間取りが決まるポイント5つ / 間取りが決まらないお施主様について part2 

2021/04/0212:10418人が見ました

こんにちは、住宅収納スペシャリストの川島マリです。新築やリノベーションの新しい図面をお持ちいただき、収納と動線について一緒に考えるコンサルティングをしています。

以前も間取りの決まらないお施主様について書きましたが、今回も間取り変更を繰り返している方についてです。
収納相談をしていると、間取り変更を繰り返すお施主様のお話を伺う機会が多いです。

ゴールが見えず、沼に入ってしまったようで、何度も間取りを書き換えているうちにご自身がどうしていいか分からない。
「これだ!」と思う提案が出てこない担当者に対しては不信感が生まれ、悪いところ探しになっている方もいます。
大変な労力なのに報われない担当者は気の毒です。

信頼関係が築けないまま完成し、いい結果にならなかった家に伺うこともあります。
住宅関連の方は家が完成したら暮しを見る機会は少ないと思いますが、私は引越し後の家へ伺う仕事をしています。仕事柄、新しい家に住んでからの感想や家づくりの途中のお施主様のリアルな感想を聞く機会があります。

全ての人が当てはまるわけではありませんが、私自身の施主経験と仕事から気づいた間取りが決まるポイントを5つ書きます。

暮しの想像が出来る提案は、安心できる
2 打ち合わせが楽しみ!と思ってもらえる関係
3 詳細なヒアリングが、時短と効率アップにつながる
4ハード面の質問や打ち合わせが続くと希望が入っても不満になる
5 繰り返しの質問で気持ちを整理すると、不満な間取りの解決策が見つかる

 

暮しの想像が出来る提案は、安心できる

収納コンサルティングでは、新築やリフォームをされる方の間取り図へ、家のなかにある物を当てはめながら日常生活がスムーズに動ける動線と収納になるようにお客様と一緒に確認し、物の配置を決めるところからはじめます。

家のなかにある物が一覧になっている表を見ながら、今の暮しから新しい間取りへ生活を載せ替えていくことで、線にしか見えていなかった間取りの上で自分たちが生活している様子を想像してもらいます。
質問することによりご自身で考え気づくこともありますし、そこではじめてご夫婦の話し合う場合もあります。

もちろん、収納と動線のアドバイスは致します。

間取りの決まった方には各収納へ入れる物や収納家具の配置を決めながら、いまの家で溢れている物や処分が出来ずに悩んでいる物に対しての整理方法と、新しいお住いでの使いやすい収納について説明します。

これを行っていると引っ越し後に持ち物が全て収まる安心感と暮らすイメージが出来たと皆様に喜んで頂けます。

間取りが決まらない方には、ヒアリングで伺った今の暮しの情報と照らし合わせて、悩んでいる間取りの家で生活したら収納や動線をどうするか、やはり質問をしながら具体的に考えてもらいます。

先の見えない不安でいっぱいだったところも、安心できる収納と困るところがハッキリわかるので先にすすめるようで笑顔になってもらえます。

新しい家での未来を想像してもらうコンサルティングは、占い師のようです。

失敗したくない家づくりですが、初めて経験する方が多いので、あなたの家族が暮らすなら「これで大丈夫」「このままではこうなるかも」と誰かに教えて欲しいのです。

 

打ち合わせが楽しみ!と思ってもらえる関係

悩まれている雰囲気がひと目で伝わってくる相談者様にお会いしました。注文住宅は、自分たちの夢と希望を形にする楽しいイベントのはずなのに、ご夫婦揃って暗い表情でした。
数ヶ月に渡りずっと間取りの変更を繰り返し、仕事中も頭から離れないモヤモヤした状態に疲れ果てていました。

入居希望日から逆算すると間取りの決定リミットが近づいているのに、何度新しい間取りに変えてもらっても決まらないそうです。

「リビングに収納がひとつもないので、片付けに困る気がします!解決策として階段の位置を変えて、玄関脇に設置される二つの収納の壁を取ってひとつにしてもらえないか言おうと考えていますが、どう思いますか」と、開口一番に話されました。

最初の間取りを基に、いろいろなところを書き換えてもらっても気に入らないため、全く新しく間取りを提案してもらい10回めでも収納に不満があって相談にいらっしゃいました。

 1階のこの場所を変えてもらったら、2階の間取りが使いづらくなったとの話しから、お施主様の希望を叶えているうちに、家全体の使い勝手が悪くなったのではと想像できます。
家の階段の位置や、窓のサイズといった建物自体の変更を希望されているようです。
「相談しながら良い間取りにしていこう」というより、完全に指示をする側と依頼を受ける側の関係になっているようでした。

 

詳細なヒアリングが、時短と効率アップにつながる

 お話を伺うと、家に対しての希望はお風呂のサイズやキッチンの形、部屋の数といった建物への要望のみで、暮し方や物、気持ちについては一向に出てきません。

「新しい家ではどんな暮し方をしたいですか」と私が伺いますと、「部屋には何も物が出ていないスッキリした状態の家で暮したい」と言われました。
そこから今の家の状態への不満、ご夫婦間での片付けについての価値観の違いと話は続き、ご夫婦が望む暮し方が伝わってきました。

やり取りから、施主側も担当者も建物(外側)に気を取られ、暮し方(中身)についての話をしていないことが間取りの決まらない原因のひとつだと分かりました。

家づくりは素人が口を挟まず専門家へ任せるところと、生活者にしか分からない・出来ないことの線引きが必要だと思います。

間取りを自分で作成できるアプリもありますし、建物への情報も多いため、任せる境界が分からなくなりそうですが、柱や壁を動かす希望ではなく、日頃の家事動線や収納したい物を伝えたうえで、暮しにあった提案をしてもらうことをオススメしました。

 収納したい物や生活スタイル、日頃の動線といった情報をお聴きし、その希望が叶う具体的なプレゼンをすれば間取は決めやすくなると思います。

ヒアリングの時間は余分にかかりますが、早い段階から詳細をお聞きしたほうが暮しに合わせた提案が作れます。

 

ハード面の質問や打ち合わせが続くと希望が入っても不満になる

家は物ですが、お施主様が買いたいのは家と暮しです。
間取と暮しがピッタリ合うことで使い勝手が決まり、家への満足度が上がります。

私が家を建てた時もハード面の質問ばかりが続いたので、「自分が指示して建築士が図面に書くの?」と違和感がありました。

最後に「コンセントの位置を決めてください」と言われたときは、「我が家の暮しに最適なコンセントの位置を教えてほしい」と思いました。
コンセントの位置は収納コンサルで確認していきますが、私と同じ様に思われている方がいらっしゃいます。

 

繰り返しの質問で気持ちを整理すると、不満な間取りの解決策が見つかる

 ご家族全員のいまの暮らし方と物の確認をしながら、間取り図へ収納先を決めていく地図(収納マップ®)を作成し生活をシュミレーションしました。

間取りへ物を配置して、量を確認していくだけでどこへどれくらいの物が収まり、足りなくなるのか見えてきます。

持っている物の収納先が全て分かれば安心できますし、生活動線や家事動線を確認すれば使い勝手が良いところと悪いところの判断ができるので変更箇所の迷走が無くなります。

決まらない間取への不満な気持ちも整理すれば、解決方法は見えてきました。

お施主様の不満と不安

この間取りは生活しやすいですか

キッチンの背面収納はどうすればいい

パントリーが無いけど、背面収納で食品は収まる

リビングに収納が全く無いけど、家具は置きたくない

脱衣所に収納がひとつも無い

洗面台はどんな物を選べばいいの

 

いま片付けに困っている方には「これなら楽に片付く」と思える提案をしてあげると安心されます。

お施主様には、最初から建物の変更箇所を依頼するのではなく、変更理由と暮し方の希望を伝えると全体の間取りが崩れることなく理想の提案がされていくと伝えました。

お施主様が間取り変更をご希望されたら、「どうしたいのか」ではなく、「なぜそう思ったのか」「どう暮したいのか」「どう使いたいのか」と聞くことでお施主様の気持ちが整理されます。

理想の暮しを叶えるための質問で、楽しく家づくりをしていただけたら幸いです。

 

 

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