ワンマン社長と「多様性」その3 ■売れる力とは?

2023/11/1116:31465人が見ました

 

ワンマン社長と「多様性」その2 からつづく

 

 

こんなにあるのか!『ハラスメント』大行進

 

 

「パワハラ」とか「セクハラ」とか、最近では一般的に言われるようになりました。現実には、そのような表現自体がなかった時代から綿々と存在してきた人間同士の問題です。

 

クライアントであるF社長からの相談から、調べものをしていたら「●●ハラ」という名称におびただしく種類があることを知りました。「いろいろ増えてきたなあ」とは思っていましたが、桁違いの数にびっくりしてしまいました。皆さんにもその全貌をご紹介しておきます。

 

 

↑場面別ハラスメント分類 

 

↑環境別・頻度別ハラスメント分類 

 

 

※上記、いずれも株式会社エージェント 『みんのキャリア相談室』 より

 

 

このチャートは「ハラスメントカオスマップ」というそうです。まさに「カオス」です。 これだけ見ていても、何のことなのか?よく分からないのも多くあるのではないかと思います。以下、それぞれの「ハラスメント」の解説です。ものすごくありますので、ご興味のある分野がありましたらご覧ください。

 

 

■有名な3大ハラスメント

 

 

1.パワーハラスメント(パワハラ)

 

職務上の地位や役職などの優位性を利用して嫌がらせをするハラスメント。 部下への必要以上の命令や、理不尽な怒りをぶつける、殴る・蹴るの暴力行為がこれに当てはまる。上司→部下だけでなく、人間関係上の優位性を持った部下から上司に行われる場合もあるようだ。

 

 

2.モラルハラスメント(モラハラ)

 

「大人のいじめ」とも言われる、悪口や無視などで加害者の精神を追い詰めていくハラスメント。  パワハラと似ていますが、これは立場が関係なく暴力行為も含まれない。例えば上司から無視されたり、部内で1人だけ飲み会に呼ばれなかったりする。

 

 

3.セクシャルハラスメント(セクハラ)

 

セクハラとは、性的な嫌がらせのこと。一般的に男性から女性に対してのイメージが強いが、女性から男性、同性同士でも行われている場合もある。セクハラには大きく分けて「対価型セクハラ」 「環境型セクハラ」がある。

 

 

■仕事に関するハラスメント

 

 

4.時短ハラスメント(ジタハラ)

 

働き方改革で残業を減らす動きが出ているが、行き過ぎてしまうとそれもハラスメントになってしまう。  仕事量は変わらないのに「残業せずに早く帰れ」と言われ、就業後自宅やカフェで残業代の出ない残業をすることに。また、働きたいのに無理にシフトを削られたり、時短勤務を強要されたりするのもジタハラに当てはまる。

 

 

5.カスタマーハラスメント(カスハラ)

 

カスタマー、つまり客の悪質行為をカスタマーハラスメントと言う。 保証期間が過ぎているのに「無料で修理しろ!」と言ったり、些細なことにイチャモンをつけ「土下座しろ!」と言ったり。  

 

 

6.リストラハラスメント(リスハラ)

 

社員を自主退職に追い込むハラスメント。 いきなり望まない部署に配属させて「合わないなら辞めて」と自主退職を強制したり、「仕事がデキないからリストラ対象になるんだよ」と言葉で追い詰めたりする行為を指す。

 

 

7.テクノロジーハラスメント(テクハラ)

 

パソコンやスマホなどハイテクノロジーに詳しい人が、それらを苦手とする人にする嫌がらせ。 「こんな簡単なことも分からないの?」とパソコンの知識不足などを馬鹿にしたり、わざと難しい専門用語を使って教えたりする。

 

 

8.就活終われハラスメント(オワハラ)

 

就職活動中の人に対して、内定と引き換えに就活を終わるように迫ること。  「うちで内定をあげるから、もう他の会社は受けるな」「うち以外は、君なんて採用しないよ」と「内定をもらえなかったらどうしよう」と不安な就活生の心につけ込んだハラスメント。後述の「リクハラ」の一部。

 

 

■ライフステージに関するハラスメント

 

 

9.ラブハラスメント(ラブハラ)

 

恋愛に関する話題で相手を不快にさせるハラスメント。 「彼氏いないの?」「今まで人と付き合ったことないの!?」など、相手に恋愛観を押しつける。

 

 

10.ゼクシイハラスメント(ゼクハラ)

 

女性が男性に結婚を迫ることで心理的負担を与えるハラスメント。結婚雑誌「ゼクシィ」を部屋において結婚したいことをアピールをすることが名前の由来になっている。

 

 

11.マリッジハラスメント(マリハラ)

 

マリッジ(結婚)に関するハラスメント。 未婚者に対して「もう歳なんだから、そろそろ結婚しないの?」などと聞いたり、「そんなだから結婚できないんだよ」と嫌味をいう事を指す。

 

 

12.マタニティハラスメント(マタハラ)

 

妊娠している人、また出産した人に対するハラスメント。  「この忙しい時期に出産なんて」「産休でいなかった間私たち大変だったんだからこれぐらいやってくれるよね」と精神的・肉体的に嫌がらせを行うことを指す。なかには妊娠をきっかけに降格されるといったケースも。

 

 

13.パタニティハラスメント(パタハラ)

 

母親に対してのマタニティハラスメントに対して、父親に対して行われるのがパタニティハラスメント。 育児休暇に対して文句を言ったり、育児休暇の利用を妨害したりする行為がこれに当たる。

 

 

14.子なしハラスメント(子なしハラ)

 

子どもがいない夫婦に対して「子どもはまだ?」と執拗に聞いたり、「ご両親も孫の顔が見たいはず」などと無駄にプレッシャーをかけてきたりすることを、子なしハラスメントと言う。

 

 

15.シングルハラスメント(シンハラ)

 

独身の人に対して「どうして結婚しないの?」「結婚していない人にはわからない」「早く結婚した方がいい」などと心のない言葉をかけ、心理的負担をかけるハラスメント。

 

 

16.エイジハラスメント(エイハラ)

 

中高年の社員に対して「もう〇歳なのに平社員なんだ」「歳なんだから無理しないでください」などと言って、嫌がらせすることを指す。 必要がないのに雇用条件に「35歳以下」と年齢制限を設けることもエイハラの1つ。

 

 

17.ケアハラスメント(ケアハラ)

 

家族の介護をする社員に対して、会社側が介護休暇の取得を邪魔したり、介護を理由に降格したりするハラスメント。 高齢化社会において避けられない問題になってくるかもしれない。

 

 

■性別・国籍・宗教に関するハラスメント

 

 

18.テクスチュアルハラスメント(テクハラ)

 

文章上の性的嫌がらせのこと。 男性が書いた文章に対して「こんな女々しい文章を男が書けるわけない」と言ったり、女性が書いた文章に対して「これは男が書いた文章に決まってる」と言ったりする行為がこれに当る。また、女性作家に対し「実は男性である」と言いふらすこともテクハラ。

 

 

19.ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)

 

心理的・社会的な性別を指すのがジェンダー。つまり、ジェンダーハラスメントは「男らしさ」「女らしさ」を強要する嫌がらせ行為。  これは「男なのに可愛いものが好きなんておかしい」「女なら謙虚に」と根強く残る偏った性別に関する見方が引き起こす。

 

 

20.ソジハラスメント(ソジハラ)

 

SOGI(ソジ)ハラとは、性的指向や性自認を理由にハラスメントを行うこと。「Sexual Orientation(性的指向)」「Gender Identity(性自認)」の頭文字から「SOGI(ソジ)」と呼ばれている。

 

 

21.レイシャルハラスメント(レイハラ)

 

レイシャルハラスメントは、人種差別的な嫌がらせ。  外国人やハーフの人に対して行われ、アメリカではセクハラと並ぶ一般的な問題とされている。

 

 

22.ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)

 

血液型が与える印象で、その人の人柄や性格を決めつけるハラスメントのことを指す。 血液型占いには科学的な根拠はないのにも関わらず、それに影響を受け「A型だから合わない」「AB型だから変わっているんだね」と血液型で決めつけ、相手を不快にさせてしまう。

 

 

■食事・SNS・個人的な関係でのハラスメント

 

 

23.エアーハラスメント(エアハラ)

 

一時期、場の空気を壊す人のことをKY(空気読めない)と言うのが流行ったが、その空気を読まない人が加害者になるのがこのハラスメント。例えば、皆が美味しいと食べているものを「こんな不味いものたべられない」と大声で言うなどが挙げらる。

 

 

24.エアコンハラスメント(エアハラ)

 

エアハラにはもう一種類ある。それがエアコンハラスメント。  例えば、猛暑日にエアコンの使用を禁止したり、寒がっている人がいるのにも関わらず無視して設定温度を下げたりすることがこれに当たる。

 

 

25.アルコールハラスメント(アルハラ)

 

お酒が飲めない、弱い体質・体調の人に上下関係や罰ゲームなどを利用して飲酒を強要したり、「文化だから」とイッキ飲みをさせたりするのがアルコールハラスメント。宴会に酒類以外に飲み物を用意しないのもアルハラに該当。

 

 

26.スモークハラスメント(スモハラ)

 

スモークハラスメントは、タバコを吸わない人に対して無理に喫煙させたり、隣でタバコを吸って受動喫煙(喫煙者が吐いた煙などを吸ってしまうこと)させたりすること。

 

 

27.カラオケハラスメント(カラハラ)

 

カラオケハラスメントとは職場の立場を利用して、歌いたくないと言っている人に対し無理やり歌わせる嫌がらせのこと。   「○○さんは歌わないから今日のカラオケはこないで」と歌わないことが原因で仲間外れにすることも、カラハラに当たる。

 

 

28.ソーシャルハラスメント(ソーハラ)

 

ソーシャルハラスメントとは、SNS(ソーシャルネットワークサービス)に関する嫌がらせ。  主にXTwitter)やFacebookInstagramなどのSNSに職場関係が持ち込まれてトラブルやストレスを引き起こすこと。上司が部下に友達申請や「いいね!」を強要したり、部下の投稿を常に監視していたりする行為がこれに当たる。

 

 

29.フォトハラスメント(フォトハラ)

 

勝手に撮影したり、本人の許可なく写真をSNSなどにアップしたりして、相手に不快な思いをさせてしまうのがフォトハラスメント。 SNSをやっていることが当たり前になってきた今、無意識のうちにやってしまう可能性の高いハラスメントと言える。

 

 

30.ヌードルハラスメント(ヌーハラ)

 

ラーメンやお蕎麦など麺類を食べる時のすする音によるハラスメント。 すすって食べるのが当たり前の人もいるが、中にはすする音がトイレの音みたいに聴こえて不快な人も少なくない。食事中に音を出すことをマナー違反としている国もある。また、麺類だけではなく味噌汁やスープ類などをすする音もヌーハラに含まれる。

 

 

31.グルメハラスメント(グルハラ)

 

グルメハラスメントは食に関するハラスメント。 食事へのこだわりが強い人が「〇〇は塩で食べるべき」と自分のこだわりを人に押し付けたり、「そこのお弁当はイマイチだよね」と相手が食べているものに対していちいち干渉したりすることを言う。グルメに関する知識を長々と語り、相手を不快にさせることも含まれる。

 

 

32.コミュニケーションハラスメント(コミュハラ)

 

コミュニケーション障害を持つ人や人とコミュニケーションを取ることを苦手とする人に対し、コミュニケーションを強要するハラスメント。 コミュニケーションが苦手な人に対し「なんで喋らないの?」「大人しすぎる」とプレッシャーを与えることを言う。

 

 

33.パーソナルハラスメント(パーハラ)

 

パーソナルハラスメントは個人的な趣味や容姿、言い回し、癖などに文句をつける行為のこと。 ブス・ブサイクなどと容姿を馬鹿にしたり、アニメ鑑賞が趣味な人に対し「根暗な趣味だね」と発言したりすることが当てはまる。

 

 

34.お菓子ハラスメント(オカハラ)

 

お菓子ハラスメントは、お土産のお菓子を特定の人だけ配らない、また買ってきたお菓子を強制的に食べさせる、食べなければならない雰囲気を出すことを言う。スイーツハラスメントとも呼ぶ。

 

 

35.スメルハラスメント(スメハラ)

 

体臭や口臭、強すぎる香水や柔軟剤などのにおいによって他人を不快にさせる行為がスメルハラスメント。  自分のにおいは自分自身で気付きにくく、無意識に行ってしまう可能性が高いハラスメントと言える。またデリケートな問題のため、相手も言いにくいといった特徴がある。

 

 

36.告白ハラスメント(告ハラ)

 

告白ハラスメントとは、12回しか会っていないのに告白をしたり、結婚している相手に告白したり相手のこと考えずに告白すること。  告白は素敵なことですが、一歩間違えるとハラスメントになってしまう可能性がある。

 

 

37.エンジョイハラスメント(エンハラ)

 

「仕事は楽しむものだ」などと楽しむことを他人に強要することがエンジョイハラスメント。 お笑いコンビ「オードリー」の若林 正恭さんが、TV番組で仕事に楽しさを求める現代の風潮に異を唱えたのが始まりとされる。

 

 

■その他のハラスメント

 

 

38.セカンドハラスメント(セカハラ)

 

ハラスメントを受けた被害者がそれを訴えることで、さらに会社から圧力をかけられることをセカンドハラスメントと言う。  「そんなこと普通。自意識過剰じゃないか」とハラスメントを報告したのに更なる嫌がらせを受けること。

 

 

39.ドクターハラスメント(ドクハラ)

 

ドクターハラスメントは医者が立場を利用して、患者に嫌がらせをすること。 「すぐに〇〇しないと治らない」と高額な治療費を請求してきたり、「信用できないなら他へ行け」と脅したりして患者に身体的ストレスだけでなく、精神的ストレスまで与え追い込む。

 

 

40.ペットハラスメント(ペットハラ)

 

ペットの飼い主が、自分が可愛がっているから周りの人も動物が好きだと思い込み、行ってしまうのがペットハラスメント。  例えば首輪もせずに犬を散歩させたり、ペットをなでることを強要したり、動物アレルギーの人のことを考慮せず乗り物やお店にペットを連れ込んだりする行為がこれに当たる。

 

 

41.ハラスメントハラスメント(ハラハラ)

 

ハラスメントハラスメントとは、自分が少しでも不快になると「それハラスメントです」と過剰に主張する嫌がらせのこと。  例えば少し部下を注意すると「パワハラで訴えます」と言われてしまう、「お子さん元気?」と言ったらハラスメントで相談窓口に相談されたなど。

 

 

42.ペイシェントハラスメント(ペイハラ)

 

ペイシェントハラスメントとは、医療従事者が、患者やその家族等から受けるハラスメントのこと。 つまり、医療従事者が、患者やその家族等から受ける、人権、人格、自尊心を侵害するような暴言、暴力、性的嫌がらせなど。

 

 

43.スクールハラスメント(スクハラ)

 

スクールハラスメントとは、学校内で行われる嫌がらせや、いじめといった相手に苦痛を与える行為のこと。 今までは会社や仲間内だけに留まっていたハラスメントも、最近では学校の教員間までに発展。子どもたちが成長する環境の裏側での嫌がらせやいじめ。

 

 

44.キャンパスハラスメント(キャンハラ)

 

キャンパス(実習先を含む、就学及び就業の場等)において、相手の意に反する性的又は不当な言葉や行為によって、相手に不快な思いや不利益を与えるなど、相手の就学及び就業環境などを悪化させること。キャンパスにおけるモラル・ハラスメント、セクシャル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、パワー・ハラスメントなどの総称。

 

 

45.アカデミックハラスメント(アカハラ)

 

大学や研究機関などの学術機関において教職員が教育・研究上の権力を濫用、ほかの構成員に対して不適切で不当な言動を行うことにより、その者に対して修学・教育・研究ないし職務遂行上の不利益を与えたり、精神的・身体的損害を与える行為。パワーハラスメントの一類型。

 

 

46.テレワークハラスメント(テレハラ)

 

リモートハラスメントと言われる、在宅勤務などのリモートワーク・テレワーク中に発生するハラスメントのこと。 実際のハラスメントの内容にはさまざまな種類が含まれ、代表的なものにパワハラやセクハラ、マタハラなどが挙げらる。

 

 

46.TELハラスメント(TELハラ)

 

嫌がる社員に電話番を押し付けること。TELハラの被害者として主に想定されるのは、新入社員や総務部門社員、内勤社員など。「誰でもできる」という前提と、「雑用は立場の低い者に」という慣習の2つが顕在化した事例。

 

 

47.リクルートハラスメント(リクハラ)

 

就活生に対して、就活先の社員がその地位を利用して、高圧的な態度を取るハラスメント。代表的なものにパワハラやセクハラなどが挙げらる。

 

 

 

誰しも経験する『他人との違い』

 

 

いかがでしたか?お腹いっぱいですね。。。
F社長と食事をしながら、膨大に増殖している「●●ハラスメント」に、それぞれの体験談が次々に飛び出してくるのでした。「あ。これ昔あったわ。」とか「えー。これもダメなの?」みたいなのが、いくつもありました。「お互い、ひどい目にあってますなあ(笑)」とF社長。

「最近の若いものは。。。」とついつい言ってしまうこともありますが、若かりし日には、自分もそういうふうに言われていたのも各自の歴史の中の「事実」です。どうやら、F社長も若い頃はそうだったようでした。

 

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と言いますが、立場変われば若い頃受けた「理不尽」「不条理」は忘れてしまうのです。特に「社長」という人種は、すごろくのゴールを通過したような気分になっていて「オレはもっと大変なんだ!」という意識の人が多いように思います。「会社でいちばんえらい」ということは事実なのですが、決して「人間として偉い」訳ではありません。ここを勘違いしてしまう人が多いのです。

 

これほどまでに多くのバリエーションがある「ハラスメント」。「ハラスメント」のそもそもの意味は、人を困らせること。いやがらせ。「いやがらせ」は意図的な行為、「人を困らせること」は意図しない行為も含まれるものです。こうなってくると、人それぞれの個性や立場・認識の違いや不理解があれば常時発生し得るものであることが分かります。最近始まったことではないのです。

 

 

 

『事業遂行』に必要な指示が欠けている

 

 

数々の「●●ハラスメント」を見ていて、しまいにF社長は「バカらしくなってきますね」と本音を言われました。同年代の私も同感な部分もありますが、ここで「バカらしい」で終わってしまうといけません。もったいないのです。メディアで騒がれすぎている点は置いておいて、人と人、上司と部下の本質がここにあります。

 

企業経営としては「●●ハラスメント」を気にするあまり、『事業遂行』に関わるコミュニケーションまで希薄になってしまうことは避けなければなりません。そこは本質ではないからです。会社は『事業遂行』の場です。「やりにくい世の中になった」とこぼす社長は多いですが、ちょっと待ってください。そう言う割には、社長からの『事業遂行』に必要な指示やルールの説明があまりにも不十分であることが、「●●ハラスメント」の頻発を助長しているのではないでしょうか。ここは多くの社長とお会いする中で強く「確信」できる点です。そこで、F社長にはこういうお話をしました。

 

アメリカのマニュアル社会は、多民族国家ゆえのものだと思っていました。中小企業経営者であった父親から、子供の頃からそう聞かされていたからです。父親は、食後に新聞を広げながら「日本では、多少の方言はあっても言葉が通じないということは無いし、宗教や文化の違いで争うこともまずない。ありがたいことだ。」とも言っていました。

 

しかし、この解釈は当たっていません。何故なら、言葉が通じるという事と、考え方を理解し実践できるという事はまったく次元が違うからです。日本の多くの経営者が未だに誤解している点のひとつだと思います。言葉が通じるからと、経営者の意向や仕事のルールをはっきり示していないのです。これは、明らかに経営者の怠慢であり、会社が儲からない理由の大きな一角を占めています。社員の多くは何をどのように、どういう水準でやればいいのか?分からないのです。社員への文句を言う前に、社長にはやるべきことがあるのです。

 

F社長も、この意見には賛同してくれました。酒席はその後、その話題一色になりました。

 

 

 

社長の会社では「ハラスメント」意識されていますか?そもそも社長からの『事業遂行』に必要な指示は、誰が見ても分かるようにできていますか?

 

ワンマン社長と「多様性」その4 へつづく

 

 

 

 


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