住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は「建替えと戸建リノベーションの価格について」ということです。
結論から言いますと、家の価格ではなくて済むまでに掛かる費用を考えて家づくりを進めましょうということです。
例えば、43坪の家を解体して43坪の新築に建替える場合に、どれくらいお金が掛かるかというと。
一番最初に解体工事が入ります。解体工事はだいたい150万円くらいですね。機械で解体することになります。
あと地盤改良工事が必要になります。地盤改良が必要じゃない地域に関しましては、基礎をベタ基礎にして強度を上げて、本体工事価格に含めていくというやり方をしているところも多いです。
地元の工務店さんは、43坪の家の本体工事価格を2650万円くらいの金額になるんじゃないでしょうか。
住宅メーカーさんですと、これが3870万円くらいになってきます。
また、ローコスト住宅は2000万円を切るような金額が最初に出てくるんですけど、あとで別途工事というもの、土地が決まらないと出てこない宅外配管工事などで、どんどん金額が上がっていくということになります。
エアコン、カーテン、造り付け家具などは、戸建リノベーションでも同じにかかります。
あと外構工事です。新築の場合は機械解体ですので、庭も全部ダメになります。そうするとこの分の費用も掛かってきます。
そうなると2650万円だったものが3350万円に膨れ上がってくるということになります。
一方、戸建リノベーションは解体工事を人の手で壊しますので、この費用が掛かりますが、本体工事費に含まれます。
この本体工事費も、柱や梁を既存のものをそのまま使えばだいたい2550万円くらいで済むんじゃないかと思います。基礎や屋根も既存のものを使う場合が多いです。
でも、これで終わりじゃありません。実はもう一つ大きな違いがあります。何かというと税金ですね。
新築の場合は登記のやり直しになりますので、登記費用が掛かります。43坪ですとだいたい16万円くらいです。
あと不動産取得税ですね。これは軽減されるわけですけど、8万円くらいは必要になってくると思います。
固定資産税も、最初の3年間は軽減されますので、建物だけで8万円くらい。ただし、4年目以降は通常設定の16万円になり、毎年目減りしていくということになります。
そうしますと、25年の間に200万円くらいの税金を払うことになります。
戸建リノベーションに関しましては、増築が無い場合はこの登記費用がかかりません。ただし、名義変更がある場合は、持ち分登記や抵当権の登記が必要になったりします。
不動産取得税は、建物の大きさが同じであればかかりませんし、固定資産税も元々あった家の固定資産税がそのまま引き継がれることになります。
名義が変わらない場合は、現状維持になります。
そうしますと、建替え金額の3350万円に200万円を足した金額になりますので、3550万円になります。
つまり、1000万円の差額が高いか安いかというところで、建替えになるか戸建リノベーションになるかの選択肢になります。
やはりこの1000万円の差額が高いと思えば戸建リノベーションになるでしょうし、いや1000万円であれば新築の方が良いとなれば建替えになってきたりするわけです。
この考え方は皆さん様々ですので、皆さんで考えて頂ければと思います。
今回のお題は「建替えと戸建リノベーションの価格」についてでした。
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以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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