全国『幸福度ランキング』考 ■売れる力とは?

2024/02/0416:58310人が見ました

どこに暮らすのが「幸福」と言えるのか

 

 

日本全国の幸福度を様々な統計指標を組み合わせて総合評価したランキングがあるのをご存知でしょうか。これは全国『幸福度ランキング』といい、2012年から2年毎に集計され、時代とともに指標を見直しながら発表されています。日本総合研究所が編集したものは毎回書籍になっています。また、自治体や研究機関が独自に選定した客観指標により分析ができるようにと、今年から元データが活用できる分析ツールも提供されています。

 

全国の都道府県別、政令指定都市(人口50万人以上)別、中核市(人口20万人以上)別と3段階の地域でランキングされています。その評価指標は都道府県別80指標、政令指定都市別47指標、中核市別39指標にもなっています。以下に都道府県80指標の項目をご紹介しておきます。どうやって調べるの?みたいなのもあります。調査年毎に追加されている追加指標はそれぞれの年代の世相を反映しています。ご興味のある方はどうぞ。

 

都道府県別80指標一覧↓

 

【基本指標】
 人口增加率
 一人あたり県民所得
 選挙投票率(国政選挙)
 食料自給率
 財政健全度

 

【健康分野】(以下 ■現行指標 □先行指標)
 ■生活習慣病受療者数
 ■気分障害受療者数
 □産科・産婦人科医師数
 □ホームヘルパー数
 □高齢者ボランティア活動者比率
 ■健康寿命
 ■平均步数
 □健康診査受診率
 □体育・スポーツ施設数
 □スポーツの活動時間

 

【文化分野】
 ■教養·娯楽(サービス)支出額
 ■余暇時間
 □常設映画館数
 □書籍購入額
 □文化活動NPO認証数
 ■外国人宿泊者数
 ■姉妹都市提携数
 □語学教室にかける金額
 □海外渡航者率
 □留学生数

 

【仕事分野】
 ■若者完全失業率
 ■正規雇用者比率
 □高齡者有業率
 □インターンシップ実施率
 □大卒者進路未定者率
 ■障碍者雇用率
 ■製造業労働生産性
 □事業所新設率
 □特許等出願件数
 □本社機能流出•流入数

 

【生活分野】
 ■持ち家比率
 ■生活保護受給率
 □待機児童
 □一人暮らし高齡者率
 □インターネット人口普及率
 ■
水処理人口普及率
 ■道路整備率
 □一般廃棄物リサイクル率
 □エネルギー消費量
 □地縁団体数

 

【教育分野】
 ■学力
 ■不登校児童生徒率
 □司書教諭発令率
 □大学進学率
 □教員一人あたり児童生徒数
 ■社会教育費
 ■社会教育学級·講座数
 □学童保育設置率
 □余裕教室活用率
 □悩みやストレスのある者の率

 

【追加指標】2014年から
 信用金庫貸出平均利回り
 平均寿命
 女性の労働力人口比率
 自殺死亡者数
 子どもの運動能力

 

【追加指標】2016年から
 合計特殊出生率
 自主防災組織活動カバー率
 刑法犯認知件数
 農業の付加価値創出額
 勤労者世帯可処分所得

 

【追加指標】2018年から
 訪日外国人客消費単価
 市民農園面積
 子どものチャレンジ率
 コンビニエンスストア数
 勤労者ボランティア活動者比率

 

【追加指標】2020年から
 高齢世帯の相対的貧困率
 地域子育て支援拠点箇所数
 総合型地域スポーツクラブ育成率
 男女の賃金格差
 一人あたりのごみ排出量

 

【追加指標】2022年から
 コロナ患者受入病床数
 救急搬送困難事案件数
 燃料供給に関する協定締結率
 遠隔教育実施率
 家事の男女負担割合                                     

 

 

 

あなたの地域の『幸福度ランキング』は

 

 

ここで、日本総合研究所による全国『幸福度ランキング』の一部をご紹介しておきます。社長の地域はいかがでしょうか。普段のイメージと合ってますか?

 

 

↑都道府県幸福度ランキング(日本総合研究所)ベスト5は赤字にしてあります

 

福井県は2014年から5回連続総合ランキング1位だそうです。石川県、富山県とともに北陸地域が目立ちます。基本指標の「仕事」「生活」「教育」分野の得点が非常に高いようです。そして、東北地域の山形県は2012年から一貫して順位を上げているそうです。また、秋田県は前回2020年の27位→17位と最大の上昇幅だったようです。いっぽう、下位の5府県は前回2020年と変わらずのようです。

 

 

 

いくつもある『幸福度ランキング』

 

 

ここで、もうひとつ『幸福度ランキング』をご紹介しましょう。こちらの結果は全然違った傾向になっています。

 

調査を行ったのはブランド総合研究所。アンケートは全国の男女約450万人の調査モニターの中から15歳以上を対象に、2022520日から26日にかけてインターネットで調査を実施されました。各都道府県の住民それぞれ約500人ずつ回収し、調査時点で移転などの理由によりその地域に居住していない人を除くと、全国で合計23973人の有効回答だったそうです。

 

調査対象は47都道府県。住民視点で「地域の持続性」を明らかにするため幸福度をはじめ、生活満足度、愛着度、定住意欲度の4項目を数値化するとともに、それらの総合指標として「持続度」を算出しています。さらに、より詳細な分析を行うため、持続性に影響しているプラス要因として住民による地域の魅力度と自慢度、そして魅力項目(自然、交通など計26項目)を数値化。マイナス要因として住民が感じている悩みや課題を抽出し数値化しています。

 

「幸福度」は、「あなたは幸せですか」という問いに対し、「とても幸せ」「少し幸せ」「どちらともいえない」「あまり幸せではない」「全く幸せではない」の5段階で評価してもらい、それぞれ100点、75点、50点、25点、0点で加重平均されています。47都道府県の平均は70.1点でした。

 

 

 

都道府県幸福度ランキング(ブランド総合研究所)ベスト5は赤字にしてあります

 

最初にご紹介した日本総合研究所の『幸福度ランキング』は、居住者それぞれの自己認識といった主観的な要因は除外されています。いっぽう、ブランド総合研究所の『幸福度ランキング』は全ての項目が居住者それぞれの自己認識に基づく回答によるものです。表題は同じ『幸福度ランキング』でも、その性格は全く違うものと言ってもいいでしょう。

 

私が多くの知人を持つ地域に限って考えてみても、鹿児島の人は今の状態を素直に「幸せ」と表現する人が多い気がするし、大阪の人は「こんなもんちゃうの」と言いそうです。京都の人なんかは「幸せ」と思っていても「ひとっつも思わへん」って感じの人が多い印象があります。やや偏見かもしれませんが「県民性」というものは確かにあるだろうということです。

 

2022年の各県の順位を前年2021年と比べてみると、日本総合研究所のほうは前年2021年との順位差は少ないですが、ブランド総合研究所のほうは前年2021年との順位差が大きく変動している傾向があります。

 

景気指標の中にも客観的統計指標である内閣府の「景気動向指数」や、人が感じている感覚の街角指標である「景気ウォッチャー調査」など性格の違うものがあります。人が感じる感覚や表現の「癖」みたいなものは地域差・個人差があり、調査時期による変動も大きいので注意が必要です。

 

こういう統計指標はどうしても順位に目が行きがちですが、以下のような傾向を見るのには有用です。

 

強み・弱み
現行指標・先行指標
順位の経年での変化傾向
分野・指標間の関連性

 

統計から読み取れるのは、あくまでも傾向です。中には行政・業界の意向による恣意的なものも混在しているものもあるので、同様のテーマの複数の指標を見比べる習慣を持つべきです。

 

顧客それぞれの価値観は多様であり、統計による傾向をそのまま解釈するのは危険です。個人客対象の住宅事業においては、なおのことでしょう。統計の傾向がどうであれ、目の前の顧客が同様の価値観を持つかどうかは別の問題なのです。

 

 

 

社長の会社では「市場全体から見た客観的価値観」「お客様それぞれの個人的価値観」の何れを重視されていますか?スタッフの提案はそれに沿ったものになっていますか?

 

 

 

 

 

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