住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は、「省エネ基準地域区分」についてです。
この省エネ基準地域区分というのは、日本各地でどれくらいの断熱性能が必要なのかというのを国が決めたものです。
地域によってどれくらいの断熱基準かというのを8段階に分けています。
ただし、これを基準にして家を建てると、新潟あたりでは寒い家になってしまいます。
建築基準法というのは、最低限守らなければならないという程度の法律でしかありませんので、これを基本として、後はどこまで断熱性能を上げていくのかということを考えていかないと、つくったはいいけど暑い・寒いということになってしまいます。
よく工務店さんがお客さんに、建築基準法通りですから大丈夫ですなんて言いますが、建築基準法は最低限度の法律です。
やはりそれぞれの地域に合わせて、暖かい家にしたいのであれば、それ以上の性能にしなければダメかなと思います。
この地図を見てもらうと分かるんですが、例えば関東圏の東京あたりは6地域になります。
また、群馬のあたりは5地域で、新潟と同じ地域になります。
関西圏の地域も同じ5地域だったりします。
関西で建てる家と新潟で建てる家が同じ基準でいいということになるわけです。
気温から考えればそうなるのかもしれませんけど、現実的には新潟には雪がふりますので、その雪対策ということも考えなくてはなりません。
また、関西では冬対策も必要ですが、夏対策の日射量をどうやって抑えるかということも、設計の大事なポイントになってきます。
ですので、国の省エネ基準地域区分ありきで家づくりをすると、必ず失敗します。
それぞれの地域の特色を考えて、省エネ基準地域区分を参考にしながら、どれくらい断熱性能を上げていけば快適な住まいになるのかということを考える必要があります。
例えば、エアコン1台で40坪の家を暖めるということになると、この基準ではなかなかそうはいきません。
家の性能の話を、工務店さんや設計者としっかりと話し合いながら決めていくということが大事です。
今回のお題は、「省エネ基準地域区分」についてでした。
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以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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