歓喜の「賃貸リノベ」その2■続・家づくりの玉手箱

2024/04/0617:11203人が見ました

「凱旋後」の引っ越し

 

 

次女がフランスから帰ってきました。東京では三軒茶屋の洋菓子店に毎朝通うことになりました。パティシエさんは朝が早く、冬季の掻き入れ時には公共交通機関では始発でも間に合いません。長女の通勤条件も悪くはなかったので、三軒茶屋駅近くに引っ越すことになりました。

 

今度は社会人の娘ふたりが生活する部屋なので、少し広くなりました。築30年ですが徒歩3分の駅近です。1LDK36㎡で、居住スペースは前の部屋の倍ぐらいになりました。細長い形で、壁面が広く、広いフーフバルコニーつきです。

 

近所は路地の多い飲屋街で、金曜の夜などは朝まで賑やかです。午後からは、いろんな店の仕込みの匂いが立ち込めてきます。夜の干物は厳禁。焼き鳥臭が危険だからです。場所はちょっとうるさい界隈ですが「かえってひと気のない場所よりいいかも」と決めました。

 

このあたり「三角地帯」と呼ばれる戦後の闇市があった場所で、長女が職場の先輩に「ここに引っ越すんです」と話したら「あなた、ここ『三角』じゃない!だいじょうぶ?」と言われたそうです。先輩のイメージでは、ここは飲むところで、小娘の住むところではなかったのかもしれません。

 

 

↑今回はこんな間取り(召集がかかり、採寸したところです)

 

 

↑今度は物が多くなっています(赤線は手持ちのものです)

 

 

↑三軒茶屋の「三角」と呼ばれる旧闇市地帯

 

 

↑部屋のある建物の1階も飲み屋街です

 

 

 

趣味に走る「出張大工」

 

 

また「出張大工」の出番です。自宅から遠いので、数日で決着をつけて鹿児島に帰らなくてはいけません。この「期限」の厳しさがプロとアマの大きな違いなのだと痛感しました。余暇の時間でゆっくりやっている日曜大工と、必ず期日までに済ませるプロの大工さんの仕事のレベルは全然違います。

 

しかし、お父さんは今回の物件のルーフバルコニーがいたく気に入ってしまいました。ここに日除け兼目かくしをつけると、とっても居心地の良い「飲み会スペース」になるのです。現場を眺めているうちに、妄想が止まらなくなってしまいました。別に娘に頼まれたわけでもないのに、せっせと改修の段取りを進めてしまうのでした。

 

このあたりは飲み屋街ですから、夜通し騒がしいのは日常です。「少々ここで盛り上がっていても、そう問題にはならないだろう」と思ったのです。駅から近いし、道路向かいには業務スーパーもあるし、焼肉パーティーやたこ焼きパーティーが手軽にできそうなのです。

 

 

↑お父さんはこのルーフバルコニーが気に入ってしまいました

 

 

↑頼まれてもいないのに、プラーベートな半屋外パーティスペースをつくってしまいました

 

 

↑外壁にキズをつけないように配慮

 

 

↑完成した「パーティスペース」(10人くらいはいけそうです)

 

 

↑夜になると、俄然「隠れ家」感が出てきます

 

 

↑さっそく試しに一杯飲っているところです(会員制で営業できそうです)

 

 

 

期待を超える「変身ぶり」

 

 

借りた部屋は2階で、1階は全て飲食店テナントでした。昼間はシャッターが降りていて静かなのですが、夕方になると順次開店して賑やかになってきます。部屋のルーフバルコニーの真下もバーで、深夜になってからが営業本番です。

 

1階の店舗群は中庭スペースで回遊できるようになっていて、ルーフバルコニーも同じく中庭スペースに面していました。また、部屋の窓も同じ階のバルコニーからまる見えになる部分がありました。

 

娘たちは、窓にカーテンを閉める習慣がありませんでした。鹿児島の家では窓を開けていても隣家の視線はなく、カーテンを閉める生活をしていなかったからです。出来ることならカーテンなしで暮らせるのが、狭い部屋には合っています。バルコニーの手すり上に、ほんの一部分だけ目かくしの「木塀」を取り付けることにしました。

 

 

↑目かくしのためにの「ピンポイント木塀」(ほうき&ちりとりの定位置もつくってあります)

 

 

↑この窓は下からも別の部屋のバルコニーからもまる見えでした(3階の人もカーテンされてます)

 

 

↑「ピンポイント木塀」でばっちり目かくししました

 

最初の部屋は8畳ワンルームで狭くテーブルは折りたたき式の小さなものでしたが、こちらでは新たにスペースにあったサイズのものを作りました。自作のテーブルは安くつきますし、何より必要なくなれば解体して別の用途に再利用できるのが良いところです。

 

テレビは近所のドンキホーテで買ってきました。信じられないほど軽く、驚くほど値段も安かったです。箱を持ったときは「本当に中身が入っているのか?」と思うぐらいでした。小さな画面をあちらこちらで見るために、余った板に取り付けて「たてかけ板方式」にしてみました。

 

どうせ、いつまで住むのかも分からないし、わざわざ壁にキズはつけたくありません。何より「出張大工」のお父さんには現場でじっくり考えている時間がないのです。どうやらスマホ慣れしている娘たちにはテレビの場所が固定されている方が「違和感」があるのだそうです。納得です。

 

 

↑部屋が広くなりましたので、テーブルも作らせていただきました(テレビは「たてかけ板方式」です)

 

 

↑普段はテーブルでテレビを見ていますが…

 

 

↑ソファで見たいときは移動できます

 

 

↑「映画鑑賞モード」(意外に落ち着く感じです)

 

 

 

究極の「顧客満足」とは

 

 

ワンルームとは言え、今回は前の部屋から持ってくる「大物」もあります。冷蔵庫や洗濯機なども、最初の部屋では家電量販店からの配達・据え付けでしたから楽でした。こういうときには、組み立て式の家具は便利です。組み立てそのものは面倒ですが、再度荷物になるときには嵩が減りますので大変ありがたい訳です。

 

お父さん力作のIKEA製品ベースの「カスタム2段ベッド」やキッチン・ダイニング両面使いの「手づくり家具」なども一旦解体されて引っ越してきました。(当然、お父さんは解体作業から動員されました)出来るだけ、前の部屋で使っていた材料を再利用しましたが、どうしても足りない部材は豊洲のホームセンターで調達しました。

 

LDKと部屋の広さはアップしましたが、キッチンは同じようなものでした。ミニキッチンです。防火の観点からなのか、この物件はコンロがIH2連に改造されていました。そのせいもあって調理スペースは完全に無くなっていました。仕方ないので、冷蔵庫スペースをずらして自作の木製カウンターで調理スペースを確保することにしました。

 

そうすると、思ったより使えるキッチンになりました。下手に大型のキッチンセットが置いてあるより、ミニキッチンの方が何かとやりようがあります。引っ越してから初めてのお正月には、家族4人この部屋で過ごしてみました。さっそく試してみましたが、ちゃんとみんなでご飯がつくれるようになっていました。子育て時代を思い出す密度感で「狭いながらも楽しい我が家」といったところでした。合格です。

 

 

↑力作「カスタム2段ベッド」もそのまま引っ越してきました

 

 

Before(やっぱりご飯をつくって食べる感じではありませんね)

 

 

After(「手づくり家具」がそのまま引っ越ししてきました。⬇︎は、転倒防止のための固定バーです)

 

 

↑↔の分冷蔵庫が出っ張ってきています(⬇︎は、のれんかけえお兼ねた転倒防止バーです)

 

 

⬇︎の台形天板が拡張した調理スペース(本来は冷蔵庫が置かれるスペースです)

 

 

IH2連仕様→カセットコンロ+IH仕様に

 

 

↑家族4人でご飯の準備ができるようになりました!

 

その後、間もなくショッキングな出来事がありました。

お父さん自慢の「パーティスペース」は、ほどなく解体するハメになってしまったのです。決して苦情が出たわけではありません。入居した年が、定期的な大規模改修の年にあたっていて外壁補修用の足場を立てないといけなかったのです。

 

お父さんは、また出張をして解体屋さんをしなくてはなりませんでした。しぶしぶ解体した資材は、仕方ないので鹿児島送りとなりました。。。トホホな経験でしたが、場所のクオリティは確かに極上のものでした。

 

 

 

賃貸総ミニキッチン時代。ちゃんとご飯つくって食べるのが贅沢に?どうやら、ここにも商機がありそうです。

  

 

 

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