住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は、「外壁 近代漆喰」についてです。
あまり馴染みのない素材かもしれませんが、今非常に注目されています。
何が良いかというと、メンテナンス性が高いというところです。
あと耐震性、耐久性にも非常に優れています。
そういう部材ですので、少し勉強していきましょう。
どういう施工方法かというと、まず建物の外周りに面材を貼って耐震性能を上げます。
この面材ですが、通気性のある部材が一番いいと思います。
その後、発泡剤の下地を打ち付けます。
写真のように、発泡剤の下地を打ち付けたあと、その上にメッシュシートを貼っていきます。
メッシュシートを貼ると、建物が揺れたときにそれがしっかりと効いて、窓周りなどでの亀裂が起きにくくなります。
このメッシュシートをベースコートという素材でしっかりと固定していくのが大事です。
その後、漆喰を塗っていきます。
漆喰というと、昔からある漆喰を思い出すかもしれませんが、これはアメリカ製の材料ですので、和風というよりは洋風のデザインになります。
骨材が入っているので、凸凹しています。
凸凹していると汚れが付きやすくなりますので、表面にしっかりと撥水コートを掛けます。
そうするとホコリがついて汚れても、ホースで水洗いすることで汚れが落ちます。
長所としては、下地の発泡剤にメッシュシートを貼ることで、亀裂や割れを防ぐことができることと、撥水コートを塗ることによって汚れ防止をすることができるということです。
また、軽い外壁になりますので、耐震性にも非常に良いところです。
この、面材から外壁素材、ベースコート、仕上げの漆喰、撥水コートがすべて通気性があるので、壁内結露(内部結露)が起きにくいという利点もあります。
ただし、短所もあります、
これだけの工程がありますので、どうしても工期が長くなります。
特に、冬場にこの漆喰の外壁工事をしたりすると、天候に左右されて工程がズレ込む恐れがあります。
ですので、最初からそれらを見越した工程を組んだほうがいいと思います。
コスト的な面をお話しすると、一般的な塗装品窯業系サイディングですと、40坪の家で200万円くらいですが、漆喰の外壁の場合は250万円くらいになります。
やはりコストはアップします。
ただし、後々のメンテナンスを考えますと、漆喰の外壁もやる価値があるかなと思います。
また、戸建リノベーションで建物の築年数がかなり経っていたりすると、頑丈につくるだけではダメで、揺れて元に戻るつくり方というのも、設計のなかで非常に大事になってきます。
堅い外壁ですと、揺れて元に戻ったときに、どうしても亀裂が入ったり破れたりしますが、この漆喰の施工方法ですと、揺れても亀裂が入りにくいという利点があります。
今回のお題は、「外壁 近代漆喰」についてでした。
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以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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