マンションリノベーションのプレゼン術(光編) からつづく
●強い『不満』と深い『あきらめ』
自ら所有し住まうマンションの部屋に、多くの方が「強い不満」を持っているのに「仕方ない」と諦めている事のひとつに「風通し」という点があります。
各階の両端の部屋以外の、いわゆる中住戸(なかじゅうこ)と呼ばれる住戸では、廊下側とバルコニー側にしか窓はないので「仕方ない」という事のようです。また、各住戸の出入口や廊下からリビングに入るところにも大抵はドアが取り付けてあり、狭い各室で個別に空調する他ないという傾向を助長しているのです。
このあたりも宿命的で、画一的な設計となりやすいマンションの特徴であり、居住性が低いレベルにとどまってしまうひとつの要因でもあります。そして、只今現在まさに新しく分譲されている物件にも共通した構造的な問題です。建物の断熱・気密性能や冷暖房機器の進化とは関係なく、空調区画を小さく区切って各室冷暖房という低気密・低断熱を前提とした前近代的なスタンダードが今でも設計思想のベースになっているようです。
ということもあって、現状ではマンションでの居心地を追求・最適化するためにフルリノベーションを施すという選択肢を提案することになります。
●壊してみると気づく『福音』
お施主様がマンションリノベーション工事中に現場に通ってこられると、必ずといっていいほど驚かれることがあります。風通しの良さです。内装を解体・処分後の工事期間中はドアがない状態がしばらく続く訳ですが、バルコニー側の窓がわずかでも空いていたら玄関ドアを開けた途端にブワーッと風が通り細かい木くずや埃が屋外に吹き出してしまいます。
これは思いがけないレベルの風速であり、電動ノコギリなどには集塵機を使ってもらって軽く細かい粉塵を可能な限り出さないようにしないと共用部分を広範囲に粉だらけにしてしまうことになります。
「へー!うちってこんなに風通るんですねー!」と皆様おっしゃいます。その時お施主様たちはリノベーション後の新しい住まいでは、風を通したいときにはちゃんと通せるという ”選択性” のある仕上がりを実感・期待されるのです。
●見える化による目的の『共有』
こういったマンションリノベーションのBEFORE & AFTERの通風環境を着工前に前もってイメージしていただけるよう考えた模型でプレゼン動画をつくってみました。普段感じている問題と改善案を視覚化しています。また、物理的に「実践」していますのでリアルに再現性がありますから「設計者自身」がイメージだけで大切な「判断」を誤ることもありません。
↑マンションリノベのBEFORE & AFTERの風の様子を上から見て比べます
今度はBEFOREとAFTERの様子をそれぞれ角度を変えながら見てもらえるヴァージョンです。 こうした肉眼で見る感覚に近づけることができるのは模型+動画ならではです。
↑BEFOREの様子を色々な角度で見てみます
↑AFTERの様子を色々な角度で見てみます
マンションリノベーーションの現場ではいろいろと難しく大変なことも多くありますが、お客様の期待を超える提案を現実化する可能性を秘めています。自分でも実践してみて本当にそう思うのですが、課題はどうやって現状の悪しき「常識」や「あきらめ」を覆すか、「可能性」に気づいてもらうかです。多くの住まい手は、そういった「可能性」が簡単には「目」に入らないぐらい悪しき「常識」を刷り込まれ「あきらめ」の境地にいらっしゃるのです。
あなたの会社では持ち家マンションに住まう見込客はどのくらいいらっしゃいますか?また、そういった方々への住まいの提案はどのようにされていますか?
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