[第13回] 説明が入ってこないのはなぜ?

2021/05/3114:26454人が見ました

 M's構造設計、構造塾の佐藤実です。チカラボ版「伝え方&聞き方」講座の第13回です。

 

 伝え方でついついやってしまうことは「説明」です。説明することは大切なのですが、実は伝わりにくいことが多いのです。

 例えば、激辛ラーメンの辛さを伝えるとき、ニュースキャクターのように詳細に説明してしまうことがあります。

「こちらの激辛ラーメンは唐辛子が通常の10倍、山椒も通常の5倍使っています。よって、普通のラーメンに比べ、とても辛いラーメンです」

 とても的確な説明なのかも知れませんが、激辛ラーメンの「辛さ」は、リアルに伝わってこないかも知れません。

 一般の方に伝える場合は(そのケースが圧倒的に多いと思いますが)この「リアルに伝える」に注意しないといけません。

 

 まずはリアルな体験談で伝える

 

 この説明に比べ、リアルな体験は伝わります!

「この激辛ラーメン、食べてみたけど、もう、半端ないんです! 涙は出るは、鼻水は出るは、とても食べられるレベルじゃありません!!」

 こちらのほうが、辛さが伝わりますよね!

 この、体験によるリアルな表現の後に、詳しい説明があると「激辛ラーメン」の情報が深く伝わります。

  つまり伝えるときは、順番が重要なことがわかると思います。

 

 これ、住宅の断熱性能に置き換えると「性能の説明」の前に、「快適さ(体験談)」を伝え、その後に(この快適さが得られる)「性能の説明」を行う順番です。

 ついつい性能の説明を先にしたくなるとは思いますが、ぐっと我慢しましょう。住宅の性能を伝えるために、まずリアルな体験談を話すことを意識してください。練習して、臨場感のある言葉を選びましょう。

 

一覧へ戻る