【災害×建設会社#02】なぜ、災害後の工事は遅れるのか? ~千葉県の事例から~(9/21時点)

2020/09/2514:29575人が見ました

ConTech総研の髙木です。

昨年9月に千葉県に大きな被害をもたらした台風15号・19号。住宅の一部損壊は7万棟に上りました。

千葉県では被害を受けた住宅の修理に関し、独自の公費補助をしていますが、1年が経過した今でも、修理が完了したのは申請件数の6割に留まっています(それでも2.4万件の申請に対し、1.5万件の工事が完了していますので、凄い数ですし、現場の工事会社が苦労しているのは間違いありません)

ではなぜ、災害後の工事は遅れるのでしょうか?

 

現場では何が起こっているのか?

まず千葉県の公表資料は以下の通りです。

 

※千葉県公表の会議資料より

こちらには、地元の工事業者への修繕工事の依頼が集中し、着工が遅れている地域があることから、地域外の工事業者を紹介する「被災住宅工事相談窓口」の活用を案内しています。と記載されています。

 

これはどのような状態なのか。この事象を整理したのが以下の図です。

つまり、課題は以下2点です。

①地縁:地元以外に協力会社の接点が無い

②情報:ホームページなどのIT化、精度の高い情報公開の遅れ

建設業が抱えている課題が、そのまま工事の遅れにつながり、それが地域住民の流出にまでつながっているのが現実です。

 

復旧の核になる地元工務店と広域連携

7月の熊本の豪雨災害では、これまでの災害の教訓を活かし、地元の工務店が「復旧の核」になった事例がありました。県外の工事会社を集め、地元との混合チームで復旧に当たったそうです。

鹿児島のある工務店では、電話でこれまでの施主(OB顧客)に被害状況確認スタッフが県内各地を回って応急処置の形で丁寧にフォローを行っています。一方で、「別のハウスメーカーは一切フォローが無かった」という声もありました。

前回記事でも触れた仙台の建設業協会では、東日本大震災の教訓を踏まえ、浜松の業界団体と連携協定を結ぶなど、地域を跨いだ広域連携の動きが始まっています。

 

コロナ禍で受注が減る中、「様々なネットワークを駆使し、復旧の核になる工務店」になれるかどうかが今後の経営のポイントになると考えられます。

 

さらに詳細は、弊社以下リンクもぜひご確認下さい。

https://note.com/cri/n/n1cfe68be3780

 

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