2019年以降に「勝ち残る」工務店、「消える」工務店のたった1つの違いとは?

2019/01/1216:07864人が見ました

こんにちは
ネクストプラスの戸谷です。

今回も「中小工務店が自社ブランディングを確立して、行列のできる工務店になる方法」についてお伝えしていきます。

現在『ブランディング カレッジ』という連続研修を行っています。この研修は自社ブランドのつくり方を学ぶためだけのものではありません。

講師陣にはデザイナーも入っていて、ロゴ、名刺、チラシ、パンフレット、看板などの制作物も一緒に作っていきます。さらにはセールスステップやマーケティングのスケジュールなど、社内の仕組み化まで一気に手に入る研修です。


研修費は決して安くはないのですが、受講者から「めちゃくちゃ価値がありますね!」と言っていただいています。

今回はこの研修でお伝えしている内容をちょっと公開いたします。


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【目次】

1:私が尊敬するブランド作りの第一人者から学んだこと

2:ブランド作りに欠かせない「氷山理論」とは?

3:人気ラーメン店に学ぶブランディングのポイントとは?

4:ブラディング出来ていない会社の末路(売上以外)
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【1:私が尊敬するブランド作りの第一人者から学んだこと】

ブランドに関する名言はたくさんあります。いくつかご紹介します。


「ブランド化がされていないならば、その商品はコモディディにすぎない」

これはアメリカの経営・マーケティング学者フィリップ・コトラーの言葉です。ブランド化できていなければ、競合商品と同じだと判断され、価格競争に巻き込まれてしまうということです。


「ブランドというのは、経営してきた人のヒストリーであり、無数のライフの積み重ね」

こちらはコピーライターとして有名な糸井重里さんのブランドの定義です。確かにおっしゃる通りではあるけれど、中小工務店においてはちょっと難しいと感じる部分があります。


私が尊敬しているブランドづくりの第一人者に佐藤可士和さんがいます。

「ユニクロ」「セブンイレブン」「ツタヤカード」「楽天」など、誰もが知る企業のロゴデザインからブランディング戦略を手掛けている日本を代表するクリエイティブディレクターです。

      


佐藤氏はブランドの定義を「社会の中で、その企業や商品のキャラクターをはっきりさせてポジションを取ること」と述べています。


そして「ブランディング=本質的価値×戦略的イメージコントロール」という公式を提唱しています。

「本質的価値」とは

 お客様が本当に価値を感じるもので、他社にはないもの

 例:ヒアリング力・提案力・製品品質・アフター・信頼・人間力など

「戦略的イメージコントロール」とは

 本質的価値をお客様に伝える戦略や戦術

 例:ホームページ、チラシ、看板、ロゴ、商品、業者会、地域への貢献など


佐藤さんは「良いものをつくれば売れる時代は終わった。届け方を考えなくてはいけない」と指摘しています。さらに、

「ブランディングとは「認知」「理解」「好感」の3段階で進んでいく。この最初の「認知」のステップが難しい。だからと言って目立てばよいという訳ではない。本質的価値が伝わらなければ、後々困るだけ。地味であっても本質的価値を伝える努力を我慢強く続けるべきだといいます。私もまったくその通りだと思います。

 

【2:ブランド作りに欠かせない「氷山理論」とは?】

私がブランドの説明をするときに使うのが「氷山理論」です。

簡単に言うと氷山のように「目に見える部分」はその一部であり、(海の中にある)「目に見えない部分」の方が大きく重要であるということです。つまり

「目に見えない部分」=「本質的価値」

という訳です。ここでいう「目に見えない部分」とはお客様から見えない部分と理解してください。そして重要度に応じて階層になっています。

一番重要なのが「経営理念(コンセプト)」であり「本質的価値」です。そこをベースにスタッフの「行動指針」が策定され、お客様に正しく商品・サービスを届けるために「事業形態」「システム・仕組み」がつくられていきます。

これらの「見えない部分」にもとづいてホームページ、チラシ、看板、ロゴ、商品、といった「目に見える部分」でお客様に「認知」してもらうのです。そしてここが「戦略的イメージコントロール」にあたる部分になります。

つまり「目に見える部分」=「戦略的イメージコントロール」であり、氷山全体ではじめてブランディングがつくられているのです。


【3:人気ラーメン店に学ぶブランディングのポイントとは?】

車で通るたびに駐車場が満車のラーメン屋が千葉にあります。そのお店は「味噌専門」のラーメン屋です。

商品自体は「信州味噌」「九州麦味噌」「北海道味噌」と味噌ごとに多数あります。このような商品構成やお店のつくりが「目に見える部分」ですよね。

では「目に見えない部分」はどうでしょうか。お店のホームページを見ると、

日本古来の健康食である味噌を食する機会を提供することで、一人でも多くの方に健康な毎日を送っていただきたい。そんな想いでつくった、味噌らーめんの専門店です。

と書いてありました。この想いがあるから味噌ラーメンしか出さないのです。

しかし「醤油やとんこつラーメンを食べたい人もいる。味噌に絞ったらお客様が少なくなるのでは?」と思う人もいるかもしれません。

実際はどうなのでしょうか?ちょっと考えていきましょう。


まず味噌ラーメンが好きな人は真っ先に来店しますよね。これは分かりやすいと思います。

次にラーメンを食べたいと思った人はどうでしょう。どのお店に行こうかを考えたときにパッと思い浮かぶのは「おいしいお店」か「特色のあるお店」のどちらかです。「おいしくて特色があるお店」だったら勝ったも同然です(ちなみに紹介しているお店が該当します)。

つまり特別味噌ラーメンが好きな人ではなくても、その他多くのお店よりも選ばれる確率は格段に高くなります。しかも今はFacebookInstagramの口コミが重要な告知媒体になっている時代です。


「味噌ラーメン専門店に来ました!うまそー!!」と口コミしやすいのもポイントです。分かりやすい、他にはないちょっとした違いが口コミを発生させるからです。

しかもお店側でも

・味噌ラーメンだけだから仕入れも仕込みも簡単でロス管理もしやすい

・新しいスタッフもすぐに覚えることができる(ホールも調理も)

といったメリットがあります。

これを工務店に置き換えて考えてみると、

・同じ部材や住設を数多く入れることになるので、価格交渉しやすくなる

・使い慣れた部材や住設を使って、決まった工事を行うのでミスが少なくなる

・営業も工務も覚えることが絞られるので、短期間で一人前に成長できる

・分かりやすく口コミ(SNSの投稿含む)が発生しやすい

といったメリットがあります。

 

【4:ブランディングできていない会社の末路(売上以外)】

実は売上のメリットだけではありません。

1980年代~2000年代に生まれた世代を「ミレニアル世代」と言います。この世代は住宅を購入する世代であると当時に、労働者としても中核を担う世代です。彼らは若ければ若いほど、肩書や年収といった4050代が魅力に思うことに価値を感じません。

子供のころから不景気でITバブルの崩壊やリーマンショックを通じて、倒産やリストラなどを目の当たりにしてきました。そして9.11の同時多発テロや3.11の大震災などから、自分のことも大事だけど自分の身近な人たちの幸せをより大切に感じるのが特徴と言われています。さらにSNSを通じて友だちや身近な人たちとの共感や評価を重視する意識も強いのが特徴です。

いくら「年収や昇進のしやすさ」をアピールしたところで、採用募集に応募してくれません。それよりも「会社のミッションやビジョン」「社会貢献性」「ワークライフバランス」といった仕組みが重視されます。

お客様だけでなく働く人からも「目に見えない部分」=「本質的価値」で会社が選ばれる時代に突入しているのです。

つまりブランディングできていない会社は

・お客様から選ばれない = 売上が上がらない

・若い労働者から選ばれない = 会社の成長と存続が不可能になる

という未来しかないのです。


人口減少や外国人労働者問題、消費増税や東京オリンピック後の経済状況を考えると、今ならまだ間に合います。ブランドの重要性が高まっていく時代の対策は大丈夫ですか?



<追伸>

今回お伝えした中小工務店のブランド作りに関する特別セミナーを約5か月ぶりに開催します。

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