住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は、「柱の撤去と梁補強」についてです。
戸建リノベーションをする場合、今ある家の間取りを変えるということが必要になります。
住み心地の良い家、機能性のある家にする上で大事なことになります。
その際、今ある柱を抜かないと広いスペースにならないということがありますので、この柱の撤去ということが出てきます。
柱を抜いたらそれに対する補強をしなければなりませんので、梁の補強がポイントになります。
結論から言いますと、抜けない柱は基本的にはありません。
ただそのための障害に対する処置と、補強方法で費用が変わってきます。
大工さんがこの柱は抜ける抜けないということをよく言いますが、要は抜く気があるかないかだけの話です。
補強方法が明確でなかったり、それにお金が結構かかったりするから、やめた方がいいと言っているだけのことです。
実際問題、どうしても柱を抜きたいのであれば、何かしらの補強方法があると思います。
最終的に住み心地が良くなければ戸建リノベーションをする意味がないわけですから、間取りを最優先して、そのあとで補強方法を考えていくのがいいと思います。
実は基本的に柱は耐震性にはあまり関係がありません。
耐震性に必要なのは、筋交いや耐震面材で横揺れを防ぐことになります。
では柱は何のために必要なのかというと、上からの荷重のためです。
雪などの上からの荷重をしっかりと支えるためには、柱がないとダメなわけです。
ですので、雪の降る地域と降らない地域では柱の大きさが違います。
そう考えて頂けると分かりやすいのではと思います。
写真にある梁の補強図面ですが、これは実際に工事した物件です。
青い丸は元々の柱があった場所です。
けれども、広い空間にするためにはこの柱を抜く必要がありました。
そのために新しく補強梁を入れました。
縦横4本の補強梁を入れて柱を抜きました。
このとき柱を6本抜いたんですけど、補強梁とともに新しい柱を16本バランスよく入れました。
この物件では、そのように補強しました。
補強梁は、写真のように元々ある梁の下に入れます。
その際、実は天井高が心配になります。
元々の柱が短い場合は、更にその下に補強梁を入れると、天井よりもかなり下がってしまうことが結構あります。
ですので、最初の段階で、今の柱の長さをしっかりと調べておくことが大事です。
例えば補強梁を入れても、梁の下端で2200㎜以上取れるのであれば、この梁を化粧梁にして、要は見せる梁としてデザインしてもいいですよね。
そのようにデザイン的な工夫をしながら、既存の梁の下に補強梁を入れるのが一番いいやり方なんじゃないかなと思います。
今回のお題は、「柱の撤去と梁補強」についてでした。
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以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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