四号建築物の仕様規定 8項目の仕様ルール③「屋根ふき材等の緊結」「土台と基礎の緊結」

2021/04/2810:143019人が見ました

 M's構造設計・構造塾の佐藤実です。チカラボ版「構造塾」の第14回です。前回までは基礎の仕様の解説でしたが、今回から次の8項目の仕様ルールに移ります。今回は「屋根ふき材などの緊結」および「土台と基礎の緊結」です。

 

 

8項目の仕様ルール

④基礎の仕様

⑤屋根ふき材等の緊結

⑥土台と基礎の緊結

⑦柱の小径等

⑧横架材の欠込み

⑨筋かいの仕様

⑩火打材等の設置

⑪部材の品質と耐久性の確認

 

屋根の仕様について

 ⑤屋根ふき材等の緊結(令第39条)

屋根ふき材等の緊結方法は令第39条および昭和46年建設省告示第109号に規定されています。屋根ふき材等の緊結は、風や地震による屋根ふき材等が飛散または落下を防止するために緊結方法が規定されています。一般的に屋根ふき材については屋根ふき材の種類ごとにメーカーより安全な緊結方法等が提案されています。これらに基づき、施工してください。

 

⑥土台と基礎の緊結(令第42条)

土台と基礎の緊結は令第42条に規定されています。しかし令第42条では「土台は、基礎に緊結しなければならない」とのみ規定されているだけで、具体的な緊結方法はありません。一般的に土台と基礎はアンカーボルトで緊結しますが、アンカーボルトの具体的な配置については住宅金融支援機構の「木造住宅工事仕様書」が参考となります。

 

 

 

アンカーボルトの目的と必要な仕様を理解しよう

  

 アンカーボルトの主な役割は、木造住宅に作用する地震力や風圧力などの「水平力」を基礎に伝達するために必要となります。

 わかりやすく説明すると、地震により木造住宅には横方向へ押されるような力が作用します。この木造住宅を横に押す地震力で基礎からずれたり落ちたりしないように、アンカーボルトが必要となります。また、もう少し小さな視点で見ると、耐力壁に地震力や風圧力が作用すると、耐力壁両側の柱の脚部に浮き上がりが発生することがあります。この柱脚の浮き上がりを抑えるためにも、アンカーボルトは必要となります。


 また、アンカーボルトには配置の他に「埋め込み長さ」も重量です。アンカーボルトには、一般的な土台を緊結するものとしてM12、ホールダウン金物用としてM16が使われます。

 アンカーボルトの種類ごとに埋め込み長さの基準があるので覚えておきましょう。 

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