住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は、「外壁のカバー工法」についてです。
結論から言いますと、まともな設計士なら外壁のカバー工法はすすめないだろうと思います。
外壁のカバー工法について説明します。
悪くなった外壁の上から、新しい外壁を貼るという工法です。
これがなぜ一般的に行われている工法かというと、今の外壁を剥がす費用がかからないので、安く抑えられるからです。
そのためにこのカバー工法というものが良く見かけられます。
けれども、このカバー工法にはいろいろと欠点があります。
まず、地震に弱くなります。
今の外壁の上に、また外壁を貼るわけですから、家の重量が重くなります。
ということは地震対策としてはあまりいいやり方ではありません。
そのために、軽い外壁材の金属サイディングなどが使われることが多いようです。
次に、下地の不具合を放置されるということです。
元々の外壁が凸凹しているのに、その上から新しい外壁を貼っても治りません。
元々の外壁のときは分からなかったんだけれども、新しい外壁を上から貼ったら、なにか歪んでいるように見えるということがあるのはそのためです。
元々が悪ければしょうがないですよね。
そのためにはやはり下地から治さなければなりません。
実は、このカバー工法の一番の問題点は内部結露です。
元々の外壁が傷んでいるのは、壁の断熱性能や施工が悪いことが原因になっていることがあるからです。
壁の中に湿気がたまっている状態のまま放置して、また上から外壁を貼ってしまうということは、悪いものを治さずに化粧してきれいにするだけということになります。
壁の中に湿気がたまるとどうなるかというと、木が腐ったり、断熱材にカビがはえてきます。
これは、家にも、住む人の健康対策にも非常によろしくありません。
ですので、1回外壁を剥がして確認することが一番大事になると思います。
このカバー工法は、早くて安いというのが特徴です。
ただし、家の老朽化は止まりません。
内部結露が起きていなくて、木も腐っていないということをしっかりと確認してから、外壁工事をしていただきたいと思います。
今回のお題は、「外壁のカバー工法」についてでした。
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以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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