今回から具体的にどうすればいいのかをお話していきたいと思います。
工務店ごとに最適解は違います。答えの作り方をまとめましたのでぜひ皆さんの最適解を見つけてください。
前回までおおまかな戦略についてお話してきましたが、今回から具体的にどうすればいいのかをお話していきたいと思います。
大きく分けて中規模工務店と小規模工務店での話をしましたが、まずは私にとって、なじみのある小規模工務店の話からしたいと思います。先に、この連載には具体例には敢えて私がこうしている、ああしている、知り合いの工務店がこうしたという事例は書いていません。それを読むことで安易にこれが答えだと思ってしまう勘違いのバイアスがかかることを避けるためです。工務店ごとに最適解は違います。答えの作り方をまとめましたのでぜひ皆さんの最適解を見つけてください。
❶商品(戦場)の分野では、地域一番店であることと定義しました「ナンバーONE戦略」ですね。
ここの構築の仕方と訴求のやりかたのポイントを解説していきます。
まずは現状の把握ですね
①自分の会社の特徴を把握する
②社長自身の好きを深堀する
③自分の会社の商圏を把握する(地域の人口及びマーケットの規模)
④会社のフィロソフィー(理念)を作る
⑤上記を踏まえ何の一番かを決める
⑥それをどう伝えるか
こんな感じでしょうか?
①自分の会社の特徴を把握する
自分の会社の出来ることを把握することになります。
いつも私が決まって言うことの一つがしたい事と出来ることは違う。
やりたいことが決まっても、出来ない事では最終的に挫折します。
自分の会社の特徴=リソース(出来ること)を正確に把握する必要があるわけです。
例えば、
・会社の人数
・年商
・利益率
・売上げ構成比率
・男女比率
・平均年齢
・社歴
・地域で今まで作ってきた住宅の特徴
・引渡し棟数
・地域での認知のポジション=(競合他社と比べて、顧客に自分の会社がどう見えているのか?)
・既存引き渡し顧客との関係性
等々でしょうか?
②社長自身の好きを深堀する
なぜ2番目なのか?結論から言うと続けるためです、良いとわかっていても出来ない事は続きません、
例えば、運動は体に良いのはわかっているが、日々運動を続けるのは至難の業です。ご自宅に使われなくなった健康器具、エアロバイク、ぶら下がり健康機などは埃をかぶってはいませんか?
NO1戦略で絶対に必要な事は、続けることです。続けるコツは“好きなことをする”です。
工務店という仕事を選んでいるわけですから。皆さんが社長になった経緯は監督からなのか、営業からなのか、職人からなのかは関係なく何か作るのが好きな方たちだと思います。その中で自分は何が好きなのかを軸に据えて考えないと続けるビジョンはできません。
では好きが分かったところで、次にすることは、
③自分の会社の商圏を把握する(地域の人口及びマーケットの規模)
ここは結構大事で、次のフィロソフィーの決定に大きくかかわってきます。通常工務店の商圏は車で片道1時間圏内ぐらいと言われています。その商圏にあった事業形態をとらないと事業の継続はかなり難しいと思います。代表的な指針で行くと、
・地域における
・人口
・年齢構成
・持ち家比率
・住宅を買ってくれる年齢層の施主の仕事の形態
・平均年持収
・持ち家における指向性
等々
ここを把握すると自分の会社の地域での立ち位置が何となくうすぼんやりと見えてきます。
要するに顧客はどこの誰なのか、です。
ここを間違うとどんな業種でも事業は立ちいかない。
例えば料理人が独立するとき考えるのが、
・自分の得意料理がその地域の人たちに受け入れられるのか
・ライバルのお店がどのへんでどんな価格帯でやっているのか
・その料理でどの位の頻度で客が来てくれるのか?
などを考えて
・立地の選定
・お店の規模内装のしつらえ
・メニュー構成
・価格設定
往々にここを間違った飲食店が数年で閉店に追い込まれていきます。
④会社のフィロソフィー(理念)を作る
ここで上記①②③を踏まえ会社のフィロソフィー(理念)を作ります。
なぜ、こんな回りくどくするのか、それは上っ面だけのきれいごとだったり、出来ない事をまことしやかに言っても顧客はそれを見抜いてしまうのです。地域で根差してコツコツと事業を継続する地場工務店には正直さが求められます。施主に胸をはって、地域でのNO1を宣言するにはその基礎に明確なフィロソフィー(理念)が必要なのです。
フィロソフィー(理念)の作り方のコツを少しお話します。
1.実現可能な事
2.地域と顧客に貢献出来る事
3.自社の存在意義を胸張って言える事
4.わかりやすい言葉で表現出来る事
5.何のために、誰のためにが明確に
6.簡潔な言葉で
7.社内の共感を得られること
これで、自分たちの組織で出来ることで、社長が好きな事で、地域のマーケットに受け入れられる明確な理念を元に、地域での自分の会社のNO1を決めることができるようになります。
⑤何の一番かを決める
地域(商圏)の一番の決め方ですが、数値化できるものが一番良いのですが、(着工棟数、性能、社歴、等)それがない場合どうすればよいのか、それは視覚情報で訴求することです。
デザイン、現場(綺麗さ)、OB顧客からの感謝の言葉(アンケートをお勧めします)。
クレーム対応、など顧客に真摯に向かい合う姿を訴求する事で地域(商圏)一番が際立ちます。全国一番とか都道府県一番とかである必要は無い。自社商圏でかつ、ターゲツト顧客のセグメント(価格帯、顧客層、指向性)の中で一番ならいいのです。
限定されたエリアで限定されたセグメントでの一番なら何とかなりそうな気がしませんか?
まさにランチェスターの第一法則の弱者の戦略となります。
⑥どう伝える(告知する)のが良いのか
地域を限定して、セグメントを限定するのを前提とすると、届けたい顧客もおのずと限定されます。
まさに“顧客を選ぶから顧客に選ばれる”この限定された届けたい先に一番訴求できるのは口コミです。
ひとえに口コミと言っても多様なメデイアが考えられます。
Facebook、インスタグラム、YouTube、TikTok、OB顧客の紹介、自社ホームページでの施主の言葉、広め方は無限です。要は顧客を巻き込んでの口コミのプロモーションを意図的に展開することです。
良いもの作ればわかってくれる時代は終わろうとしています。良いものを作る会社はその良いものをちゃんとプロモーションして広めないと事業が立ちいかない時代になりました。ここを考慮して広めることを考えていきましょう。
ここまで読んでいただいていかがでしたか。
最適解は作れそうでしょうか。
みなさん自身で作るのがより望ましいのですが、それでも難しいという場合にはご連絡ください。
何はともあれ、まずは取り組んでみませんか。