[第7回] 発信する写真について考えていること

2022/02/2409:24189人が見ました

 皆様お疲れ様です。COMODO建築工房代表の飯田です。

 遅ればせながら、本年もよろしくお願いいたします。

 前回(地域工務店の「ブランドの創造」)からだいーぶ時間が空いてしまい、大変申し訳ございません。。。

 連載開始から1年以上が経過しており、求められることに変化が生じていると感じている今日この頃。それでも一区切りとして、最初に掲げた目標には達したいと思いますので、最後までお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

 

発信で一番大事なのは……

 コロナ禍において、学びの場がリアルではまず不可能、画面越しではやはりリアリティに欠ける。

 そんなもどかしさを抱きつつも、僕らは発信を続けなくてはなりません。

 それがプロ対象の講師であろうと、住まい手さん向けであろうと変わらないとするならば、何を工夫せねばならぬのかと。

 

 ズバリ!ビジュアルです!

 画面越しが前提の世の中、一番情報量として与えられるのはビジュアル(写真等)ではないでしょうか。

 どなた様も文章を読むのが得意ではありませんし、ましてや書くなんて。

 SNSが盛んな世の中ですから、チープな写真では負けてしまいますし、魅力半減、むしろイメージダウンになるかも。InstagramFacebookをやられている方を前提としたコラムになりますことご了承願いますが、その上げ方についても少し触れてみたいと思います。

 

何を伝えるための表現とするのか? 

 さて、私はお仕事として建築以外にも、撮影やブランディングの仕事をさせていただいておりますが、そこに共通することは何かなと考えてみました。

 それは「表現」するということです。

 建築において、写真や動画に関しても、いずれも自己から生み出すものであり、自由なのです。

 しかしながら私の仕事は写真家ではなく、お客様に対して、求める相手に対して届かせるためのカメラマンであると自負しております。

 その場を切り取り、設計時に意図した空間性をビジュアルで伝えるのが私なりの表現。そうして出来上がったビジュアルを用い、今後のブランディングに生かすのです。

 ただ素敵な写真、情緒的で感情的な写真は求めませんし、写真家さんのように学べてもおりません。

 

設計者ができる写真の表現とは? 

 しかしながら、写真家とは絶対的に一線を画す要素が一つだけあります。

 それは建築屋目線で空間を捉えることが出来ること。

 皆様にも同じことが言えるのですが、やはり設計者自信が意図した時間軸や光の感覚など、狙ったプロポーションをそのまま表現できるのです。

 いやむしろ、そんなことを意識しながら設計に臨まなくてはいけないのだと、カメラを通して学ばせていただきました。

 

飯田亮氏写真事例1

 

狙った通りの光の入れ方が撮影できるのは設計者ならではです。

 

飯田亮氏写真事例2

 

最もプロポーションが美しく見える時間軸や影の作り方もコントロールできます。

 

写真を意識すると設計もうまくなる

 例えばここにコンセントがあると光の陰影に邪魔になるなとか、小壁によって影を作ることで奥行きのある空間性(写真)が生まれるかなとか、ペンダントがやたら多いなとか、この窓越しに樹木を眺めたいなとか、もはや逆算した発想です。

 写真に収める際に美しいか否か、今では設計の際から考えますが、結果それが美への意識なのです。

 設計の上手い下手とは何かなとふと思う時があるのですが、建築で言えばプロポーション、写真で言えば構図、つまりバランス。

 テクニックはそれからいくつもの手段があるのでしょうけれど、まずはその感覚なのだと個人的には思います。

 写真が下手な人は設計も……だから設計が上手くなりたければ、撮影テクニックから学ぶのもありかなと、だいぶ真剣に思うわけです。

 なお、SNSにあげる写真は私的な事項ばかりでなく、練習した自信のある写真をあげてみて、どれくらいの「いいね!」が付くのか比べてみてください。

 案外と顕著に表れる傾向があるなと、個人的には感じます。励みにもなりますし、どんな写真が私に求められているのかの分析にもなりますから、ぜひ試してみてください。

 なお、テクニック的な事項は各々の鍛錬でお願いいたします!

 

ブログ用。建築以外の写真もこだわって撮っています。

 

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