皆さま、こんにちは。
LoIRO. (ロイロ)鈴木あゆみです。
建築『色』知識。
本日、「加齢と色彩2(照明)」についてシェアしたいと思います。
基本的な内容はぜひ以前の「加齢と色彩」をご覧ください。
https://chikalab.net/articles/151
さて、問題です。
”高齢者に照明を提案する時に特に注意するポイントを以下の3つの中から選んでください。”
1.内装の色み 2.光の色み 3.部屋の明るさ
どれも当てはまりそうですよね。 そうです。どれも当てはまるのですが「特に」という場合・・・
答えは「2」です。
「1」や「3」も、もちろん重要です。
ですが、高齢者の方の場合、長年親しんで慣れている光の色みを、
例えばずっと蛍光灯の光で暮らしてきたものを、急に部屋の用途や雰囲気に合わせて
電球色にした場合、どうなるでしょうか。
落ち着くと思って選んだ照明が、かえって落ち着かなかったりストレスになったりしてしまいます。
きちんとしてヒアリングを行い、光の色みを選択することが重要です。
また、「明るさ」も気になりますよね。
20歳の眼で見た紙面と65歳の眼て見た紙面はだいたい下記ほどの違いがでるようです。
(参考:ライティングコーディネーターテキスト)
『住宅のJIS照度基準と高齢者の推奨照度 』によると
リビングや廊下等の全般照明は30~100ルクスを必要照度としているのに対し、
高齢者の場合には50〜150ルクスとなっています。
つまり、こういった全般照明については従来通りの照明計画で問題なさそうです。
ただし、気にすべきは局部照明です。
一般に読書に必要な照度は 500〜1000ルクスとなっていますが、
高齢者の場合には600〜1500ルクス。
上のシミュレーションを見ても、明るさの感度はだいぶ落ちることがわかりますので
スタンドライト等で3倍以上の 明るさがとれるようにした方がよさそうですね。
本日は以上です。
LoIRO.(ロイロ)鈴木あゆみでした!