ワンマン社長と「多様性」その1 ■売れる力とは?

2023/10/2816:00197人が見ました

最近、ある本でHSP(とても敏感な人)という言葉を知りました。
HSP
とは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、人一倍繊細な気質をもって生まれた人という心理学上の概念です。その本は結構売れている本のようです。著者はまさにHSPであり「いくつかの貴重な著作によってその事を知り自己の特性を克服してきた」という内容でした。

 

その「いくつかの貴重な著作」も文中に紹介されていましたので気になって、そちらも読んでみました。すると、これらのほうがずっと内容は面白く、知識としても充実したものでした。新刊本のベストセラーよりも、その元ネタとなっている古い著作のほうがずっと価値がある事はよくあることです。中古本があったりして、安価で手に入るのにもかかわらずです。

 

 

 

HSP(とても敏感な人)とは

 

 

HSPは、以前「内向的」「シャイ」などと別の呼ばれ方をされていただけで、新たに発見されたようなものではありません。ストレスを抱えやすい傾向があるので、心が疲れやすく回復に時間がかかります。最近では「生きづらい」などと表現される状況に陥りやすいと考えられています。

 

しかし、HSPと言ってもそれぞれの人の個別の性質は千差万別であり複雑です。HSPのうち30%程度の人が「社交的」であるとの調査もあるそうです。「内向的」=「とても敏感」ばかりではないのです。

 

話がややこしくなりますが、HSPの分類は「敏感性強い(内向的)」⇔「敏感性弱い(外交的)」、「刺激探求性強い(好奇心強い)」⇔「刺激探求性弱い(好奇心弱い)」の傾向で、大まかに以下の4分類があるそうです。なので、ここでは「HSP=とても敏感な人のグループ」とします。

 

 

HSPにまつわる類型的なタイプ分け(ややこしいですね)

 

 

①内向型HSPHSPHighly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)

 

②外向型HSPHSEHighly Sensitive Extrovert (ハイリー・センシティブ・エクストロバート)

 

③刺激追求型HSPHSSHSPHigh Sensation Seeking(ハイ・センセーション・シーキング)型HSP

 

④刺激追求型・外向型HSPHSSHSEHigh Sensation Seeking(ハイ・センセーション・シーキング)型HSE

 

 

 

HSPの特徴と能力

 

 

実は人類のざっと5人に1人はHSPではないかと言われています。HSP(とても敏感な人のグループ)の基本的な性質は「良心的」「創造的」「インスピレーションを得やすい」「影響を受けやすい」「感情移入しやすい」など。平穏な環境では他の人よりその環境を楽しむことができ、幸福を感じやすいと言われています。逆に環境が整っていない状況下では心身が不具合に見舞われやすい傾向にあります。

 

アメリカのように、多くの国民が「移民」に祖先を持つ国ではHSPの比率は低くなる傾向が強いと言われています。それは「移民」となって未知の土地に移り住む人、その中で生き残った人にはHSPの比率が少なかったであろうという点が理由とされています。こういったことは、脳科学の分野でも研究・発表がなされています。ご興味のある方は、見込客とスタッフの『脳科学』1 をご覧ください。

 

HSPの能力的特徴

 

■一度に多くの情報を吸収できる

 

■音やにおいなどの微細な違いも察知できる

 

■ゆっくり、深く多角的に考えられる

 

■とても慎重で、危機管理能力が高い

 

■共感力が高く、気配り上手

 

■誠実で、責任感がある

 

■想像力が豊かで、内的生活が充実している

 

 

 

タイプ分けすることの利点と難点

 

 

人の性格を構成する要素は3段階あります。性格の基底となる「気質」は、なかなか変えることはできません。しかし、「個性」や「行動習慣」は変えることができます。自分以外の人に対しては、ここを分けて理解する必要がありそうです。

 

 

↑人の性格を構成する3つの層

 

 

以上、HSPにまつわるタイプ分けを紹介しましたが、HSPの人でもこの4つの特定のタイプに100%当てはまるということはほぼ無いそうです。実際にはひとりひとり複数の性質の度合いが違っているからです。

 

往々にして、自分に当てはまるタイプをどれかひとつ選べば、無意識のうちに別の自分を演じてしまうかもしれません。人は自分の実像とは一致しないのに、自らを型にはめてしまうことがあるのです。

 

タイプ分けとは、人を型にはめるためにあるのではありません。人がそれぞれ異なるということに気づくためのものです。それが分かっていないと、他の人(社員や取引先、顧客に至るまで)は皆、自分と同じなのだと安易に考えてしまうのです。

 

口では「人は皆それぞれ個性がある」などと言っていても、思考の前提が「自分と同じ考え」になってしまっているのです。人の行動様式は、やはり多様なのです。そのように出来ているのです。

 

経営者の多くがついつい、うっかりやってしまう「失敗」とその原因たる「勘違い」がここでも説明されているような気がします。

 

 

 

社長、ついつい他の人に対しても「自分と同じ考えである」ことが思考の前提になってしまっていませんか?人の価値観や性質の「変えられる部分」と「変えられない部分」の区別をされていますか?

 

 

ワンマン社長と「多様性」その2 へつづく

 

 


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