場状況とのギャップに悩まされてしまいます。

 

 

・成果につながる好循環の仕組みづくり

 

 例えば、業績を良くするために営業研修を受けてみよう!

 他にも、社員が働きやすくなるようにモチベーション研修を受けてみよう!

 そんな取り組みをされた経営者も多いのではないでしょうか?

 そして、その結果はいかがでしたでしょうか?もちろん全てとは言えませんが、

 ほとんどは一過性の効果はあっても、また数ヶ月もすると元に戻ってしまったり。。

 やはり、ここは対処療法ではなく、根本となる組織力を上げることが大切です。

 

 ここで、いま一度「経営のゴールデンサイクル」を確認してみましょう。

 ポイントは「社員品質」になります。

 経営者の大義や会社のミッション&ビジョンを現場に浸透させ、目標に対しても、

 その目的・意味を伝えられる役割となる「ビジョナリーマネジャー」をつくり、

 現場の社員品質を上げていくことが大切です。

 その右腕となるビジョナリーマネジャーをつくることが組織づくりの第一歩になります。

 社員品質が高まると、社員一人一人が商品やサービスの品質を上げるために現場の意見を

 提案したりと、現場主体の改善が始まります。自社の商品・サービスに自信を持って対応

 することで顧客対応力が上がり、結果として顧客満足度も上がります。

 この組織は、たとえ売上がピンチの時、外的要因で逆境下の時であっても、社員が率先して、

 いま何を優先して取り組むべきかを考えて行動してくれたりします。

 

・人材育成がとても大切

 

 先日、ネット記事で下記の言葉を見かけてなるほど!と思いました。

 

 企業の1年後を見たければ「営業力」を見よ

 企業の3年後を見たければ「商品力」を見よ

 企業の10年後を見たければ「採用力」を見よ

 企業の100年後を見たければ「人材育成力」を見よ

 

 モノゴトの本質を捉える人たちの考え方は共通ですね。

 世の中、「人材不足」を嘆く会社は多いですが、それは、今いる貴重な人材を

 育成する「人材育成力不足」と言えるのかもしれません。

 社員品質を上げるためにも、会社に人材育成力をつけて組織力を上げていきましょう。

 

 今回のオススメ文献

 「経営の教科書」新 将命著

 

 LINC Lab 会田敦史 

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