こうした作業の煩雑さを考えると、天井断熱はブローイングとするほうが圧倒的に施工性はよい。特に既存の断熱材を生かそうとすると、その上から降り積もらせるだけでよいので、施工は非常に楽である。
天井断熱にブローイング(吹き込み)を採用する場合、材料単価はマット系グラスウールよりも高いが、作業は単純で短時間で終わるので、費用的にはほぼ相殺される。ブローイング用の断熱材はグラスウールでもセルロースファイバーでもよいが、後者のほうが若干高価だ。断熱厚は関東であれば200㎜厚が目安になる。夏場の暑さ対策を重視する場合、あと50㎜吹いてもよいだろう。
ある程度棟数が見込める場合、自社でセルロースファイバーの施工を手掛ける考え方もある。この方法だと、価格的にはマット状のグラスウールを用いるより安価になる。ただし倉庫が必要となるので街なかの会社には向かない方法だ。
セルロースファイバーは降り積もらせることで確実に隙間に充填されるので小屋裏の断熱改修に向く
小屋裏はさまざまな部材が密集しているので、マット系のグラスウールだと施工に苦労する現場もある