解体ゼロで省エネ基準並みに

2018/11/1815:01245人が見ました

この手法が有効なのは、築20~30年程度の木造住宅。断熱材は施工されているが、気密化の概念がないため壁の上部と下部に隙間があり、そこから入った気流が壁のなかを流れ、断熱材が効いていない状況だ。


こうした建物に対して、床下と天井から隙間を塞いで気流を止めた上で、天井と床の断熱をやり直し、開口部を強化する。一方で壁の断熱改修は割り切って省略する。内外壁のどちらかを剥がす必要があり、費用が嵩むためだ。


断熱仕様は新木造住宅技術研究協議会が開発した温熱環境の計算ソフト「QPEX」で計算する。関東なら次世代省エネ基準(1999年度基準)相当に性能アップが可能で、建て主からは「冬場に零度以下になる日でも起床時の室温は13~14℃」との報告を受けている。


この方法は、断熱の知識をもつ社長や監督が、手元1人を使って施工すればコストを抑えられる。山善工務店の場合、施工期間はトータル1週間で、工事費は200万~300万円だ。

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