住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は、「小屋裏結露」についてです。
小屋裏結露とは何かというと、2階の天井よりも上の、屋根の三角の部分に結露が起きてしまうということです。
雨漏りだと思っていたら、実は小屋裏結露だったというケースが非常に多いです。
結露かと軽く考えていると、実は大変なことになります。
屋根は面積が広いですから、そこに一面に水滴が付くとどうなるかというと、水滴が壁の中まで流れていきます。
そうすると、雨漏りくらいの水の量になります。
小屋裏結露が起きると、まず分かりやすいのは、2階にいくとカビ臭いという現象が起こります。
そうなったら、まず点検口から中を覗いてみてください。
そして、屋根の裏側の部分に水滴やカビが生えていないかかどうかを確認していただきたいと思います。
小屋裏結露は小屋裏換気がどうなっているかという問題になります。
小屋裏換気は、三角の部分から風を通す妻換気や、三角の頂点の棟から空気を逃がすような棟換気などがあります。
また、後付けで換気扇を付けて空気を動かす機械換気もあります。
屋根の形状によっても、結露が起きやすい、起きにくいという違いがあります。
例えば、切妻のようなシンプルな屋根であれば、三角の部分から風を流す妻換気がやりやすいのですが、全部が屋根になっている寄棟の屋根は、風を流す部分がとりにくいので、小屋裏結露が起きやすくなります。
また、天井が平天井か、斜天井かによっても変わります。
何が大事になるかというと、天井の断熱がどうなっているかということです。
しっかりと断熱が効いていれば、部屋の暖気を小屋裏に逃がすことはないわけです。
断熱性能が悪いせいで、暖気が逃げて、小屋裏が暖まってしまうと、小屋裏で結露を起こすわけですから、ちゃんと天井の断熱が効いているかどうかがポイントになります。
特に、雪が降る地域では、屋根に雪が積もっている状態で、部屋の中をどんどん暖めることで、小屋裏まで暖まってしまうと、やはり小屋裏で結露が起きやすくなります。
風が動かなければ結露が起きやすくなりますので、断熱と換気がどうなっているかを確認していただきたいと思います。
小屋裏結露が写真のような状態になってしまうと、当然屋根は治さなければなりませんし、壁の中に水滴が入っていれば壁も治さなくてはなりません。
そのせいで外壁が傷んでしまっているケースもよくあります。
こうなると、専門家を交えてどうやって治すか、しっかりと対策を考える必要があります。
今回のお題は、「小屋裏結露」についてでした。
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以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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