悲観的に準備し楽観的に対処せよ
心楽パートナー株式会社の出口経尊です。
第1回の投稿が、新型コロナウイルスの影響を受けるタイミングになるとは想定していませんでしたが、逆の見方をすれば、これを機に今こそ会社のお金の流れに向き合うチャンスだと捉えていただければ幸いです。
事実をいかにプラスに捉えるか?で未来の勝負は決まります。
ただし、楽観視するわけではありません。
危機管理評論家の故佐々淳行氏の名言『悲観的に準備し楽観的に対処せよ』を意識してみてはいかがでしょうか。
お金の流れを見直そう
さて、非常時で最も大事なことは、問題を切り分けることです。
今回取り上げるのは、よく耳にする話で中国の生産中止によって部材の供給が止まっていることです。
それにより、建材メーカー、建材流通店、住宅ビルダーへの納品が滞り、売上計上と現金回収が先送りしている状態です。
そうなると、関係する会社の資金繰りの予定が狂ってしまいます。
部材が無いとどうにもならない話が多いとは思いますが、それでもエンドユーザーとの話し合い等、関係者の一人一人の努力で問題が小さくなる可能性があるのではないでしょうか?
実は努力の仕方の違いは、会社のお金の流れを理解しているか否かで全く異なります。
お金の流れを視覚化する
下図をご覧ください。1年もしくは1カ月の売上と粗利が減り、利益がマイナスになった場合のイメージをブロックパズルで表しています。
ちなみに、お金のブロックパズルとは出口が加盟するキャッシュフローコーチ協会のコンテンツを活用しています。
これは固定費が粗利をオーバーした状態で赤字になっています。
逆に粗利が足りていないとも言えます。
それぞれの言葉の意味をお伝えすると、変動費は材料費や外注費で、売上に比例して増減する支出です。
粗利は、売上から変動費を引いたもので固定費と利益を賄うものです。
ちなみに、売上に占める粗利の割合が粗利率です。
固定費は主に人件費、家賃や水道光熱費などのその他に分けた支出です。
極端な話ですが、売上が0円でも発生する支出が固定費です。
固定費と言っても増減はしますが、この振り分けで大切なポイントは、ざっくり理解することです。
また、建設業だと1円単位でなく千か万単位でOKです。
その理由は、数字の現状や予測のイメージを掴んで、経営判断や行動に繋がれば良いからです。
もし現状がこの図のようになれば、固定費と返済分を賄えず、会社のお金が足りない状態になります。
一人一人ができることとは?
資金調達の話は改めてしますが、まずこの状態で一人一人ができることは、変動費と固定費の削減です。
例えば、変動費でできることは手戻りなどのミスを無くす、部材のロスを無くし歩留まりを上げることです。
それにより粗利と粗利率が上がります。
あえてここでは自助努力に期待して値下げ交渉は差し控えます。
あと、固定費のその他で見直せることは何かありますか?
そもそも何が固定費になるのか社内で考える必要があります。
その時に大事なのが、萎縮しない意見が出しやすい雰囲気づくりです。
雰囲気の作り方についても改めてお伝えします。
あと、人件費はなるべく手を付けたくないですが、残業代は減らせそうですか?
残業代は通常の時給換算に比べ1.25倍の支出が発生します。
もらう側は良いですが、支払う会社にとってはどのような影響があるでしょうか?
考えることは山ほどありますが、これを機に1つずつクリアしていきましょう。
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