【第8回】現場の安全管理

2021/08/2310:05326人が見ました

 

 現場監督の仕事としてしっかりと理解していただきたいのが、現場の「安全」と「品質管理」です。最近は品質管理サービスなどが普及して、以前に比べると品質管理はおこなっているようです。しかし「安全」についてはきちんとおこなっているのでしょうか?

 

 「安全はおこなっていますか?」とお聞きすると、「安全パトロールをおこなっています」「安全大会をおこなっています」という回答をお聞きします。しかし実際に現場を見せていただくと、ほとんどの会社が安全不備と言わざるを得ない状況です。なぜそうなるのか?それは、安全に対する知識や意識が少ないからだと思われます。

 

  

 

 以下に安全に関するチェック項目を用意しました。皆さんの現場はどれくらい出来ているでしょうか? 〇×で答えてみてください。

 

①現場の敷地を仮囲いやゲートで囲み、関係者以外は入れないようになっている

②敷地ゲートは鍵付きになっている

③足場に容易に侵入できないようになっている

④足場は法令に準拠している

⑤足場点検票がある

⑥吹き流し、安全旗、安全に関する表示がある

⑦吹き抜け部の安全対策が施されている

⑧緊急連絡先を表示している

⑨工具は適切に使用している

⑩安全教育や資格取得をおこなっている

 

 言葉で記しているだけなので、どの程度なら良いか分かりにくいかもしれませんが、自信を持って「全ておこなっている」と言えれば問題ないと思います。しかし、これらが少ししか出来ていないとなると問題です。一度現場の安全チェックをおこなうことをお勧めします。

 

 安全とは命に関わる項目です。特に多く見受けられるのが①~④の不備です。敷地に簡単に入れる現場を見かけますが、もし工事が休みの時に近所の子供が入って、足場に上って転落しケガをしたらどうしますか? 夜中に勝手に入って放火されたというケースも実際にはあります。安全とは現場で働く職人さんたちのためだけではなく、周りへの配慮という点も考えていただきたいです。⑥などは必要か?と思われるかもしれませんが、安全に対してしっかり対応しているというアピールにもつながります。余計な費用が掛かると考える方が多いですが、事故があったら会社の信用も失いかねません。余計な費用ではなく必要な費用と捉えてください。

 

 

 安全を強化していくには、監督や職人の安全教育も欠かせません。監督が良い・悪いを理解していないと、現場の職人に対して指導することが出来ません。これは多くの現場で見受けられます。例えば脚立を2階へ上がるための梯子代わりに使っているケースがあります。これは脚立の使い方として間違っていますが、それを知らなければ指摘もできません。仮設階段は突き出し長さが決まっていますが、それも知らなければそのままになってしまいます。

 

 現場に行ったら何をチェックするのか、ベテランであればすぐに気づくことでも経験の浅い監督では気づかないことが多々あります。それを回避するにはチェックリストが必要です。また監督がしっかりと知識を得ること、そして職人さんへ指導や改善を求めることが重要です。そのためには教育も強化しましょう。職長教育や足場の特別教育などの資格を取る、悪い事例があればそれを皆で共有するといったことです。机上でも現場でも学ぶ機会はたくさんあると思います。職人さんも一緒に勉強してください。

 

 安全は絶対に疎かにしないこと。社員のため、職人・業者のため、お施主様のため、そして現場の近隣の方々のためにも、確実な安全対策をおこなってください!

 

 

 住宅産業塾では、毎年「魅せる現場コンテスト」を実施しています。現在エントリーを受付けています。コンテストといってますが、他社との優劣をつけるというよりも、自社の現場がどこまで出来ているのかを把握するという観点で考えていただくと良いです。この中では、きれいだけではなく「安全」もチェックします。いくら現場がきれいでも安全対策が出来ていないと評価が下がります。コンテストにエントリーすればチェックリストをお渡しします。安全項目もたくさんありますので、このような機会を活用してみてください。くわしくは、住宅産業塾HPをご覧ください。

 

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