一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は、「外壁 金属サイディング」についてです。
結論から言いますと、金属サイディングは防火性能に関しては劣りますが、メンテナンス性は非常にいいですね。
よく大工さんが自分の家を建てるときに、この金属サイディングがよく使われています。
やはり、良いものは良いということで選んでいる職人さんや大工さんが多いということでしょうか。
この金属サイディングは、一般的な板金外壁とはちょっと違います。
外壁素材として、この金属サイディングという規格がありますので、これについてお話します。
利点としては、表面の耐久性が良いということがあります。
金属製ですので、表面が凸凹になって悪くなるということがないのが大きな利点です。
あと、軽いということも利点です。
家の耐震性を考えると、軽い素材というのは非常に利点になります。
欠点としては、塩害には弱いということがあります。
海に近い地域ですと、あまり使われない材料です。
金属サイディングでも、ちょっと違ったステンレス製のものもありますので、塩害地域では、そういうものを選べばよいと思います。
あと、耐火性に関しては弱いです。
金属サイディングには耐火性がありませんので、金属サイディングだけで外壁を仕上げるのはちょっと怖いと思います。
また、戸建リノベーションですと和風デザインの外壁が必要になったりします。
元々の瓦屋根の家に新しい外壁を貼る場合、どうしても和風デザインになります。
金属サイディングは、洋風のものは種類が多いんですけど、和風のデザインが少ないために、なかなか使いづらかったりします。
また、金属サイディングの裏地には発泡剤が貼ってあります。
営業マンの方が、発泡剤が貼ってあるので、金属サイディングを使うと断熱性能も良くなると言って勧めているのを聞くと、ちょっと眉唾だなといつも思っています。
裏の発泡剤はあくまでも音止めです。
なぜかというと、外壁の裏に通気胴縁を設けて風を通すわけですから、金属サイディングを貼ることで、建物の断熱性能が上がるわけではありません。
あくまでも、雨やあられなどが外壁にあたる音を、家の中に伝えにくくするための材料ですので、そこは覚えておいて欲しいと思います。
コスト的なものをお話しすると、一般的な塗装品窯業系サイディングの場合、40坪の家で200万円くらいかかります。
金属サイディングですと、それよりも若干高くなります。
素材的にはそれほど価格は変わらないんですが、役物がたくさん必要になります。
素材、コーキング、貼り手間、役物を合わせると230万円くらいになります。
塗装品窯業系サイディングの1~2割増しくらいになると思います。
耐火性については、建物自体に耐火性のある面材を使って耐震性能を補っていれば、金属サイディングだけでもいいんですが、特に新築の場合、ただ単に外壁として金属サイディングを貼るだけでは確認申請は通りません。
別に、耐火工事が必要になって、下地に火に強いものを打ってから、金属サイディングを貼ってくださいということになります。
この耐火工事で約70万円くらい上がってくるのではと思います。
これは地域によって変わりますので、耐火工事が必要ない地域であればかかりません。
これらをよく見極めながら、金属サイディングを考えて欲しいと思います。
今回のお題は、「外壁 金属サイディング」についてでした。
YouTubeで動画をアップしていますので、興味がありましたらチャンネル登録をお願いします。
以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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