1つの行動を行う際に、まず考えるべき「効果と効率」について話したいと思います。
「効果」と「効率」。これはどちらが正しいか、という単純な話ではありません。例えば、業務の「書類送付」に置き換えてみましょう。書類を郵送(=効率)するか、お客様のお手元に持参(=効果)する、どちらが正しいのでしょうか。郵送することで時間を効率よく使うことができ、持参することでお客様との接点を持つことができる、という意味ではどちらも正解です。
しかし、このお客様が現場近隣で偶然獲得できた全くの新規客だった場合はどうでしょうか。自らが置かれている状況にもよりますが、おそらく私なら効率よりも効果を優先するでしょう。逆に何年もお付き合いのあるお客様なら、電話でお話しさせていただいた上で郵送し、効率を優先するでしょう。
ここで重要なことは、郵送(=効率)か持参(=効果)のいずれかを選んだ理由を明確にし、成果をだすことです。時間短縮を選んだのであればその分新規受注を目指す、もしくは納品のクオリティを高めるために時間を割くべきですし、お客様との接点を深めることを選んだのであれば、しっかりお客様との人間関係を構築し、できることならさらなるニーズを拾うことです。
効率だけを追い求め、効果が低くなってもだめですし、同様に効果ばかりを追い求め非効率になってしまってもだめです。効率と効果、どちらかが正解でどちらかが不正解、ということはなく、常に効率・効果について考えながら全員が仕事に取り組むことで、究極的には効率よく最大の効果を出すことを目指していかねばなりません。
逆に言えば経営者としては、その妨げになることはしてはならない、ということでもあります。無駄な会議や会議のための資料作成、無駄な報告書の作成などはまさに非効率の極みでもあります。同時にIT化が非常に遅れていると言われる建設業界においても、業務効率を上げるためのシステムの導入などに対して積極的に投資していくことも効果的です。