プランは「今までの動作をより楽に」と考える

2018/11/1910:18132人が見ました

プランを考える際には、今までの動作をやりやすくするように考える。壁伝いに歩いていた家に手摺りを付けて移動を楽にする。そんなイメージだ。実際、長年住んだ家だと、柱に爪の跡があったり、壁に手あかが付いていたりする。よく観察すると建物に設計のヒントがあるのだ。

トイレ改修の場合、最初に今の使い方を再現してもらう。その様子から必要な開口寸法や扉の開き方、歩ける距離や必要な手摺り長さなどが判断できる。そうした場に高齢者の動きを熟知している医療や介護関係者が立ち会っていると、読み取れる情報の精度が高くなる。

難しいのが手摺りだ。横手摺りは大腿部あたりに設置するのが基本とされるが、実施は目的や身体状況で異なる。注意を下方に向けない方もいれば、脳障害などで上方にしか手を付けない方もいる。

一方、縦手摺りは、ある程度腕の力が必要になる。力が弱い方は、横手摺りのみを用いてプッシュアップで立つほうがいい。縦手摺りは片麻痺の方が洋服を脱ぐ際に寄りかかる場所でもある。この場合、手摺りの設置高さや出幅などが変わってくる。

体調によって最適な手摺りの位置が異なる方もいる。その場合は調子の悪いときに合わせる。事故はそうしたときに起こりやすいためだ。いずれにしても基本は、「いままでの動作をより楽に」ということになる。

便器はそのままで手摺りによる動作の改善のみを行なった例(写真提供:あいる)

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