上述した隙間を塞ぐための工事を「気流止め」という。壁の上下の隙間に圧縮グラスウールを詰めて塞ぐことで、壁のなかを空気が流れることがなくなり、夏場の天井からの熱気や、冬場の床下からの冷え込みなどの影響を受けないようになる。それにより、既存の断熱材も効くようになる。
小屋裏からの気流止めは、上からの作業になるので比較的作業しやすいが、床下はスペースが狭く、さらに上向き作業となるので、作業性はよくない。それでも隙間はしっかり詰めるのが基本となる。
注意点は、断熱材を充填している外周壁の隙間たけでなく、間仕切壁の隙間も埋めること。この部分を既存のままに放置しておくと、床下の冷たい空気が間仕切り壁を介して床小屋裏に流れ込んで断熱材を冷やすなど、悪影響を与えてしまう可能性がある。流止めは作業上の難しさはそれほどないが丁寧さが求められる施工だ。
天井の間仕切り壁に気流止めを行なった例。可能な範囲で柱頭金物の補強も行なう
床下に気流止めを行なった例。壁と根太の隙間に圧縮グラスウールを挿入する