住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は「時代別耐震の分け方」ということです。
結論から言いますと、年代別で耐震補強工事の内容が変わるということです。
このいきさつをお話ししたいと思います。
元々日本の家というのは、伝統工法、お寺みたいなつくりで石敷きの家が多かったわけです。
1945年に終戦を迎えて、1952年にサンフランシスコ条約を締結する間の、1950年(昭和25年)に、日本の建築基準法がつくられました。
元々日本の建築基準法は、アメリカの法律を日本風にアレンジしてつくられたものです。
1950年(昭和25年)に建築基準法がつくられたとき、実はあまり耐震というものは考えられていませんでした。
なぜかというと、アメリカの法律を基にしてつくられたからです。
それではよろしくないということで、1981年(昭和56年)に新耐震基準というものができました。
ここで耐震のレベルがどんどん上がってきたりするわけです。
更に、2000年(平成12年)の段階で、2000年基準というものが設けられました。
ですので、期間としては伝統工法、旧耐震基準、新耐震基準、2000年耐震基準の4つに分けられることになります。
それぞれの段階で耐震の考え方が違っています。
よく役所の方が耐震補強をうたっていますが、その耐震補強というのは、あくまでも1950年の建築基準法以降の在来工法の建物についてです。
実際、それ以前の伝統工法の建物に関しては、実はちゃんとした基準がないといいう状態です。
ですので、築100年の家や築150年の家を直すという場合は、この建築基準法をあてがうのではなくて、伝統工法の基準をしっかりとあてがうということが大事になります。
これは、古民家鑑定士の資格を持っている人が鑑定をする、インスペクションといわれる調査をして、伝統再築士の資格を持っている人がこの補強計画をつくっていくということになります。
伝統工法の古い建物に関しては、建築基準法ではなく、こういう古民家に特化した知識と資格を持っている人に、しっかりと計画を立ててもらうことが大事になります。
今回のお題は「時代別耐震の分け方」についてでした。
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以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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