ConTech総研の髙木です。
昨年9月に千葉県に大きな被害をもたらした台風15号・19号。住宅の一部損壊は7万棟に上りました。
千葉県では被害を受けた住宅の修理に関し、独自の公費補助をしていますが、1年が経過した今でも、修理が完了したのは申請件数の6割に留まっています。(それでも2.4万件の申請に対し、1.5万件の工事が完了していますので、凄い数ですし、現場の工事会社が苦労しているのは間違いありません)
ではなぜ、災害後の工事は遅れるのでしょうか?
現場では何が起こっているのか?
まず千葉県の公表資料は以下の通りです。
※千葉県公表の会議資料より
こちらには、地元の工事業者への修繕工事の依頼が集中し、着工が遅れている地域があることから、地域外の工事業者を紹介する「被災住宅工事相談窓口」の活用を案内しています。と記載されています。
これはどのような状態なのか。この事象を整理したのが以下の図です。
つまり、課題は以下2点です。
①地縁:地元以外に協力会社の接点が無い
②情報:ホームページなどのIT化、精度の高い情報公開の遅れ
建設業が抱えている課題が、そのまま工事の遅れにつながり、それが地域住民の流出にまでつながっているのが現実です。
復旧の核になる地元工務店と広域連携
7月の熊本の豪雨災害では、これまでの災害の教訓を活かし、地元の工務店が「復旧の核」になった事例がありました。県外の工事会社を集め、地元との混合チームで復旧に当たったそうです。
鹿児島のある工務店では、電話でこれまでの施主(OB顧客)に被害状況確認⇒スタッフが県内各地を回って応急処置の形で丁寧にフォローを行っています。一方で、「別のハウスメーカーは一切フォローが無かった」という声もありました。
前回記事でも触れた仙台の建設業協会では、東日本大震災の教訓を踏まえ、浜松の業界団体と連携協定を結ぶなど、地域を跨いだ広域連携の動きが始まっています。
コロナ禍で受注が減る中、「様々なネットワークを駆使し、復旧の核になる工務店」になれるかどうかが今後の経営のポイントになると考えられます。
さらに詳細は、弊社以下リンクもぜひご確認下さい。
https://note.com/cri/n/n1cfe68be3780
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