vol.03 座堀りの深さは施工要領書通りである

2019/07/3109:22222人が見ました

チェックタイミング ~後戻りのできない「10工程」~

チェック項目

今回のピックアップ項目は、「座堀りの深さは施工要領書通りである」です。

現場品質コンサルタントの目

土台は構造耐力上主要な部分です。同じ構造耐力上主要な部分である柱や横架材には「欠き込み(断面欠損)」に対する基準が法令で定められていますが、土台には明確な基準がありません。アンカーボルトの穴のあけ間違い、設備配管の貫通、アンカーボルト固定部分の深堀などで土台に断面欠損がある場合は、構造上の問題があるかを判断するのは設計者。しかし、木造住宅工事現場では、そこまでしっかりチェックし問題がないことを確認している設計者は少ないのが現状です。 第三者監査をご採用いただき品質向上のための取組みをしている住宅会社様は、この基準の存在しないグレーゾーンにしっかりメスを入れ自社基準を定め、設計・現場監督・協力業者が共通認識をもち施工を行っています。

施工不備によるリスク

木造軸組工法の住宅に外力(地震や台風等)がかかった際、土台は耐力壁が負担する水平力を伝え基礎へ逃がす働きがあります。そのため力を伝える土台の断面に欠損があると小さな断面に力が集中するため材料にかかる負荷が大きくなり、結果土台が損傷し建物の倒壊へつながる恐れがあります。「防腐・防蟻の耐久性を上げる対策はしっかりしているにも関わらず、安易に穴をあけ材料の強度を下げていることが多い土台工事。建物の倒壊や「人の命」に関わる、重要な工程であることの認識が必要です。

解説

スクリューワッシャの座堀り深さの問題を含めた、土台の断面欠損が危惧されるとなる代表的5事例をピックアップしてご紹介します。

■座堀りが深い・大きい
スクリュータイプの座金を用いる場合は、基本的に土台には座堀りを行わずに締め付けを行います。この現場では、①基礎のアンカーボルトの高さ設定に不備があり深く座堀りをしなければならなかったことと、②必要以上に大きなサイズで座堀りをしてしまっていることが問題点です。基礎の施工精度を高める改善が必要です。

■穴のあけ位置の間違い
墨出しのミス等によって穴あけ位置を間違えている現場です。大工さんの単純なミスの場合もありますが、基礎の精度が悪い、設計図書不整合などが原因の場合もあります。こちらの場合は、土台を交換等で対処することは可能です。単純なミスではなく根本的な部分に原因がある場合は改善が必要です。

■アンカーボルトを通す穴が大きい
こちらは見ることのできる時間が短いため、気づきにくい事例となります。アンカーボルトを通すための穴が必要以上に大きい事例です。土台の強度的な問題に加え、土台と基礎との緊結力が十分に発揮できない恐れがあります。使用する金物メーカーが推奨する穴のサイズがあるということを知らない場合がありますので情報をしっかり職人へ伝える必要があります。

■土台の節
節抜けや死に節なども強度が落ちる原因になります。品質の悪い材料を納品させないようにすることはすべきことですが、コンサルティング会社の意見としては、品質の悪い材料が納入されてもそれを使わないという現場体制をしっかり築くことの方が大事ではないかと思います。

■■設備貫通
電気・ガス・水道の配線・配管が土台を貫通している事例です。住宅品質向上の取組みを行っている優良ビルダーでは、欠損を作らない施工が大前提ですが、貫通部をつくらなければならない場合のルールとして、穴あけのサイズや位置などの基準をしっかり定めています。

構造計算上で問題がなければ、強度的な面では土台の欠き込みは問題ありません。しかし現場の職人さんがそのあたりを判断をすることは難しいことですので、設計図書への落とし込みや基本的なルールを決めるなどの対策を品質向上に取り組む家づくりの為には必要なのではないでしょうか。

 

 

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