令和元年に際し建築会社が取り組むべきこと。

2019/05/0312:18441人が見ました

新たな歴史の1ページ。

5月1日。日本中が待ちに待った歴史的瞬間、平成から令和への改元が行われました。天皇陛下が上皇となり、その位を生前に譲位されて皇太子殿下が天皇に即位するなんて事は、歴史書の中では何度も読んだことがあっても誰しも実際に経験したことがない、まさに歴史が新たな1ページを刻むのに立ち会った瞬間であり、歴史好きの私としてはそんな風に考えるだけでなんとなくワクワクしてしまいました。 10連休とかつてないくらいの大型GWの真っ只中と言うことも重なって日本列島はお祝いムード一色に包まれるめでたい日を迎えました。この記念すべき節目にあたり、新時代の中で建築業を営んで行くこれからの指針を自分なりにまとめて見ました。偏った私見かもしれませんが参考にして頂ければ幸いです。

出典は聖徳太子説。

さて、ひと月前に新しい元号は令和に決定したと発表されてから様々な人が色々と意見や感想を述べられていました。その出典とされる万葉集は書店に行くと関連書籍が平積みで陳列されており、今まで見たこともない光景を作り出しています。しかし、私は令和と言う元号は万葉集に詠まれていた清々しい風情を出典としたのではなく、もっと深い意味と新たな時代に向き合う決意のようなものを感じており、万葉集のような詩歌などでは無く、日本で初めての憲法である17条の憲法を定め、律政治の礎を作り上げた聖徳太子にあやかっているのでは無いかと思っています。国内にも厳しい問題を抱え、国際情勢も予断を許さない今こそ、17条の憲法の第1条「を以ってもって貴しとなす」の精神を尊ぶべし。との思想を持って決定されたと思っています。そんなブログはこちら→https://shokuninshinkaron.com/?p=18778

令に律し、和を重んじる。

令和の出典が聖徳太子である。との説はあくまで私の私見で、本当のところは違う(菅官房長官はきっぱりと万葉集と言ってました、笑)のかもしれませんが、聖徳太子が日本の国を法治国家へと変わる基盤を築き、隋と対等の国交を開き遣隋使を派遣して、大陸の文化を取り入れて国内外の体制を整えたことを考えれば、私たちは今一度、その偉業にあやかって令に律し、和を以って急激な変化を遂げる混迷の時代を乗り越えていくべきではないかと思うのです。そんな新たな時代に向けての心構えを私なりに考えて整理してみました。
「令」という字を辞書で調べて見ると①いいつける。命じる。いいつけ。との定義がはじめに書かれています。決まり事、ルールを守りつつ、和を以て貴しとなす、聖徳太子が定めたとされる世界最古の律令政治を司った17条憲法への原点回帰という意味が実は込められていると勝手に想像を膨らませています。聖徳太子の大きな功績の一つに「日出る処の天子、書を、日没する処の天子に致す。恙なきや。」と書簡を送り、隋の冊封体制から離れて対等の関係を構築したことがあります。安倍総理は平成時代に戦後は終わったと口にされましたが、新しい時代では対外的にも毅然とした態度を取る意思表示もあるのかも知れません。

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新しい時代に合った元号。

この度日本では新しい時代を迎え、元号が改まりました。と同時に、世界は今まさに急激な変化を遂げており、狩猟生活を送っていた人類が農業革命、工業革命、サービス革命と、これまでその生業の中心を変化させてきた進化をこれまでにない位に加速させ、IT、情報革命はこれまでとは全く違う世界に私たちを誘っています。そんな現代において人間として令を尊び、和を以て社会を形成するのは非常に重要だと思うし、その意味ではとても良い元号になったのではないかと思っています。誰もが常時カメラを持ち歩き、世界に向けて情報発信できる昨今、あらゆる情報が白日のもとにさらされるようになりました。私たちは法治国家に暮らす以上、法令遵守は基本中の基本ですが、今のネット社会で炎上している事例を見ると、単に法律を破って非難を浴びるだけではなく、人としての「あり方」を問われていることが少なからずあると感じます。象徴的だったのは、舛添元東京都知事が退任するときに口にされた言葉で「適法だけど、不適切」と言いながら退陣に追い込まれたのには今の時代の特徴が集約されているのではないでしょうか。

令和の時代の歩き方。

そんな令和の時代を生き抜くために必要なのは、法に縛られなくても正しい道を進みたいと思う原理原則に基づいた人として適切な判断を積み重ねること、人に向き合い、調和を重んじることではないか、なんて思います。私は職人上がりの工務店経営者で、「一般社団法人職人起業塾」なる建築実務者向けの研修を行っている関係で、職人目線の現場寄りの話をするからか、元請け建築会社主催の協力業者会の講師として講演を依頼されることが非常に多くあります。全国で講演していていつも思うのは、本当に業績が良い会社は工事品質へのこだわりが強く、同時に協力業者さんとの関係強化に心を砕いておられることです。元請け、下請けと言う関係ではなく、業者会の参加企業を真のパートナーだと言われる会社ほど、当然、多くの職方が関わる建築現場での工程の流れもスムースになり、次工程を考えた工事を全員が意識的に行えば、工期は短縮され品質も利益率も顧客満足も高まるに決まっています。まさに和を以って「高し」となす。です。ここ近年、業者会の内容を見直して押し付けでは無い情報提供や、ディスカッションの場を持つ会社が増えています。この流れを後押しするかのように、今までの延長線には無いこれからの時代を生き抜くヒントを、新元号が密かに教えてくれているのではないかと思った次第です。私も自社のスタッフ、協力業者会のメンバーとの協業を加速させ、良心に素直に向き合い、和を乱さぬように心がけて参ります。令和の時代も引き続きよろしくお願いいたします。

 

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