ワンマン社長と「多様性」その2 ■売れる力とは?

2023/11/0416:02123人が見ました

 

ワンマン社長と「多様性」その1 からつづく

 

 

ウルトラダイバーシティ(超多様性)

 

 

科学の進歩によって、人間は遺伝子レベルで一人ひとり違うということに対する具体的な理解が浸透しつつあります。治療や痛みの緩和のために万人向けに大量生産された薬を投与するのではなく、患者一人ひとりの染色体の組合せに合うようにパーソナライズされた薬の開発という方向性の研究が進められているのです。そういった志向の薬は「精密薬」と呼ばれ、個別化医療への道を切り拓くものです。

 

遺伝子レベル確認されている「一人ひとりの違い」は、現実社会では未だ必ずしも尊重されてはいません。人種、性別、年齢といった属性に基づいてグループ化のもとに対応されているのが現状です。しかし「遺伝子」が示すように、現実には人ははるかに複雑な存在であり、その個別性を指すウルトラダイバーシティ(超多様性)という言葉が使われ始めています。いっぽう、こうした一人ひとりの違いを最小化しようとする社会的圧力が存在するのも事実です。

 

 

 

「マイノリティ」になっていく「マジョリティ」

 

 

日本では普段あまり意識しにくいですが、世界各地で人口構成上の大規模変動が起きています。アメリカを例に取れば、1950年には白人が人口の9割を占めていましたが、2020年時点で白人以外のマイノリティ(少数人種)が人口の4割に迫っています。今後もその比率は上昇し、2040年までには約半数になると予想されています。

 

米国の50都市で「マイノリティ(少数派)」であった人たちが「マジョリティ(多数派)」になっているのです。全米50州のうち10州では、すでに白人が「マイノリティ」で、カリフォルニア州ではラテン系が最大の人種グループとなっているそうです。最近何かと話題の多いイギリスでも、古来の英国人が2060年までにマイノリティと化すと予想されています。

 

ひとくちにアジア系やラテン系と言っても現実には、その人の両親のルーツや言語・宗教などは多様です。本来「〇〇系」というグループ化自体があまり意味をなさなくなっていると言われています。なぜなら、ラテン系グループ、黒人グループ、アジア系グループといったこれら3つのカテゴリーすべてに当てはまるルーツを持った個人も存在するからです。また、そもそも調査方法自体が自己申告方式なので、回答者の主観で属性が偏ってしまいます。

 

フランス、ノルウェー、フィンランドを含むいくつかの国では、取締役会の女性比率が30%を超えている優良企業がずらりと並び、さらに22の国では取締役会に女性のクオータ制※を採用しています。この点でわが国日本は、相当遅れをとっているのは周知の事実です。こういう世界のあちらこちらの前提を知ると、ニュースで見られるような海外で起こっている事の背景が理解できます。

 

※クオータ制:人種や性別、宗教などを基準に一定の比率で人数を割り当てる制度のこと。クオータ(quota)とは、ラテン語に由来する英語で「割り当て、分担、取り分」などの意味である。

 

 

 

↑南アフリカのアパルトヘイト時代に使用された非白人専用のベンチ

 

 

 

身近な変化を感じているか?

 

 

日本国内においても変化は起こっています。総人口の減少とともに、高齢化、単身世帯の増加の傾向は知られるところです。社長諸兄の地元ではいかがでしょう?
各県別の気になるデータを拾ってみました。

 

 

 

■人口は全国では減っているが、一部には増えている自治体も。

 

 

『人口増減率』を地図とチャート↓(全国の市区町村ごとに細かく見れます!)

 

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/regional-regeneration/population-map/

 

 

 

■子育て世代(3040歳代)の転入者数から転出者数を引いた「転入超過数」を人口で割った「転入超過率」でみると、東京など大都市圏に集中する流れが一転、全国各地へと流出。

 

 

『子育て世代(3040歳代)転入超過率』を地図とチャート↓(全国の市区町村ごとに細かく見れます!)

 

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/regional-regeneration/population-transfer-map/

 

 

 

■一人の女性が一生の間に産む子どもの数をさす「合計特殊出生率」はどう推移してきたのか。

 

 

『出生率』を地図とチャート↓(全国の市区町村ごとに細かく見れます!)

 

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/regional-regeneration/birthrate-map/

 

 

 

30歳時の「未婚率」では男性の6割、女性の5割が結婚していない。結婚は出産などによる人口の増減とも関係が深い。

 

 

30歳未婚率』を地図とチャート↓(全国の市区町村ごとに細かく見れます!)

 

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/regional-regeneration/unmarried-rate-map/

 

 

 

■高齢者のうち一人暮らしの割合をさす「高齢者独居率」。全国的に高まっていて、もはや大都市特有の問題ではない。

 

 

『高齢者独居率』を地図とチャート↓(全国の市区町村ごとに細かく見れます!)

 

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/regional-regeneration/elderly-living-alone-rate-map/

 

 

 

高齢化・単身化ともに世界トップ級の日本では、2040年には全世帯の39.3%を一人暮らしが占めるそうです。「国民食」とも呼べるカレーにも既に変調が起きています。スーパーの店頭での売れ行きを見ると、2017年以降「レトルトタイプ」が「カレールー」を上回っているのです。単身世帯が増え「孤食」が広がったことが背景にあるようです。人口動態が家族の形を変え、消費も変える状況が読み取れます。経営者たるもの嘆いてばかりはいられません。商圏の変化を正しく捉えて、発展を掴むべく仕掛けて行こうではありませんか。

 

 

↑そういえば、最近レトルトカレーの種類増えましたよね

 

 

 

社長の会社では、商圏内の身近な変化を感じていますか?また「多様な個性」や「マイノリティ」を上客にする工夫をされていますか?

 

 

ワンマン社長と「多様性」その3 へつづく

 

 


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