耐風設計、どう考える?

2020/04/2118:21958人が見ました

そもそも耐風等級とはなんでしょうか。

品確法の性能表示制度において、風の力が加わった際の建物の倒壊・損傷のしにくさを評価する指標として、耐風等級設計が規定されています。耐風等級には1と2があります。

 

 

【耐風等級1】:建築基準法に規定されている性能と同等の性能

具体的な性能として、

・「稀に発生する暴風」に対して、構造躯体が損傷しないこと。

・「極めて稀に発生する暴風による力」に、構造躯体が倒壊、崩壊等しないこと。

 

【耐風等級2】:建築基準法に規定されている性能の1.2倍の性能

具体的な性能として、

・「稀に発生する暴風の1.2倍の力」に対して、構造躯体が損傷しないこと。

・「極めて稀に発生する暴風による力の1.2倍の力」で、構造躯体が倒壊、崩壊等しないこと。

 

ちなみに、「稀に発生する暴風による力」とは、50年に一度の再現期間(発生確率)の台風を考えています。

「極めて稀に発生する暴風による力」は、500年に一度の再現期間(発生確率)です。

 

 

耐風設計で考えるべきことは・・・

 耐風設計と聞いてすぐに「軒ゼロで台風に耐えるようにしよう」と方向転換したり、「古い瓦が台風で飛ばされる被害があるから、瓦は台風に弱い」などと安易に考えるべきではありません。ここでも構造計算するべきです。

 軒ゼロになることで雨漏りリスク、壁の通気層の処理などが考えられます。軒があることで建物の劣化対策効果や日射取得のコントロールも可能です。よって、必要な軒の出を確保しながら構造計算により安全性を確認することをお勧めします。

 

 

 

さて、屋根材については、耐風性能を考慮した屋根材や施工方法があるので、安易に被害状況から屋根材を決めすぎないことも大切です。

また、台風被害で屋根が飛散する被害は、窓ガラスが割れ、室内に風が入り込むことで起きているパターンも多く、窓ガラスが割れない対策も必要です。雨戸やシャッターなど耐風性能の高いものを取り付けることも耐風性能向上には重要です。

 

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