「パッシブデザインの窓のデザイン②」 ~窓をどうデザインするか? どう計算するか?~

2019/03/1402:37595人が見ました

パッシブデザインというと、「壁や屋根天井や床基礎や窓などの断熱性能を決めて計算をするもの」

ただ単にそういうものだと勘違いをされている方が多くいらっしゃいます。

そういう方に言われるは必ずといっていいほど

 

「断熱材は何がいいですか?」

「何ミリ入れていますか?」

「サッシは何を使えばいいですか?」

「ガラスは何を使えばいいですか?」

・・・

 

私からすると、正直なところ

「なんでもいいです・・・」

という感じです。

 

自身の住宅会社がどんな設計をするのか?

クライアントであるお客様の要望はどうなのか?

建築予定地の周囲の環境はどうなのか?

 

それによって大きく変わってきます

 

南に大きな窓を作り 冬の太陽熱を室内に取り入れるのが

私の考えるパッシブデザインのダイレクトゲインの基本ですが

 


そもそも窓の少ないスッキリとしたデザインの住宅会社もあれば

南だけでなく 東西にも大きな窓を配置する住宅会社もあります

 

お客様がプライバシーの配慮を希望され窓を小さく希望される場合もあれば

 

周囲に何もなく 開放的な大きな窓をつけれる場合もあれば

 

周囲の建物が密集していて 視覚的にプライバシーが守れない場合もあれば

 

そもそも 南の窓に太陽の日差しがあたらない場合もあります

 

そんな様々な要望や周囲の環境が異なるのが「家」なのです

 

 

場合によっては、サッシの断熱強化をする場合もあれば ガラスの日射取得率をあげる場合もあります

場合によっては、窓で断熱性能を上げられずに

屋根天井や床基礎 さらに壁の断熱性能をあげなければならない場合もあります


自社の公開しているUA値目標を達成するためには

断熱材や窓の標準仕様が邪魔になり 変更をするか

そもそも物件のプランによっては 断熱仕様の変更なしでは UA値目標を達成できない場合もでてきます


あげたように様々な要因によって

住宅性能がかわるものを 

「断熱材や窓は何が良いのか?」

「厚みやガラスの種類はどうしたらよいか?」

などを一概に言えないのです


住宅会社は自分たちの利益を優先し 効率化をし標準化を進めてきました

確かに自社の効率化を図り 利益につなげることは ひいては顧客の利益にもつながります

しかしながら、効率化がお客様の利益を阻害してしまうこともあります

そこはじっくりと考え検討し お客さまにもしっかりと説明と合意を得ることが重要です

 

私は この断熱性能やパッシブデザインに関しては 効率化する部分と非効率化する部分を

細かく混在させるべきだと考えています

 

 

断熱材や窓の性能は

設計によっても変えるべきですし それをしっかりと計算でき

自社コストとお客様のご予算 ご要望に応じて提案できる人材を増やしていくことが重要だと考えます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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