III章:BIM を使った家づくり

2018/11/1914:041422人が見ました

I章で、私は BIMで木造住宅の設計業務を行っているということを申し上げた。

私は業務の中で、工務店の皆さまと一緒に「家」を考え、カタチにすることを行っている。もちろん BIM で設計しているので、我々が提案する建物は常に 3 次元で表現出来る。やはり建築業のプロ同士でも、建物の3次元モデルがあれば分かりやすいものだ。

BIM で家をつくっておけば、顧客へのプラン提案は全て3次元でプレゼンテーション出来る。図面だけでは分かりにくいインテリアも、アイレベルで視覚化し、分かりやすく提案出来るのである。

今回も動画を用意した。これは私が BIM ソフトで作成した、いわば「木造住宅の基本モデル」の様なものである。一度こちらを見ていただきたい。



見ていただいた通り、基礎や主要構造材、各種素材がこのモデルに含まれている。この基本モデルを、実際の要望や諸条件に応じて変更することにより、BIM モデルを一から組み立てることなく、必要最低限の作業で家づくりが出来るのである。さて、設計建物のモデルが完成すれば、次に必要なのは図面かと思う。次の動画を見ていただきたい。



これをまとめると、BIM で描かれる図面とは、3次元の建物モデルを 2 次元に表現を変え、設計者が適宜加筆等を行い仕 上げてゆくということが分かる。中には、梁寸法表記の様に、要素に特化したツールも多く存在する。これらを上手く使い分け、ミスなく合理的に設計を行えるのが BIM である。 最後に、BIM ソフトで作成した木造住宅のタブレットデータをご覧いただきたい。


こちらは新潟県の工務店、ナレッジライフ社様の住宅を BIM ソフトでモデリングし、スマートフォンやタブレットで閲覧出来るデータに出力したものである。これは営業や広報でも活用出来るよう、バーチャルのモデルハウスとして作成している。建物の 3 次 元データに加え、仮定プランや仕様を載せるなど、カタログとしても活用できるデータとなっている。 

■加子母子屋版はフリーでダウンロード可能です。下記 URL からダウンロードして下さい。

 https://bimx.graphisoft.com/model/39d1339b-2492-4b83-b016-b2a567d2f171

モデルハウスを建設していないが、自社の住宅商品を顧客にしっかり伝えたい。費用をかけてカタログを作成し顧客に渡しても、きちんと見てもらっているのか分からない。そんな時には、顧客にこのデータをカタログ代わりに渡すことも可能だ。我々も忙しい が、家を建てようと考えている方々も暇ではないはずだ。電車内や外出中にスマホを開いてもらえば、建物のモデルのウォークスルーを体感出来、更にカタログや性能表を付けることで、他社との差をつけることが可能だ。 

私は「住宅」に BIM を交え、ユーザー(顧客)とベンダー(建設会社)の「家づくり」が良くなるよう、変えてゆきたいと思っている。 これは「家づくり」のソリューションである。BIM はあくまでツールに過ぎないが、的確に活用することで新しい「家づくり」が見えてく ることを私は信じている。

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