住宅業界で奮闘する社長の伴奏者、心楽パートナー株式会社の出口です。
これまでの記事では、「経営数字」の基本的な知識について書いてきましたが、今後は出口が二人三脚で携わっている工務店や工事会社、建材流通店でのコンサルティングの実例を元に、経営改善のポイントをお伝えしていきます。
過去の記事はルームでご確認いただけます。
https://chikalab.net/rooms/108
お金に向き合うとやりたいことができない?
さて、今回ご紹介するのは注文住宅を主に年間新築棟数15棟を3名で手掛ける少数精鋭の工務店で社長は40歳前半。
販売価格は1800~2200万円、自然素材を使った2種類のデザインの商品を展開されています。
直近だと、今期が始まって2カ月目で1年分の受注目標を達成し、着工は5か月以上先でないと請けられない状況で、リフォームやリノベーションの依頼、紹介受注も増えています。繁盛するサイクルに入り、お客様が待ってでもうちに頼みたい理由を作るために、品質や安全強化に向けて採用に力を入れ始めました。資金繰りも安定しているので、本業に集中できる環境が整っています。
出口が毎月訪問させていただいてから、ちょうど3年になりますが、当時も年間10棟以上受注されていました。スタッフ数から言えば、充分すぎるほど売れている棟数でしょう。ただ、見込客数や受注残、資金繰りなど、問題が直面する度に対応に追われるサイクルが続いていました。幸い、営業力に長けていたので、その度に踏ん張れば何とかなっていたという感じでした。
この状態を一言で表現するなら『場当たり経営』で、その繰り返しに心身ともに疲弊する手前でした。強みの営業力も、永遠に続くわけではありません。
また、広告宣伝費や各種加盟金などの固定費の支出もザルな面があり、何より税金を払いたくないという社長の意識から、利益をできるだけ出さない考え方が災いしていました。『願望実現』という言葉があるように、人間の無意識な考えや想いは良くも悪くも実現するので、それに沿った判断や行動をされていました。
今でもはっきりと覚えているのですが、当時社長からこんな言葉が出てきました。
『お金に向き合うとやりたいことができない・・・』
驚きでもあるし、とても納得のいく言葉でしたが、お金に向き合いたくないけど、向き合わないといけないと判断されたということです。
足元が整えば未来をイメージできる
確かに当時はやりたいことを我慢したと思いますが、今ではそれが当たり前になり、お金の貰い方と遣い方が丁寧で計画的になりました。
また、経営状態が改善したことで、家づくりを通じて仕事をする目的や使命(ミッション)、本当に実現したい未来(ビジョン)を言語化し、それに向かって日々奮闘されています。
経営数字に向き合うことで、『現在』だけを見る視点から、遠くの『未来』を見る視点に変わり、事業計画も1年後から3年、5年とさらに先をイメージされるようになりました。ここが経営改善のポイントです。
一足飛びにはいきませんが、お金など向き合いたくないことに真摯に向き合われた結果だと思います。
最近、こんなことも言われていました。
『お金の問題が落ち着かないと本当にやりたいビジョンはイメージできなかったです』
これも納得のいく言葉です。
お金については避けて通りたいかもしれませんが、ほとんどの経営者が一番悩んでいることで、集客や受注もお金に直結する問題です。
コロナ対策の融資で現預金が潤沢な方ほど、今のうちに本質的な問題に向き合って『場当たり経営』から脱却し、戦える、選ばれる準備をしてみてはいかがでしょうか。
時間に余裕があるほど手段は沢山ありますが、切羽詰まってしまうとできる対策も限られますから前倒しで行動することをお勧めします。
今回紹介した工務店も年間計画を2年間着実に実行することで、受注残を1年分確保できました。
ちなみに、コロナ禍の2020年10月現在の状況です。
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