こんにちは
ネクストプラスの戸谷です。
この連載では「中小工務店が自社ブランディングを確立して、行列のできる工務店になる方法」についてお伝えしています。
本原稿を書いている6月20日は外出自粛も解除され、街に人が徐々に戻ってきている段階です。
■出典|https://about.yahoo.co.jp/info/blog/20200617/bigdata.html
※とはいえ、まだ1月と比べると50~60%くらいの人出です。
大切な観点は、人は戻ってくるかもしれないが、人々の考え方や行動が一変している可能性があるということです。この変化に対応できるかできないかが、これからの生存戦略に大きくかかわってきます。
事例として、どの業界よりも早く大きな影響が出ている飲食業界の事例を紹介したいと思います。
一般的には大手チェーン店は閉店ラッシュで軒並み苦戦しているが、ファンがいる個人店には徐々に人が戻ってきていると言われています。そして多くのお店がテイクアウトやデリバリーに取り組んでいますが、ここでも明暗が分かれてきています。
単純に元からあったメニューをテイクアウトにしただけのお店はやはり苦戦しています。一方でこのピンチを機に、新たにテイクアウトやデリバリー用のメニューを開発してファンを増やしているお店もあります。
そして苦戦が報じられている大手チェーンの中でも、前年同月比で売上を伸ばしているお店があります。
代表的なのはマクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、モスバーガーです。理由は簡単で、接触のリスクが少ないドライブスルー需要の増加です。
3蜜を避けるこのトレンドは当面続くと考えられています。
この流れは建築業界にも当てはまりますよね。そこで今回の記事では新しい消費者心理の整理と、新しいサービスを紹介することを通じて、これからの工務店ブランディングにとって大切なポイントをお伝えしていきます。
【目次】
1:消費者心理の変化とポイント
2:無人で営業できる仕組みとの出会い
3:これからの工務店ブランディングに欠かせないこと
1:消費者心理の変化とポイント
先ほどもお伝えした通り、3蜜を避ける流れは一時の流行ではなく、当たり前の日常になるかもしれません。特に小さなお子さんがいる家族はその傾向が強いはずです。
当然完成見学会や集客イベントで多くのお客様を一気に集めて見込み客を増やす難易度は高くなります。人が大勢集まるところに小さな子供を連れて行きたくないですからね。
一方で一部の工務店では電話やホームページからの来場予約の問い合わせが増えています。個別案内なら安心という心理がこんなところにも表れてきています。
見学会も予約制にして、本気の濃い見込み客を集めて、一組一組ていねいに案内して、確実に次回アポにつなげていく。これがこれからの中小工務店集客の基本になりつつあります。
しかし「予約すると営業される」「ちょっと様子を見たいだけなんだけどなぁ」という住宅購入を考え始めたばかりの潜在顧客との出会いは難しくなります。結果として反響数は少なくなり、少ない反響もすでに競合がいるので契約率を維持するのは難しくなります。
ここまでの内容をかんたんにまとめると、
・3蜜を避けるために大勢の人が集まる場所にはいかない
↓
・完成見学会などのイベント来場者は劇的に減る
(特に家づくりを考え始めた潜在顧客との出会いがなくなる)
↓
・一方で本気で建築を考えている濃い見込み客は、直接問い合わせをしてくる
↓
・次回アポは取りやすいが、競合が多く、契約することはむずかしい
ということになります。
この問題を解決する最大のポイントは「3蜜を避けたイベントを開催して、家づくりを考え始めた競合がいない潜在顧客も集客する」ことです。
ではどうすれば実現できるのでしょうか?
そこで次の章である商品を紹介します。
2:無人で営業できる仕組みとの出会い
これから紹介する商品の原型を私が初めて知ったのは、新型コロナウイルスが広がる約一年前の2019年春でした。千葉県君津市を拠点に住宅販売をしている株式会社サンエーの大平取締役が、弊社主催のセミナーに参加されて直接お話をする機会をいただいたのです。
その時の会話の一部を紹介します。
「うちはIoTの仕組みを使って無人でモデルハウスをオープンしているから、勝手に新規顧客が集まってくるんですよ。」
「冷やかし客の相手をしなくて済むから、とっても効率よく営業できています。」
「お客様も気軽に内覧してくれるみたいです。定休日の火曜や水曜も反響を獲得できています。」
「IoTに対応しているということで、以前の無人モデルハウスは売却もスムーズでしたし、技術力があるというブランドイメージも徐々に浸透してきている気がしています。」
この話を聞いてピンときた私は早速アポを取って、実際に無人で運営されているモデルハウスを見学させてもらいました。そしてすぐに「これは私のクライアントさんに紹介しなければ!」と思ったのです。
ちなみに後で知った話なのですが、営業2人で年間33棟の受注を実現しているそうです。この営業効率の高さは非常に魅力ですよね。
※取材されました。
出典|日経トップリーダー(2020年6月号)
実は2019年の夏から、この仕組みをパッケージ化して、全国の工務店に紹介するプロジェクトが立ち上がりました。今回は私も立ち上げメンバーとして参画しました。そしてまさにこれから最初の商品説明体験会の集客を始めようとしたタイミングで新型コロナウイルスが発生してしまったのです。
もちろん説明体験会は中止にしましたが、サンエー社では3月も4月も無人モデルハウスはいつも通り営業を続けていました。その結果、外出自粛期間中にもかかわらず月に15組を超える来場があったそうです。
※取材されました。
出典|月間スマートハウス 2020年6月号
この現実を目の当たりにして、私のクライアントに個別にご案内をしました。その結果、いま売り上げを伸ばしている工務店は皆さん前向きに検討していただき、モニターとして参加してくれることになったのです。
そして6月に1現場、7月に2現場、8月に2現場、千葉、大阪、青森で無人モデルハウスがオープンすることになっています。さらに約10社と秋以降のオープンに向けてこれから打ち合わせを進める予定になっています。
3:これからの工務店ブランディングに欠かせないこと
今の30歳前後のゆとり世代のお客様は、営業されることを嫌います。学生の時からインターネットが当たり前で、自分で検索して比較検討するのが当たり前です。さらに企業や営業の言葉よりも、ネットの書き込みや口コミの情報をより信頼する傾向があります。
これは新型コロナウイルスが広がる前から起きていた変化です。だからこそ営業されることなく建物を自由に内覧できる無人モデルハウスはコロナの前からお客様の支持を集めて、サンエー社の高効率の営業が実現していました。
コロナはこの流れを加速させたにすぎません。何かが起こってから行動するのではなく、常にお客様の心理や行動を先読みして先手を打ち続けることが求められています。
その姿はお客様の目にも映っているはずです。特に30歳前後の若いお客様は、昭和や平成の価値観やサービスのままの工務店と、いつも改善と新しい取り組みにチャレンジしている工務店のどちらを選ぶでしょうか?
答えは明確ですね。何も『無人モデルハウス』である必要はありません。
しかしあなたの会社がコロナの前と同じことを続けている間に、競合他社は新しい取り組みをしているかもしれません。それがすぐには業績に反映されないかもしれません。
でもその新しいことにチャレンジ姿勢が、特に若い世代の支持を集めている可能性は非常に高いです。外出自粛が解除され、一つの区切りを迎えた今、これからどんなことに取り組んでいくのか。ぜひ社内で真剣に話し合ってください。
消費者は今まで以上に会社の姿勢や行動を厳しく見ています。でも、だからこそブランドを構築するチャンスでもあります。ぜひ新しい取り組みをしてください。それがこれからの生存戦略の基本です。
■ご案内■
今回紹介した『無人モデルハウス』ですが、説明会を再開しています。現地で無人モデルを体験することもできるし、まずはオンラインで詳しい話を聞きたいというご要望にもお応えしています。
詳しくはこちらのページをご確認ください。
http://ylanding-p.com/production/muzin-yoyaku01/
基本的に各日程1社限定、無料でのご案内、ご説明となっております。
日程が合わない場合は備考欄にご希望の日時を記入してお申し込みください。