お客様対応とは、現場監督が行う「現場管理」と同じ重みを持つ重要な仕事です。うまく現場運営を進めたければ、どんなに忙しくとも「お客様対応」に手を抜かないことです。
お客様は工務店に家づくりを依頼するなかで、期待がいちばん高まるのが「請負契約」後です。とくに着工後の工事中は“どんな家が建つか”“注文どおり建ててくれるか”“手抜きをしないか”“間違いを起こさないか”“現場監督はしっかり管理してくれているか”不安がどんどんつのっていくものです。
このようなとき、現場監督がお客様への連絡、意思疎通を怠ったらどうでしょう。現場監督への不信、不満は一気に高まります。一度失った信頼を回復するのはとても難しいものです。一度信頼を失うとそのお客様の信頼回復はほとんど不可能といっても過言ではありません。その結果、起こるのはクレームの山です。何でもないことが不満になり苦情に結びついてしまうのです。「お客様のためにどのようなことをしても理解してもらえない」、このような経験を持つ現場監督も少なくないはずです。現場監督が心得ておかなければならないお客様対応は「現場の進捗報告・連絡」と「現場での立会い説明・確認」の2つです。
◆「現場の進捗報告・連絡」
「現場の進捗報告・連絡」は最低でも1週間に2回、できれば1回は訪問やWebにて直に話をして、ここ1週間の現場の施工状況と来週の工事予定を報告するとより良いです。近々に立会い確認が予定されていればその日程確認もします。
◆「現場での立会い説明・確認」
「現場での立会い確認」は着工から完成まで、出来れば9回行ってください。立会い説明・確認は、ただ単にお客様にご確認いただくだけではなく、お客様にご注文いただいた工事内容に沿って、現場が進んでいることを説明することが大切な目的です。この立合い確認をおこなっていなかったり、監督により回数が異なるといった事例をよく見かけます。担当により対応が違うというのは、業務の標準化が出来ていない証拠です。
お客様の大切な“家づくり”をお預かりしていることを忘れずに、絶えずお客様の不安が起きないよう「お客様の納得がいく」現場運営を心がける必要があります。そのための絶対条件がお客様への現場状況の「報告・確認」です。いつでもお客様が現場の進捗状況がわかり納得していれば不安は起きません。
“一生懸命やっているのだから専門家の我々に任せておけばいい”といった態度は絶対に慎まなければいけません。お客様の信頼を得るには、専門的なことであってもお客様にわかりやすく説明し確認することをいつも心がけることです。このようにお客様と一緒になって家づくりを進める心を持つと、お客様が信頼し納得する顧客満足度の高い現場運営を実現することができます。
◆立会い方法とその記録
お客様立会い説明・確認は「最終設計図書」と「最終打合せ確認書」など書面をもって行います。お客様現場立会い説明・確認で忘れてはならないのは確実に確認したその記録を残すことです。人間は時として勘違いを起こします。“言った、言わない”“指示したはず”というような勘違いは記録を残しておかないと水掛け論になるばかりではなく、信頼感も傷つけることになります。このようなことで現場監督の信用を落とすのは馬鹿げています。お客様との立会いはきちんと確認をして文書で記録を残す習慣をつけてください。
◆立会い確認書
お客様現場立会いの記録は「最終図面」への直接記入と、「お客様立会い説明・確認書」をもって行います。「お客様立会い説明・確認書」は各確認工程での確認項目ごとにお客様のコメント、要求事項、改善依頼事項などをもれなく記入します。「立会い確認結果」欄にはお客様と合意した内容を箇条書きで簡潔に記録します。「お客様立会い説明・確認書」はすべて記入後、必ずお客様の記名捺印を頂き確認内容をお互いに確認しあいます。
もし「業務が多くてお客様対応ができない」と思っている経営者・監督がいたら、「お客様対応をしっかりおこなうために、業務の標準化・効率化を目指す」という考えに改めてください。今よりも手厚い対応が出来るようになれば、より顧客満足度も高まります。考え方を変えてみましょう。
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